事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言 08年11月号 首相篇

2008-11-30 | うんちく・小ネタ

Taro01 10月号はこちら

 今月の名言王といえば、こりゃもう総理に決定だ。

「幼稚園はお子さんを預かっているが、そのお子さんの後ろについている親で苦労しているでしょ。」

私立幼稚園PTAの全国大会にて。これを親に向かっていうあたりの天衣無縫さがいい。
つづいては全国知事会議で

「病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会的常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと。」

経済財政諮問会議では

「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」

この人は正直だ。発想は田舎の小企業主そのものであり(小どころではない大金持ちらしいが)、彼の意見に内心は賛同している人もたくさんいると思う。医者には確かに社会常識がないし、産科医が少なくて現在苦労しているのも医師会の意向が働いたからではないか、と。だいたいこの人は昔から失言王なのであり

「創氏改名は、朝鮮人が名字をくれと言ったのが始まり」

「(米の内外価格差について)どちらが高いか、アルツハイマーの人でもこれくらいわかる」

ミゾウユウ(未曽有)だのフシュウ(踏襲)だのハンザツ(頻繁)だのといった言い間違えなど可愛いものである。

 自分こそが保守本流だというプライドと、祖父であるもっとスケールの大きな失言王だった吉田茂を尊敬しているのだから、マスコミや野党の批判など実はあまりこたえてはいまい。失言がなくなり、こじんまりとした原稿棒読み首相に変貌したら、それこそ何のために麻生を総理にすえたのか。地味な福田じゃダメだったんだろ

 でもわたしは自民党の末期症状もここまできたかと思う。失言をかまさなければ存在意義がないような人間をトップにおくことで、どれだけ国益が損なわれているか。まあ、イタリアにはけた違いの金持ちであるベルルスコーニがいて、けた違いの失言をやっているからその意味でも麻生は小さい小さい。なにしろ伊首相は、当選したオバマを表して

「日焼けしていて格好いい」

言えないよこれはなかなか(笑)

首相以外篇につづく。

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源泉徴収という罠 第5回「トリック」

2008-11-30 | 情宣「さかた」裏版

Paulsmithlogo 第4回「年末調整」はこちら

 年末調整の二つ目の問題点。そしてこの国の税制にひそむ最大のトリックは【ほとんどのサラリーマンは所得税について直接に対峙する機会がない】ことだ。

 源泉徴収→年末調整という流れのなかで、住宅を建てた翌年か、医療費がよほどかさむか、あるいは年収2000万円を超えるかでもしないかぎり(残念ながら山形県の教職員にはこんなうらやましい人はめったに存在しない)日本のサラリーマンはまず確定申告をすることはない。e-Taxを知っている人は圧倒的に少数だろう。

 というのも、給与所得控除の号でお知らせしたように、こいつが思いっきり甘く設定されているため、アメリカのように領収書集めに奔走する手間もいらず、おまけに精算事務も雇用主が代行して行ってくれているからだ。こんな国は他にない。

 だからほとんどのサラリーマンにとって税金のために行うアクションは、11月に保険料の証明書を申告書の裏に貼っつけることと、扶養控除の申告書とともにちょこちょこっと記入することぐらいになってしまった。

 その結果どうなったか。

Wallaceandgromit_psfk  この、のんきなサラリーマンたちが、税金を《自分のこと》として考えなくなってしまったのである。そんなことはない、と反論されるかもしれない。それではあなたは、今年どれくらいの所得税を払ったか、すぐに言うことが出来るだろうか。身を切る思いで自分の財布から税金を払っているならともかく、なかなかそうはいかないでしょう?ここに、源泉徴収という罠が存在するわけだ。

 納税者としての意識が民主主義の根幹だと言われていることからもわかるように、自分のことではない税金の使途に、はたして本気になれるものだろうか。サラリーマンが、御しやすいサイレント・マジョリティだと為政者にナメられる要素がまさにこれ。

