語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】裏切りの予告

2019年02月22日 | ●佐藤優
 <今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう。 --「マタイによる福音書」26章34節

 ペトロはイエスの一番弟子であるが、少し調子がいいところがある。官憲に逮捕される日の夕刻、イエスが弟子たちに「今夜、あなたがたは皆わたしにつまづく」、即ち「お前たちは全員、俺を裏切る」と言った。これに対して、ペトロが「たとい、みんなの者があなたにつまづいても、わたしは決してつまづきません」と宣言する。これに対して、イエスが「今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言い返す。ペトロは「たといあなたと一緒に死なねばならなくなっても、あなたを知らないなどとは、決して申しません」と言う。しかし、実際には、ペトロは鶏が鳴く前に三度イエスを知らないと言うのである。
 人間は弱い存在だ。自分の弱さを素直に認めず、イエス・キリストに徹底的に従うことができるなどと調子のいいことを言ってはいけない。ちなみに遠藤周作氏の小説『沈黙』で、何度も転ぶ(信仰を捨てる)キチジローのキャラクターは、ペトロを基にしている。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「悪と向きあう言葉」の「裏切りの予告」を引用

 【参考】
【佐藤優】白く塗った墓
【佐藤優】警戒すべき人
【佐藤優】悪い交わり
【佐藤優】神の怒りに任せよ
【佐藤優】他人を裁くな
【佐藤優】木はその実でわかる
【佐藤優】人を汚すもの
【佐藤優】舌という火
【佐藤優】怒りを持ち越すな
【佐藤優】怒るに遅くあれ
【佐藤優】体の欲に従うな
【佐藤優】内面の悪
【佐藤優】欲望が罪を生む
【佐藤優】罪の誘惑
【佐藤優】豚に真珠を与えるな
【佐藤優】右目を捨てなさい
【佐藤優】復讐してはならない
【佐藤優】荒野の誘惑
【佐藤優】受けるよりは与える方が幸い
【佐藤優】秤(はかり)のたとえ
【佐藤優】愚かな者になれ
【佐藤優】汚れたものとは
【佐藤優】劣った部分を尊ぶ
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~



【南雲つぐみ】曲がりネギ

2019年02月22日 | 医療・保健・福祉・介護
 冬の鍋料理などには欠かせない長ネギ(根深ネギ)。最近見つけたのが、「く」の字のカーブ状になっているネギだ。調べてみると、「曲がりネギ」といって、仙台市や岩手県一関市、他にも新潟や長野などでも郷土野菜として作られている。
 途中で曲がってしまったのではなく、あえて曲げている。どうりで一束のネギがみんな同じカーブできれいに曲がっているはずだ。
 曲がりネギは、ネギの栽培に適しない土地で開発された「やとい」という栽培技術により作られ始めたそうだ。
 ある程度育った長ネギを一度抜き、傾斜を付けた土の上にネギを寝かせ、土をかぶせて育てる。すると、寝かされたネギはまっすぐ上に伸びようとするため、途中から曲がったネギになる。
 曲がりながら成長するストレスにより、曲がりネギは柔らかく甘みと香りの強いものになるそうだ。この味が好評で、最近各地に広まっている。
 白い部分が多く、肉厚で、鍋に入れるととろけるように甘く、わが家でも好評だった。

□南雲つぐみ(医学ライター)「曲がりネギ ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年11月16日)を引用