事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「コントが始まる」(2021 日本テレビ)

2024-04-08 | テレビ番組

妻は日テレ「コタツがない家」に夢中だった。

「とにかく面白いの。で、泣かせてくれるの」

そっかー。あの人はあいかわらずやってるんだなあ。

あの人……脚本の金子茂樹のことです。かつて「俺の話は長い」で盛大に笑わせ、そして泣かせてくれた人。無愛想な登場人物たちがくりひろげる悲喜劇。ほぼ引きこもりだった生田斗真が、“生活”に立ち向かうことをラストで決心する姿には勇気づけられたものだった。

この「コントが始まる」もほぼ同じ構図。菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀という強力な三人がコントトリオを組み、そして解散を決めて……

オープニングで彼らのコントが披露され、その回のコンセプトを象徴するネタになっている。そして一気にドラマになだれこむ。

高校時代の思い出、うれない芸人の悲哀、家族の愛情(「光る君へ」の義賊役でブレイクした毎熊克哉が菅田将暉のお兄さん役。元エリートのひきこもりという設定が泣かせた)などなど、よくもまあこんなにとうなるほどドラマが濃い。泣いた泣いた。

トリオの三人はもちろんだが、マネージャー役の中村倫也がすばらしい。トリオにクールに接しながら、しかし彼らに自分の果たせなかった夢を仮託しているあたりが渋い。

そしてそして、トリオが通うファミレスの店員を演じた有村架純が魅力的。いやもちろん朝ドラ「ひよっこ」はよかったですよ。でもこのドラマの彼女は同時に艶めかしくもある。いかにも、生身の女性なのだ。

彼女の妹役が有村架純が築山殿を演じた「どうする家康」をかきまわした古川琴音。そして二年後の大河の主役が仲野太賀とは。大河っぽいドラマでもありました。いやあすごい。もう一回観ちゃおうかな。

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今月の名言2024年2月号PART3 六中裏

2024-03-03 | テレビ番組

PART2「インサイダー取引」はこちら

「おい!起きろブス! 盛りのついたメスゴリラ」

ああどうしてクドカンのドラマを初回から見逃してしまったんだ。昭和の体育教師が令和にタイムスリップするという「不適切にもほどがある!」の冒頭のセリフ。はやくDVDになってくれないかな。録画すればいいだろ?TVerを使えって?うちには録画機能のあるデバイスはないし、通信も不安定なので……ううう泣けてきた。

TBSはまだ根性が座っていない。こんなトラブルがあったらしい。

序盤、令和パートの喫茶店「SCANDAL」。小川市郎(阿部サダヲ)は犬島渚(仲里依紗)の父・ゆずる(古田新太)と対面。“衝撃の事実”を知り、動揺した市郎がタバコをくわえると、ゆずるは火を点けようと身を乗り出し、携帯用酸素ボンベが倒れる。渚は「心臓の手術をしたばかりで…呼吸がまだ」。市郎はライターの火を消し、タバコを吸うのをやめる…というシーンだった。

これは計算されたいいシーンでしょ。わざわざこれに謝罪コメントなんて……あ、謝罪コメントの連続であることでこのドラマを応援しているのでは。なわけないな。

3月号PART1「大谷の嫁」篇につづく

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「シェフは名探偵」Chef est un détective(2021 テレビ東京)

2024-01-26 | テレビ番組

近藤史恵のミステリ、ビストロ・パ・マルシリーズのドラマ化。まさかわたしのリクエストにお応えして西島秀俊を主演に選んだわけじゃないよね。

ついこの間、7年ぶりの新作「間の悪いスフレ」を読んだばかり。同じ週末にレンタルビデオ店に行ったらちゃんとDVDがそろっていました。

パ・マルのメンバーは、シェフに西島秀俊、副料理長に神尾佑、ソムリエが石井杏奈、そしてギャルソンが濱田岳。このアンサンブルは完璧だ。特に西島秀俊の名探偵ぶりと、原作よりも年齢を高めに設定した濱田岳がいい。