 消費税が導入されたときの大騒ぎを思い起こしてほしい。本気で税と向き合えば、決してサイレントでいられるわけがないのだ。すくなくとも、1月に配布される源泉徴収票は熟読してほしい。給与所得者としてのすべての情報が凝縮されたあの紙っきれからは、あなたが払った税額とともに、様々なことが読みとれるはずだから。

02年12月24日付情宣さかた裏版より。

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源泉徴収という罠 第4回「年末調整」

2008-11-30 | 情宣「さかた」裏版

Paulstuartlogo 第3回「源泉徴収」はこちら

 いったいどうして年末調整などというサラリーマンにとってステキな制度(皮肉)が導入されたのか。話はそこから始まる。

 敗戦直後、世間では闇取引が横行し、すさまじい勢いでインフレが進行していた。ために申告による納税は悲惨な状況となり、税務署員が払底していたことも手伝って、何らかの措置が必要とされることとなった。

 そこで1947年の所得税法の改正の際に、こっそりと、しかし後の日本の税制を特徴づける重要な制度【年末調整】が登場した。

 この制度は、年収5万円(現在は2000万円)以下の給与所得者の確定申告を省略して、源泉徴収してきた所得税と、本来の所得税額との過不足を、雇用主(源泉徴収義務者)が年末に調整しなければならない、とするもの。
 徴税当局としては、あてにならない申告納税よりも【迅速】【確実】そして【安価】に税収を確保できるというメリットがあったわけ。

 迅速、確実……そりゃそうだ。給与が支払われるたびに、所得税は自動的に差し引かれ、ほとんど何の疑問もなく税務署の金庫に納められるのだから。

 安価……この徴税制度のコストの安さは特筆に値する。なにしろ、本来徴税の主体者である国の事務のほとんどすべてを事業者に無償でやらせているのだ。企業が負担している源泉徴収の費用は、年間2,500億円におよぶという試算もあるくらい。サラリーマン一人あたり約5,000円である。懇切丁寧な説明会を何度開いてもバチは当たらないというわけだ。大企業の総務課は11月からの約一ヶ月間をこの事務に集中しなければならないし、わたしたち山形県職員にしても、給与システムを年末調整に反映させるためにものすごいコストをかけてソフトを作成し、おかげで複雑化したシステムのために事務職員が頭を悩ましている。

 このすばらしき年末調整は、二つの大きな問題点をかかえている。

Paulstuart  ひとつには、自分のプライバシーをこの制度のために会社にさらさざるをえないということ。家族情報や、住宅を建てるためにいくら借金をしたか、どんな保険に加入していて受取人は誰なのかにいたるまで、会社(→わたしたちの場合は山形県)に申告しなければ税控除も受けることができない。

 端的なのが廃止の方向に動き始めた配偶者特別控除。その年の収入額を不確定なままに予測し、ある意味バクチのように申告している。こんなもんどう考えても確定申告のエリアなのだが、それでもむりくりに年末調整のなかに入っている。

 つまり、日本のマジョリティであるサラリーマンには、どうあっても確定申告をしてもらいたくないという意図がミエミエ。

 その理由は、二つ目の問題点のなかにある……
【つづきは次号最終回「トリック」で】

02年12月13日付情宣さかた裏版より。

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源泉徴収という罠 第3回「源泉徴収」

2008-11-30 | 情宣「さかた」裏版

Brooksbrothers 第2回「クロヨン」はこちら

 前号で給与所得者には意外に多額な必要経費が認められていることをお知らせした。衣料品(背広、Yシャツ、体育教師ならジャージ系も含まれるだろうか)、身回品(靴、カバン、時計)、クリーニング・理容代、文具、新聞・書籍、交際費……よほどの高コスト教職員でも、その必要経費が20%をこえることはまずない。

