語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】怒るに遅くあれ

2019年02月07日 | ●佐藤優
 <愛する兄弟たちよ。このことを知っておきなさい。人はすべて、聞くに早く、語るにおそく、怒るにおそくあるべきである。 --「ヤコブの手紙」1章19節

 パウロは人間の欠点をよく知っている。「聞くに早く」とは、情報収集を入念に行えという意味だ。どんな話でも、とりあえず自分の耳に入れておく。そこから取捨選択すればよい。そして、発言するときは慎重にしなくてはならないというのが「語るにおそく」の意味だ。
 キリスト教は人間の行動に関心を持つ。信仰は即、行動となって現れるからだ。その場合、特に気をつけなくてはならないのは怒りだ。人間には、自分の意思でなかなか制御できない感情があるが、その一つが怒りだ。怒ると人間は正確な判断ができなくなる。そして、感情にまかせて行動することになる。その結果、罪を作り出してしまい、自分が苦しむことになる。
 もっともパウロが繰り返し、怒りを制御せよと述べるのは、彼自身が頻繁に怒っていたからだと思う。それ故にパウロは人間関係で敵をたくさん作った。自分は怒りを上手に制御できないので、他のキリスト教徒には、きちんと制御して欲しいと呼びかけているのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「悪と向きあう言葉」の「怒るに遅くあれ」を引用

 【参考】
【佐藤優】体の欲に従うな
【佐藤優】内面の悪
【佐藤優】欲望が罪を生む
【佐藤優】罪の誘惑
【佐藤優】豚に真珠を与えるな
【佐藤優】右目を捨てなさい
【佐藤優】復讐してはならない
【佐藤優】荒野の誘惑
【佐藤優】受けるよりは与える方が幸い
【佐藤優】秤(はかり)のたとえ
【佐藤優】愚かな者になれ
【佐藤優】汚れたものとは
【佐藤優】劣った部分を尊ぶ
【佐藤優】知恵を誇るな
【佐藤優】偉くなりたい者は
【佐藤優】天国でいちばん偉い者
【佐藤優】どこまで罪を赦すか
【佐藤優】命を得るために
【佐藤優】預言者を敬わない人
【佐藤優】サマリヤの女
【佐藤優】新しいぶどう酒は
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~



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