原作のシリーズもハイレベルだったけれど、このドラマもなかなか。特にチーフディレクターの木村ひさし(99.9の人ね)が演出した回はキレッキレだ。

後半になるにつれ、泣かせの要素が入ってきて驚いた。こんなに面白いのだから、当然シーズン2があると思ったのに存在しない。あ、そうか原作を使いきってしまったのか。だとしたら原作のストックがたまるまでしばらく待たなければならないんだな。順番が逆だろうか。このドラマが成功したから近藤さんと東京創元社はシリーズを再開したわけだ。がんばって近藤さん

「あたしはアマゾンプライムで見たんで、Amazonがつくったのかと思いました」

とっくに見ていた同僚。

テレ東のドラマを見るのは久しぶり。おかげで、なつかしい役者たちに会えてうれしい。洞口依子さんはそれにしても“大きく”なっていて、それはそれで素敵。本物の探偵を演じた橋本マナミも渋い。

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「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021 TBS)

2024-01-11 | テレビ番組

元日の能登地震は酒田でもえらい騒ぎだったようだ。わたしは午後4時前にすでにできあがっていたので何もできなかったが、職場も避難所になったし、多くの住民がやってきたそうだ。そしてびっくりするくらいのクルマが海側から山の方へ走って行ったとか。

災害が起こるたびに、医療従事者や救命関係の方々の活躍には本当に頭が下がる。その強い使命感を見習わなければ。

で、このテレビドラマを正月に延々と見ていました。清潔で安全な病院で患者を待つだけでなく、医療器具を満載にして現場に突っ込んでいくERカーの活躍を描く。しかし背景には政治家と官僚の暗闘があって……どう考えても「踊る大捜査線」+「コード・ブルー」+「サンダーバード」(音声入力でドアが開くあたりの仕掛けはゾクゾク)なんだけど、それだけではなくて徹底した取材が行われたからか、出動要請の文言までリアル。

そして黒岩勉の脚本がとにかくすばらしいの。さすが「グランメゾン東京」や「キングダム」の人だ。わたしが大河ドラマのプロデューサーだったら、彼のスケジュールをまずチェックする。

MERというのは「モバイル・エージェンシー・ルーム」の略。チーフドクターは喜多見(鈴木亮平)で、彼と対立する官僚にして医者である音羽が賀来賢人。この二人が「踊る大捜査線」における青島と室井に該当する。他に弦巻(中条あやみ)、蔵前(菜々緒)、冬木(小手伸也)など。そうです役名はみんな東京都の地名になっています。冬木が副チーフだと息子に嘘をついているエピソードなど、まんま「王様のレストラン」にありました。

MERを設立した東京都知事が石田ゆり子で、対立する厚生労働大臣が大好きな渡辺真起子。まあ、最初の女性総理をめざすあたりでモデルが誰かはまるわかり。

そして、毎回毎回どうしてこんなに確実に泣かせてくれるのかとあきれるくらい。スペシャル版と劇場版があるんだな。追っかけます。

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「これは経費で落ちません!」(2019 NHK)

2023-11-16 | テレビ番組

このドラマを妻は絶賛していた。

「とにかく面白いの」

経理部のお話。主演の森若さんが大好きな多部未華子だし、そこに伊藤沙莉吹越満角田晃弘、映画ファンにはおなじみの韓英恵が加わる。確かに面白そうだ。でも……

「うちに帰ってからまで経理のお話を見たくないなあ」

「なに言ってるの。見てごらんなさい!」

面白かった。原作のライトノベル(青木祐子)も相当なものであることがうかがえる。民間の経理のやり方(領収書の裏書きとか)は参考になるし、勤務する石けんの会社、天天コーポレーションの改革派と守旧派の争いといった単純なつくりにもなっていない。

江口のりこが(いくら外資からの転職組でも)やたらに英語を使うとか、権力争いにずぶずぶのベッキーが、そのためにヒロインたちに利用されるとか、笑える。

なにしろ阿部真央のエンディングテーマ「どうしますかあなたなら」が「どうしますか森若さん」に替えてあるあるあたり、スタッフも気合いが入っている。でんでんがゲストで出た石けん職人の回など、脚本の周到さもあって泣けてくるぐらいだった。