 それでも、これだけの控除が認められているのはなぜだろう。
 ここに、源泉徴収と年末調整がからんだ、日本の税制の特異な点がひそんでいる。

 12月の給与で、所得税が大幅にかえってきたり、逆にとんでもなく取られてしまうことから職員の一喜一憂があるわけだけれど、これは以下の事情による。

 サラリーマンの給与は、概算された所得税額を天引きされたうえで支給されている。これが源泉徴収という制度だ。そして企業などの勤務先(わたしたちの場合は山形県→結果的に学校事務職員がそれにあたる)による国の徴税事務代行によって確定された所得税の年額が求められ、その年の最後の給与で調整される。これが年末調整

 乱暴な言い方をすれば、「仮払い」をしてきた(源泉徴収)所得税を支払者が「精算」してあげる(年末調整)システム。
 だから12月の給与の手取りが多かった場合、税金を多く支払いすぎていたのだから本来は怒らなければならないのだ。ま、気持ちはわかりますが。

 では、この給与所得からの源泉徴収という制度はどのようにして始まったのだろう。

 日本に所得税が創設されたのが1887(明治20)年。やがて法制化され、1899(明治32)年に初めて源泉徴収という仕組みが登場する。このときは、利子所得への導入だった。それが給与所得への源泉徴収が導入されたのは1940(昭和15)年。その目的は、時期的なことを考えてもお分かりのように戦費調達である。モデルになったのはナチス・ドイツの方法論だった。

 どうして源泉徴収が戦費調達に都合がよかったかというと、この制度の特徴を考えればすぐに理解できるはず。

・支払者が所得支払いの際に税金を天引き徴収する
・天引きされるために納税上の苦痛が少ない
・国家の権力によって強制的に徴収されるという感じが少ない
・原則として申告などの手続きを要しない
・徴税費が比較的少なくてすむ
 
そろそろどうして源泉徴収を組合の情宣で問題にしているか、察しのいい人はわかってきたでしょう。おまけに、この源泉徴収を補完する意味でまことに洗練されたシステム、年末調整が導入されるのである。

【次号PARTⅣは、もちろん年末調整を特集】

02年12月3日付情宣さかた裏版より

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源泉徴収という罠 第2回「クロヨン」

2008-11-30 | 情宣「さかた」裏版

Giorgioarmanidressesbruc 第1回「保険料控除」はこちら

 言うまでもなく政治家の仕事は『税金をどう集め、どう使うか』を決めることだ。そう考えれば、この国の税制には『日本国民がこうあってほしい・こうあるべきだ』という意味が込められているはず。前号で保険料控除を特集したけれど、控除には他にも「扶養控除」や「住宅取得控除」などがある。

 つまりこう考えているのだ。日本国民たるもの、老いた両親と同居して生活の面倒をみ、生命保険や損害保険に加入して医療負担や無年金状態にみずからそなえ、そして積極的に金融機関から借金をして家を建てなさい、と。

 しかし裏を返せば、これらは日本の医療負担が大きく、年金などの社会保障が不十分であることを所得控除という形でフォローするものだし(完全な社会保障が達成されていたら、誰も生命保険には入らないわけだけれど)、延長に延長をかさねた住宅取得控除は歴然とした景気対策だ。

 ただ、これらの控除は機械的に課税したのでは不公平が生じてしまうことを調整する意味合いもあるのだが、もっと根幹にかかわる問題をはらんだ控除が存在する。
 給与所得控除だ。

 クロヨン、とかトーゴーサンピンということばをご存じの方は多いと思う。これは所得の捕捉率を揶揄する隠語。
 つまり自営業者などにくらべてサラリーマンは所得を全部把握されているから圧倒的に不利じゃないか、というわけ。

 どっこい現実はそんなに単純ではないのだった。収入総額(農業所得者の売り上げ、にあたるだろうか)にたいする給与所得者の必要経費として認められる部分が給与所得控除だが、これが意外にでっかいのだ。   
 たとえば年収800万円の教員の場合、800万円×10%+120万円だから200万円。これだけの必要経費が教員としての職業をおこなう上で認められていることになる。年間200万、ってことは月額にして17万ぐらい。

170、000円!どこの世界にそんなに燃費のわるい教員がいるもんか。毎月アルマーニが買えるじゃないかっ!

