大10同好会

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「めばえ」(土井卓美)

2017年03月04日 18時58分32秒 | Weblog
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夕方からは少し雲も出てきましたが、今日は風も穏やかで春到来を感じさせるいい天気でした。
陽気が良くなるにつれ霞がたなびくようになり、遠くに見えていた山々がだんだん見えなくなってきます。
そして身の回りでは春の息吹が日に日に強く感じられるようになります。

春は全ゆる生命の萌え出る候であり、自然界も人間界も躍動を前にした喜びに溢れています。
俳句の季語も他の季節に比べて春が圧倒的に多いのもその表れでしょう。
その1つの典型例が「めばえ」だと思います。
具体的な1つ1つの草や木の芽も詠まれますが(柳の芽、山椒の芽、菖蒲の芽、牡丹の芽・・・・)「木(こ)の芽」は春になって芽吹く木々の芽の総称であり、「草の芽」は萌え出るさまざまな草の芽、「ものの芽」は木の芽、草の芽を含めた早春に萌え出る草木の総称です。

一昨日(3/2)送られて来たあるインターネット句会(37名・185句)の選句中ある人が拙句「ものの芽や木曽川(きそ)の流れのゆるやかに」を特選に採ってくれました。
その選評は「春先の川の流れはゆるやかと言うよりむしろ速くなるのでは、と一瞬思いましたがそれにもまして早春の気持ち良さが感じられるいい句だと思いました。」でした。
遠方の方はご存じないのも無理はありませんが、木曽川は下流に堰があり、豊かな水もゆっくりと流れ、時には停止して水鏡になります。


霞む御嶽山


鈴鹿山系に沈む夕日