で、好評だったこともあり、NHKとしてはPART2を制作したいようなのだが、多部未華子が了承していないのだそうだ。

それは、PART1そのままのキャストでなければやりたくないということらしい。伊藤沙莉は朝ドラのヒロインに抜擢されたし、江口のりこは人気がうなぎのぼり。実現は、なかなかむずかしいでしょうねえ。

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「悪魔のようなあいつ」(1975 TBS)

2023-07-18 | テレビ番組

伝説のテレビドラマである。

主演が沢田研二。共演に藤竜也若山富三郎荒木一郎安田道代(大楠道代)篠ヒロコ(篠ひろ子)悠木千帆(樹木希林)細川俊之伊東四朗尾崎紀世彦(この人、うまい)、加藤治子……すごいメンバー。あ、主人公の妹役でわたしの好きだった三木聖子も出ています。

キャストがすごければスタッフはもっとすごい。プロデューサー兼演出が久世光彦、脚本がなんと長谷川和彦である。原作は阿久悠で、上村一夫が劇画化している。いちおう解説しておくと、久世光彦は「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などの人で、長谷川は「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」で有名。というかゴジ=長谷川和彦はこの2本しか撮っていない。

DVDの最終巻の特典映像に長谷川和彦が登場し、どのような経緯でこのドラマが製作されたかを語っていた。まず久世が、気鋭の脚本家として書きまくっていたゴジに声をかけ、主演がジュリーでネタは三億円事件だともちかける。この魅力的な申し出を断れる人は少ないだろう。はたして、このドラマは沢田*久世*ゴジによって異様なテンションで推移する。

特徴的なのは、当時としてはめずらしく同性愛的なムードを取り入れたことだろうか。元刑事である藤竜也は沢田を溺愛し、元妻である那智わたるからは「インポのお兄さん」と揶揄されている。沢田はミュージシャン(毎回、「時の過ぎゆくままに」→ジュリーの最大のヒット曲を歌う)だが、同時に男娼でもある。女性とのからみも過激で、安田道代がおっぱい丸出しの演技を見せたのには驚いた。

三億円事件がらみでいえば、計画者と実行者が実は違っていたあたりが妙味。面白かったなあ。とにかく、このころの沢田研二の美しさは比類がない。

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「沈黙法廷」(2017 WOWOW)

2023-05-26 | テレビ番組

佐々木譲の原作が面白かったし、WOWOWでドラマ化されたこちらもレンタル。

その主な要因は“沈黙するヒロインを演ずるのが永作博美”であることだ。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でキネマ旬報ベストテン助演女優賞、「八日目の蝉」で主演女優賞をとった人なのだから、演技力は保証付き。でも彼女の最大の特色は

「年を取らない」

ことだ。チョコラBBのCMに延々と登場しているのは、エーザイがその点に満足しているからだろう。もちろんベビーフェイスであることが有利にはたらいているのだろうけれども、それにしたっていつまでも彼女は若い。

その若さが、このドラマで効いている。彼女のまわりで次々に老人が亡くなっていく。家事代行業で生計を立てている(そのわりに広い部屋に住んでいる)彼女は、まだ枯れていない老人たちをたぶらかし、金をまきあげていたのではないか。そしてある老人の死に直接コミットしていたのではないか……

その一方で、年下の青年(市原隼人)は彼女を熱愛し、殺人などする人ではないと信じつづける。はたして彼女の本質はどこにあるのか。永作博美の年齢不詳さが謎を深めていく。