02年12月3日付情宣さかた裏版より。
第3回「源泉徴収」につづく。

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源泉徴収という罠 第1回「保険料控除」

2008-11-30 | 情宣「さかた」裏版

48042182  年末調整真っ盛り。事務職員の顔が次第にけわしくなってくる季節だ。
 この年末調整や源泉徴収に代表される日本の税制が、他国に比べてかなり特異なものであることをご存じだろうか。よくよく検証してみると、実は日本のサラリーマンは税制面で徹底的にバカにされているのだ。
 今号から、しばらく税金について考えてみます。

 事務職員が不機嫌になっているのは、おもに保険料控除の事務が思いきり煩雑であることによる。保険会社が発行した証明書をかき集めたり、その額の確認と控除額の計算に忙殺されるからだ。

 でも不思議に思われないだろうか。いったいなんで生命保険や損害保険に入っていると税金が安くなるのだろう。控除別に、考えてみる。

生命保険料控除

 この控除の開始は、なんと1923(大正12)年にさかのぼり、保険料年額200円からスタート。そして中断はあったものの現在の10万円以上の支払いに対して一律に5万円の控除になっている。98年にこの控除の適用をうけた民間のサラリーマンは3294万8千人。一人あたりの平均控除額はおよそ5万8600円(5万円をこえているのは、84年から別枠の個人年金保険への控除が加えられたから)となっている(【平成10年分税務統計からみた民間給与の実態】)。公務員も加えれば、ほとんどのサラリーマンが適用をうけたことになる。

この制度の目的は、旧大蔵省が戦争やインフレで堕ちるところまで堕ちた生命保険というものの信用を回復させ、民間の資本の蓄積をはかったことと、戦後の生保が貯蓄性の高い養老保険が主力商品だったため、一般国民の貯蓄を奨励する意味があったといわれている。

損害保険料控除

 こっちはまだ新しい。といっても1964年創設だからもう40年近い歴史はあるのだが。先の調査によるこの控除の適用をうけたサラリーマンは1714万9千人。一人あたりの平均控除額は6100円だった。

 驚くのはこの控除が日本オリジナルのものだったということだ(のちにドイツなどが追随)。これはなぜかというと、木造家屋が多く、地震列島でもある日本は、損保の必要性が他国にくらべて高いことがまずある。けれど、いくらなんでも控除額は低く(短期で3千円、長期で1万5千円。合算でも1万5千円どまり)、肝心の地震保険や、公共性が高く自家用車が普及しているというのに自賠責や任意の自動車保険は該当しないという矛盾をはらんでいる。 

……この二つの控除とも、実は財務省は早いところ無くしてしまいたいと考えている。けれど、生保損保の両業界や、とりまく族議員がそれを懸命にストップしているというのが現状なのだ。
 どうやら、ここしばらくは事務職員がまるで季語のように「早く申告書を出せっ!」と眉間にしわを寄せて職員をせっつく光景がつづくのかもしれない。
PARTⅡにつづく

02年11月25日付情宣さかた裏版「源泉徴収という罠①」より。
テキストは斎藤貴男の諸作だった。

損害保険料控除についてはだいぶ変更があった。
その件は事務だより「明細書を見ろ」で。

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「ロンゲスト・ヤード」(1974 米)The Mean Machine

2008-11-30 | 洋画

Thelongestyard 意外なことに娘が熱狂。実はかなり苦い映画であることが彼女に理解できたかどうか。レイナード・スキナードの「サタデー・ナイト・スペシャル」で映画がいきなり動き始める……高校時代もこのオープニングで興奮したのだった。まさか30年たって娘といっしょに観ることになろうとは。

