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「私の履歴書」と「禁断のスカルペル」(土井卓美)

2015年06月01日 05時51分04秒 | Weblog

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昨日の日曜日も5月としては異例の暑さとなりましたが、午前中ずっと内に居ても全く退屈するどころか読書の充実感を味わいました。

先ず日経に連載された日立製作所川村隆相談役(元会長兼社長)の「私の履歴書」がこの日を以って終了しました。
私自身長年日立の禄を食んだから尚一層身近に感じられ興味深かったこともありますが、それでなくても重要なこと、難しいことを誰にでも分かりやすく、少しも偉ぶることなく坦々と記され、多くの人の共感を呼んだことと思います。
業績は言うに及ばず文章も人生そのものも素晴らしいと感動しました。
これまでに多く読んだ財界人の「履歴書」の中でも最も心に残る一つとなりました。
結びの言葉も人柄が表れていて非常にいいと思いました。

次に日経の同面(36頁)に長谷川櫂の「「折々のうた」を選ぶ」が載っていましたが、これも実に興味深く何度もくり返し読みましたが、少し専門的になるのでここでの詳細紹介は省きます。

そしてこれも同面の久間十義の連載小説「禁断のスカルペル」も完結しました。
この作者の取材の徹底振りにも感心しますが、構成や文章もしっかりしていて、特に会話の部分はどうしてこう上手く書けるのだろうかと思うほどに登場人物の一人々々を生き生きさせていました。
全体の流れからすると少し唐突な感じで最終回を迎えたような気がしないでもありませんが十分に楽しませてくれました。
結びの表現も見事でした。
もう一つ、板垣しゅんという画家の最終回の挿絵が印象的でした。
女医先生の性格と決意を示す目が何とも素敵でした。