事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ミッション:インポッシブル/デッド・レコニングPART ONE」Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One(2023 パラマウント)

2023-09-29 | 洋画

わたしの事務だよりはおまけとして映画をよく紹介している。うちの職員のなかには、今月はどの映画でくるのか楽しみにしてくれている人もいる。

「あら、ミッション:インポッシブルじゃないんですか」

先月号は「君たちはどう生きるか」だった。

「ひょっとして観てないんですか」

「うん」

どうしたことだろう。「ミッション:インポッシブルを全部観る」なんて特集までかましていたわたしなのに。責任を感じて(笑)、最終日にようやく観る。

ベーリング海における潜水艦のバトル、イーサン・ハント登場、アクションのつるべ打ち……ちょっと展開が重いかな、と思っていたら、火の玉と化したかのようなトム・クルーズの本気が次第に伝わってきてうれしくなる。

だいたいね、バイクアクションを撮る場合、主人公はヘルメットをかぶることが多いでしょ。でもトムは顔むき出し。お得意のフリーフォールも自分でやってる。えらいなあトム。

マーヴェリック」もたいがいだと思ったが、映画人としてまた大きくなっている。とにかく面白い映画をつくるんだ、そのためには自分の身体なんて……という姿勢は、バスター・キートンやハロルド・ロイド、そしてジャッキー・チェンの正統な後継だ。最大の見せ場を蒸気機関車にするあたりの覚悟がすばらしい。

「大脱走」のバイクジャンプ、フィアット500を使ったカーアクション(カリオストロの城!)など、映画好きにはたまらないネタ満載。そしてそして……

先日の職員にそっと耳打ち。

「観てきたよ。ミッション:インポッシブル」

「どうでした?」

「すごかったなー。特にオリエント急行の……」

「でしょう?あたし、あの感動を誰かと共有したくって!

彼女のためにもわたし自身のためにも、映画館に向かってよかったよかった。

コメント (4)
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「名探偵の生まれる夜 大正謎百景」青柳碧人著 角川書店

2023-09-29 | ミステリ

芥川龍之介、与謝野晶子、野口英雄、そしてあの犬、そしてあの立志伝中の人物まで登場させるサービス精神たっぷりのミステリ。さすが青柳碧人と言えます。

切れ味が鋭かったのは芥川のやつかな。いかにもありそうだ。あの、蜘蛛の糸という名作がなかったら、もっと彼は狭い位置に押し込められていたのではないか。

大正、という時代のふんわりした気分。それが、震災で壊れてしまったのは残念だった。

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「ヒッチコックに進路を取れ」山田宏一・和田誠著 草思社

2023-09-28 | 映画

映画を語らせたら並ぶもののないふたりが、ヒッチ映画の細部に徹底的にこだわった対談集。面白くないわけがない。和田さんは残念なことに鬼籍に入ってしまったが、山田さんはまだ存命だ。長生きしてください。

まことに困ったことに、この本に影響を受けて初期のヒッチコック映画をまた観ることになってしまったのである。そんな時間ないはずなのに。

あ、わたしは実は晩年の「フレンジー」が大好き。ヒッチコックがイギリス人であることを、初期作品と同じように主張していますもんね。

とにかくこの本は、和田誠さんのイラストだけでも最高だ。

コメント (6)
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両国

2023-09-27 | 旅行

「いやー檀徒総代長はつらいなあ」

「伍長、全然つらそうに見えません!」

意味不明な画像が続くなあと思われてるかも。わたし、檀徒総代長として曹洞宗の研修会に行ったんですよ。

不定期にその画像をアップします。

急いでやんなきゃいけないのは大相撲ですよね。素晴らしかったです。総代長になってよかった(嘘)

ライブで見るとあんなに興奮できるんだ。今場所は地元力士の琴乃若も北の若も勝ち越し。北の若はきのう激励会が開かれたそうだし、出身校にあいさつにも来たそうだ。

わたしはでもつくづく思うの。ケガするなダイスケ

お台場篇につづく

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「これはミステリではない」竹本健治著 講談社

2023-09-27 | ミステリ

ひねくれものの竹本健治がこう主張するのだから、それはもうミステリに決まっています。

濃霧のために孤立した保養所における殺人。大学のミステリクラブの人間関係を推理する、“居合わせた”高校生たち。そのなかのひとりが名探偵で……んもうミステリど真ん中じゃないですか。まあ結末はとんでもないものでしたが。

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秀玉(しゅうぎょく)

2023-09-26 | 日記・エッセイ・コラム

「っていうか何だよこの暑さはよ」篇はこちら

「来た。来ましたね近所の梨産地の刈屋が誇る秀玉が」

「普通に売ってたなあ。前はまぼろしの品種とか言われてたのに」

「タバコのパッケージを置くあたりが伍長の昭和っぽいとこですかね」

刈屋のとこをボーッと通っていたら、出店がまだやっていた。店番のお兄さんが携帯で店主とやりとり。

「もうほとんど商品がないんで、閉めていいですかね」

わたしが最後の客だったかも。在庫はなんと秀玉だけ。お高いですけどね。1個450円もします。

「この、3個セットをください」

1300円。おれは金持ちになったんだ。

うちで冷やしていただきました。つくづくとうまい。刈屋の近所で本当によかった。

新星篇につづく

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「茜唄(上・下)」今村翔吾著 角川春樹事務所

2023-09-26 | 本と雑誌

平家物語がいかにして、そして何のために成立したのかのお話。

ある人物が、僧に物語を伝授する過程で源平の争いがどのようなものであったかを挿入する。

ある人物が誰なのかはほとんど最後まで明かされない。すごい筆力。今村翔吾恐るべし。

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明細書を見ろ!2023年9月号PART2 わたしの見かけた有名人2

