語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】どこまで罪を赦すか

2018年10月15日 | ●佐藤優
 <ペテロがイエスのもとにきて言った、「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯した場合、幾たびゆるさねばなりませんか。七たびまでですか」。イエスは彼に言われた、「私は七たびまでとは言わない。七たびを七十倍するまでにしなさい。」 --「マタイによる福音書」18章21-22節

 新約聖書の時代、7は完全数と考えられていた。従って、7は、数にとどまらず、最も善いことも意味する。それでは、最も悪いことを意味する数はいくつだろうか。完全数である7に一つ欠けた6だ。ホラー映画「オーメン」の主人公ダミアンの頭に666と記されていたのは、最悪のものが三つ並んでいるという意味で、まさにダミアンが悪魔の子であることを示している。
 さて、ユダヤ教では、神は人間の罪を、同じものならば三回まで赦してくれると考えられていた。この神の寛容の原理を、三回ではなく、無限大に拡大し、それを人間相互の関係においても適用せよとイエスは主張するのだ。
 どのようなことをしても赦されるようになるならば、そもそも赦しという概念が消えてしまう。律法を犯したことを認め、赦してもらうという構造を脱構築し、人間は、ひたすら悔い改めることをすれば、必ず救われるという、信仰により律法を克服する姿勢をイエスは鮮明にした。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「どこまで罪を赦すか」を引用

 【参考】
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~



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