語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】人を汚すもの

2019年02月13日 | ●佐藤優
 <あなたがたはみんな、わたしの言うことを聞いて悟るがよい。すべて外から人の中にはいって、人をけがしうるものはない。かえって、人の中から出てくるものが、人をけがすのである。 --「マルコによる福音書」7章14-15節

 キリスト教は言葉を重視する宗教だ。心の中で思っていても、それを言葉にしなくては意味がない。神が人間に与えた重要な能力が言葉を使うことだ。
 さて、ユダヤ教徒は、食物にこだわる。例えば、豚肉は食べない。不浄な物を食べることによって罪を犯すことを恐れるからだ。これに対してキリスト教徒は何でも食べる。イエス・キリストが、罪は食べ物によって生じるのではなく、「人の中から出てくるもの」すなわち、人が発する言葉によって生じるという認識を示しているからだ。
 人間は言葉によって、人を喜ばせることができるが、人を悲しませ、怒らせ、陥れることもできる。もっとも、正しく言葉を使うことに努めているつもりでも、どうしても余計なことや悪意を含んだことを言ってしまう。自分の言葉を反省することによって、自分に内在する罪を自覚することがとても重要だ。罪の自覚なくして、悔い改めはないからだ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「悪と向きあう言葉」の「人を汚すもの」を引用

 【参考】
【佐藤優】舌という火
【佐藤優】怒りを持ち越すな
【佐藤優】怒るに遅くあれ
【佐藤優】体の欲に従うな
【佐藤優】内面の悪
【佐藤優】欲望が罪を生む
【佐藤優】罪の誘惑
【佐藤優】豚に真珠を与えるな
【佐藤優】右目を捨てなさい
【佐藤優】復讐してはならない
【佐藤優】荒野の誘惑
【佐藤優】受けるよりは与える方が幸い
【佐藤優】秤(はかり)のたとえ
【佐藤優】愚かな者になれ
【佐藤優】汚れたものとは
【佐藤優】劣った部分を尊ぶ
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~