語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】肉体は弱い

2019年02月23日 | ●佐藤優
 <誘惑に陥らないように、目をさまして祈っていなさい。心は熱しているが、肉体が弱いのである。 --「マタイによる福音書」26章41節

 ゲッセマネは、エルサレムの東方にある小高い丘(オリーブ山)の中腹にある。官憲に逮捕されて殺される危機が迫っていると認識したイエスは、ここで三回の苦しみに満ちた祈りをする。
 ここでは、イエスがその後受ける苦難が先取りされている。イエスは、真の人間である。一人の人間として、捕えられ、拷問にかけられ、殺されることは恐ろしい。イエスも悩み、不安に陥ったのである。このイエスを救ったのが祈りの力だ、キリスト教は、祈りを重視する宗教である。なぜなら、祈りによってのみ、人間は神とのコミュニケーションが可能になるからだ。
 しかし、ゲッセマネでイエスが必死になって祈っているときに、弟子たちは眠り込んでしまう。すなわち、弟子たちはイエスと祈りを共有していない。それは、これからイエスが直面する苦難を弟子たちが精確に予測していないからだ。弟子たちも頼りないという現実の中で、イエスの孤独が浮き彫りになる。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「悪と向きあう言葉」の「肉体は弱い」を引用

 【参考】
【佐藤優】裏切りの予告
【佐藤優】白く塗った墓
【佐藤優】警戒すべき人
【佐藤優】悪い交わり
【佐藤優】神の怒りに任せよ
【佐藤優】他人を裁くな
【佐藤優】木はその実でわかる
【佐藤優】人を汚すもの
【佐藤優】舌という火
【佐藤優】怒りを持ち越すな
【佐藤優】怒るに遅くあれ
【佐藤優】体の欲に従うな
【佐藤優】内面の悪
【佐藤優】欲望が罪を生む
【佐藤優】罪の誘惑
【佐藤優】豚に真珠を与えるな
【佐藤優】右目を捨てなさい
【佐藤優】復讐してはならない
【佐藤優】荒野の誘惑
【佐藤優】受けるよりは与える方が幸い
【佐藤優】秤(はかり)のたとえ
【佐藤優】愚かな者になれ
【佐藤優】汚れたものとは
【佐藤優】劣った部分を尊ぶ
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~