語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】劣った部分を尊ぶ

2018年10月20日 | ●佐藤優
 <神は劣っている部分をいっそう見よくして、からだに調和をお与えになったのである。それは、からだの中に分裂がなく、それぞれの肢体が互いにいたわり合うためなのである。もし一つの肢体が悩めば、ほかの肢体もみな共に悩み、一つの肢体が尊ばれると、ほかの肢体もみな共に喜ぶ。 --「コリント人への第一の手紙」12章24-26節

 キリスト教は、人間の能力や適性が平等であるとは考えていない。知力に秀でた者がいれば、そうでない者もいる。運動能力に秀でた者もいれば、少し鈍い者もいる。健康に恵まれている者もいれば、病気がちの者もいる。さまざまな人たちが互いに補い合って、人間社会が成り立っているのである。
 理屈ではそのことがわかっていても、弱い立場にいる人がいつもそれを受け入れるのは理不尽だ。それだからパウロは、弱い部分がある人は、「どうしてこういう自分にしたのだ」と神を恨むのではなく、弱い部分を生かすように努力すればよいと呼びかける。そうなると、意外とそこから新しい能力が開花することもある。
 神が、それぞれの人に劣っている部分を作ったことを、むしろ前向きに捉えた方が人生は楽しくなるとパウロは説いている。世の中の常識を逆転させて、同じ事柄に別の意味を持たせる能力を、イエスとパウロは持っている。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「劣った部分を尊ぶ」を引用

 【参考】
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~



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