2023-09-25 | 明細書を見ろ!(事務だより)

PART1はこちら

先日、横浜にある“石原裕次郎の墓がある寺”に座禅を組みに行きました。精進料理を食べていたら和尚が

「2時間前までここでアントニオ猪木さんの一周忌の法要が営まれておりまして、わたしが読経を終えて外にでると、レスラーのみなさんの掛け声が聞こえました。

1、2ぃ、3、ダァーッ!(笑)」

墓も建立され、銅像も完成したそうです。お参りすればよかった。あれ?全然見かけた話になってない(+_+)

2023年10月号「財形をめぐる二、三の事柄」につづく

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どうする家康 第36回「於愛日記」

2023-09-24 | 大河ドラマ

第35回「欲望の怪物」はこちら

酒井忠次役の大森南朋さんが鶴岡に来てトークショー。なぜ鶴岡なのかといえば、庄内藩の初代藩主となったのが忠次の孫・酒井忠勝だったのだ。酒井家は領主として善政を敷き、現当主も酒井様として尊敬を集めている。会場には松本潤のビデオメッセージもあって

撮影が立て込んでくると、台詞を覚える時間がない。そんな時、相手がいた方が自分の中に(台詞を)取り込みやすいんです。自分はそういうタイプだったので、松本くんにも「大変だったら、一緒にやるよ」と声を掛けました。歴史の解釈や感情の入れ方などを細かく話し合いました。一回、秀吉が、ムロ(ツヨシ)くんが来ちゃったこともありました(笑)

……コソ練と彼らが呼んでいる、コッソリ練習をやっていたのだ。こういうチームは強い。

さて今週は女優中心の回。側室の於愛は死亡フラッグが立った途端に早世し、かつて徳川家をゆるがした千代はなんと鳥居元忠(音尾琢真)と添うことを家康に許される。そんな彼女たちの姿を見て、本多忠勝(山田裕貴)の娘、稲は“戦いの場”としての真田家への輿入れを決意する。そして秀吉には新しい愛人が……

広瀬アリスの艶めかしさは健在。米澤穂信の古典部シリーズ「氷菓」での

「わたし、気になります」

な千反田える役は、明らかなミスキャストなのに印象強かった。稲の役は「真田丸」での吉田羊のインパクトが強かったので大変そう。千代役の古川琴音は末恐ろしい。今回はメイクを落として貞淑さを強調。

「すごいねこの女優。今度の朝ドラで主演でしょ?」

「なに言ってるの。彼女は水谷豊と伊藤蘭の娘よ」

く、区別がつかない。

そしてのちの淀君である茶々が登場。みなさん予想したようなキャスティングでした。ちょっと狂気が入っていてお市の方とは別人のよう。こちらは同一人物だけど。

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明細書を見ろ!2023年9月号PART1「市役所とのあいだで」

2023-09-23 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2023年8月号PART3「わたしの見かけた有名人」はこちら

年に一度、学校事務職員は教育委員会職員と研修会をもっています。まあ、前は研修後に懇親会を開催し

「きみは中学の後輩だったのか!」

「え、あなたとあなたは親戚だったの?」

的なサプライズもあってそれなりに有意義ではあったのですが、さすがにコロナ禍に懇親もへったくれもない状況になっています。

研修の内容は集金システムが中心になっていて、たとえば状況報告として……

「銀行の支店がどんどん減っている状況で、銀行はネットバンキングに誘導したい様子です。現金を扱う機会を減らしたいのは学校も共通ですが、はたして少額の取引が多い小中学校にフィットするのでしょうか。」
 

「金融機関の支店がどんどん減っているため、入金・払出がある場合に学校から離れた支店へ行く必要が出てきている。金融機関での待ち時間もかなり長いので、金融機関へ出向くタイミングも考えなければならず、今後苦慮していくことになると思う。ネットバンキングの利用も検討が必要ではないか。払い出しや入金の際、金種を分ける場合や小銭が多い入金は,手数料が発生しないように気を使ってやっている。」 

……来年の 6 月にY銀行H支店が統合される予定なので、本校も他人事ではありません。窓口業務が 10:00~11:30、12:30~15:00 になっているのもボディブローのように効いています。ほかに課題として

「FAX機器の更新終了のその後の対応についてお知らせ願います。使用頻度は高いので契約含め継続をお願いしたい。」 

……き、聞いてないぞそんな話。というか中学校の場合、東北大会や全国大会の宿泊申込や連絡はほとんどファクシミリを使用している状況なので、なくなると困る。

「出退勤記録をシステム上で管理する計画があるようですが、出勤簿は今まで通り必要なのか、今後紙の出勤簿がなくなる予定はあるのか知りたい。」 

……わたしも知りたいです。そんななかこんな事例があったとの報告も

「給食消耗品費で急ぎの対応で両手鍋を C 社で購入(M 社で必要な鍋が売ってなかったため)したことがあり、出納課からなぜ C 社で購入したのか説明を求められました。C 社は雑貨の業種登録をしていないため確認をしているとのことでした。」 

……失礼ながら笑ってしまいました。いやあ奥が深いぞ会計事務。

本日の画像は「君たちはどう生きるか」 (2023 東宝=ジブリ)原作、脚本、監督:宮崎駿

内容もキャスト(すごいメンツでした)もまったく明かさないまま封切り。それでもこれだけ客が集まるのだからさすがジブリ。毀誉褒貶が激しいことが報じられていますが、宮崎駿の作品が絶賛一色だったことなどありましたか。あの「魔女の宅急便」ですら冒険活劇にした彼は今回、自作の名場面を少しずつ挿入するという観客サービスまで。大好きですこの映画。

PART2「わたしの見かけた有名人2」につづく

コメント (2)
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