語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】新しいぶどう酒は

2018年10月09日 | ●佐藤優
 <だれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、その皮袋は張り裂け、酒は流れ出るし、皮袋もむだになる。だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。そうすれば両方とも長もちがするであろう。 --「マタイによる福音書」9章17節

 ユダヤ教において、断食は罪を悔い改める心の表れとして重視されていた。特にパリサイ派は、年五日の定められた断食日のほか、毎週月曜日と木曜日にも断食をしていた。そして、断食をしない人々をパリサイ派は軽蔑していた。これに対して、イエスは断食をしなかった。それだから、イエスは彼らに、「大飯食らいで、大酒飲み」と非難された。またイエスは、「主の祈り」でも毎日の糧を神に願っている。
 このようなイエスの姿勢への非難に対して、イエスはぶどう酒のたとえで答える。ユダヤ教は古いぶどう酒なので、古い革袋に入れておけばいい。これに対してイエスが説く教えは、新しいぶどう酒のようなものなので、古い革袋に入れたら破れてしまうのである。断食をしない、罪あるとされた人々と食事を共にする、病気の女性、重い皮膚病にかかった人々とも平気で交流する。このように革新的なイエスの教えを受け止めるために、新たな共同体(革袋)が必要とされるのだ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「新しいぶどう酒は」を引用

 【参考】
【佐藤優】返礼を求めるな
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
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【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~



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