男くさーい映画の巨匠、ロバート・アルドリッチが男くさーいバート・レイノルズを使い、刑務所内の看守VS囚人のフットボールゲームという男くさーい設定で……

所長役のエディ・アルバートの憎々しさはよく語られるが、看守長役のエド・ローターと、ネグリジェ姿のバーナデッド・ピータースがいい。どっちもレイノルズに痛い目にあわされ、しかしそれでも心底から怒れていないあたりが笑える。レイノルズの人徳というべきであろう。

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「うそうそ」 畠中恵著 新潮社刊

2008-11-29 | 本と雑誌

Usouso01 「ちんぷんかん」特集はこちら

「うそうそ」
あの若旦那に旅をさせるという無理までして畠中が描きたかったものはなんなのか。まさか最後に伝奇小説になるとは(笑)。

「アコギなのかリッパなのか」
畠中の現代小説を初めて読む。選挙に関する裏情報がもっとつめこまれていれば、軽いミステリでありながら……と評価されたかもしれない。親に捨てられながら、大物政治家の庇護のもとに名探偵を演じる主人公。はて、こんな設定を前にも読んだことがあるような……あ、宮部みゆきの「誰か」に近いのか。

「つくもがみ貸します」
しゃばけシリーズでは描けない主人公の恋愛を、こちらにたっぷりぶちこんだわけだ。これはこれで楽しい。ファンも喜んだことだろう。

さて、テレビ版「うそうそ」は、視聴者層をはっきりと女性に限定したのだろう。手越祐也をはじめとして、谷原章介、中村俊介、柏原収史……美男のオンパレード。まことに、正しい態度だと思う。妻は狂喜しております。

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「ちんぷんかん」畠中恵著 新潮社刊

2008-11-29 | 本と雑誌

Logo_syabake_2  ……前作までの特集はこちら

しゃばけシリーズ第6作。妖(あやかし)と人間との生命のスパンの差を、花びらの精と人間のドラマにシンクロさせて泣かせる。やるなぁ。鳴家(やなり)のかわいさ相変わらず。フジテレビ版はもうちょっと何とかなんなかったかな。鳴家がファンシーすぎてなあ。若旦那がジャニーズ(手越祐也)だったのは仕方がないにしても。
犬神(高杉亘)と白沢(谷原章介)のキャスティングはなるほど、と思えるものだった。わたしは鹿賀丈史と役所広司をイメージしながら読んでいましたが

でもちょっと今回は宗教が入ったか?☆☆☆★★

次回は「うそうそ」特集。

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しゃばけ

2008-11-29 | 本と雑誌

Yanari01_2   藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎の御三家が亡くなり、時代劇が新しいステージに入っているとはいっても、今年は宮本昌孝の新作はなかったし(あ、検索したら二作も長篇が。でも図書館が入れてくれないと……)、どんな作家が面白いのかいまひとつ。隆慶一郎みたいな超弩級の新人が(だいぶ年とってたけどね)いきなり出てきてくれないだろうか。誰か面白い時代小説作家を教えてくれないですか。そんななか、読者に紹介された畠中恵の「しゃばけ」シリーズは大当たり。
 にしても、宮本も畠中もアニメ、漫画出身。ストーリーテリングの妙が肝心の時代小説は、こっちの方面に期待することになるのかな。

 さて、それでは「しゃばけ」からいくつかピックアップ。

第一作「しゃばけ」特集はこちら

「ねこのばば」「おまけのこ」
……きゃわきゃわと動き回る小鬼(鳴家)というキャラを考えついたというだけで、この時代劇は勝利したも同然。病弱などというレベルをこえてひ弱な主人公のとぼけっぷりもいい。
 彼が一種の安楽椅子探偵になり、小鬼が助手役になるミステリとしても機能。

「ぬしさまへ」
……若旦那の推理爆発のルーティンもいいが、生き別れたお兄さんのエピソードなど、泣かせる。

「ゆめつげ」
しゃばけシリーズではない。最後の最後に国家神道批判が開陳されるとは。意外に硬骨漢なのかな畠中。漢、つっても女性だけど。

「ちんぷんかん」特集につづく。

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