語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】知恵を誇るな

2018年10月19日 | ●佐藤優
 <神は、知者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選び、有力な者を無力な者にするために、この世で身分の低い者や軽んじられている者、すなわち、無きに等しい者を、あえて選ばれたのである。それは、どんな人間でも、神のみまえに誇ることがないためである。 --「コリント人への第一の手紙」1章27-29節

 「コリント人への第一の手紙」は、トラブルが続出しているコリント教会の問題を解決するためにパウロが送った手紙だ。この教会には、豊かな人もいれば貧しい人もいる。知識人もいれば、そうでない人もいる。特に大きなトラブルを引き起こしたのが、自分は豊かでしかも知恵があるというプライドが過剰な人たちだ。こういう人たちに、パウロは、神の基準は、人間の基準とまったく異なると強調する。
 もっとも、パウロは富裕層の出身で、ギリシア語のみならずラテン語にも通暁した知識人だ。パウロはそのような自分の権威を最大限に活用して、「俺ですら神の前で自分を誇ることはできないんだ。あんたたちにできるわけがないだろう」と畳み掛けているわけだ。一見、謙虚に見えながら、強圧的なパウロの姿勢が端的に表れている箇所だ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「知恵を誇るな」を引用

 【参考】
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~


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