脚本は「結婚できない男」の尾崎将也。原作を読んだ人でも楽しめるつくりになっています。

弁護士を演じた田中哲司が渋い。いまどきこれだけ盛大にタバコを吸い続ける役もめずらしい。

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「ROOKIES」「ROOKIES -卒業-」

2023-05-23 | テレビ番組

「今さら?」

と思われるよね。あの高視聴率を誇り、劇場版がその年の興行成績のトップをとった、誰もが知る大ヒットドラマを、わたしは初めて観たのである。

どうして観ていなかったかというと、そのヤンキーっぽい雰囲気と、なんか暑苦しそうじゃない

それじゃあなぜ今になって観たかというと、とにかくこのドラマに登場した高校生たちが次々にスターになっていったからだ。

市原隼人、城田優、桐谷健太、そしてなんと佐藤健までいたのである。まあ、高岡蒼佑、小出恵介のようにスキャンダルのためにフェイドアウトした人たちもいるけれども。

さて、暑苦しさは想像以上。夢を語り続ける熱血教師(佐藤隆太)が、野球は素人であることで、さまざまなドラマが生まれる。試合中に大ゲンカしたせいで対外試合停止になっていたどんぞこの野球部(みんな昔の阪神の選手名になっている)が甲子園に出場する奇跡(テーマソングはGReeeeNです)を、絵空事に感じさせないあたりは周到だ。

意外なほど市原隼人のルックスは高貴だったんだと気づき、そして吹石一恵がとんでもなくきれいだったんだなと再確認したドラマでした。いや別に沈黙のパレードの次に特集したから福山雅治にサービスしたわけではありませんよ。

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「奥様は、取り扱い注意」(2017 日本テレビ)

2023-02-04 | テレビ番組

気づいたのは「Jin-仁」を見た時だった。綾瀬はるかの身のこなしがキレッキレなのである。半端な運動神経ではないんだろう。

そんな彼女の特性を活かそうと企画されたかこのドラマ。彼女の身体能力をこれでもかと見せつけられる。脚本は「GO」「SP」などの金城一紀。

綾瀬はるかの役は某国の特殊工作員だったが(ま、CIA であるのはバレバレですが)、過激な生活から離れ、専業主婦として穏やかな日々をすごしている。両隣に住む広末涼子本田翼とカルチャースクールに通うなど、主婦力アップに懸命だ。

それぞれの夫は西島秀俊、石黒賢、中尾明慶。穏やかに見えた彼らの生活に、いつしか不吉な影がさす。

それらのトラブルを

「わたしが何とかしてあげる」 

「みんなには内緒ね」
 
という決まり文句とともに知力体力を駆使して解決に導く……これが基本線。なにしろ元スパイだからその手の仕事はお手のものだし、主婦としての生活に飽き飽きしていたのも確かだったのだ。

かなりダークなお話もあって、いつもすっきりさわやかなエンディング、というわけでもない。でも視聴率は堅調で、映画化もされている。

DVD で初めて見て、タイトルの「奥様」は綾瀬はるかのことだけではなく、奥様という存在の取り扱いには十分に注意しましょうね、という意味であることに、不出来な夫であるわたしは深く納得させられたのでした。気をつけなきゃ<(_ _)>

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「怪盗山猫」(2016 日本テレビ)

2022-11-12 | テレビ番組

おっと、このドラマの原作ってきっと面白いんだろうな、と勝手に想像。神永学の小説を読んだことがないので不確かですけど、セリフにツイストが効いているし、あっと驚く展開も待っている。

泥棒であると同時に探偵でもある山猫(亀梨和也)、その助手の勝田(成宮寛貴……いまどうしているんだろう)、ハッカーの真央(広瀬すず)、ドライバーの里佳子(きゃー、大塚寧々です)がチームを組み、事件を解決に導いていく。しかし事件の背景に常に「結城」なる人物の影が……

警察関係者に佐々木蔵之介菜々緒、池内博之。彼らと山猫チームとの関係も一筋縄ではいかない。佐々木蔵之介と亀梨和也のやり取りは心地いい。

しかしいくらキャラを立てるためとはいえ、山猫を装飾しすぎ。

・カップラーメンが異様に好き

・水虫に悩み

・聞くにたえないほどの音痴

・で、それを指摘されるとぶちきれる(それで火事場の馬鹿力を発揮することもある)

まあ、彼らがいつもウィスキーを飲んでいるのがうらやましくて、ついつい自らに禁じていた(だって好きすぎるから)スコッチを飲み始めてしまったのは失敗。もう止まらない。

にしてもやっぱり亀梨和也はいい。堀北真希を特別出演させて、「野ブタ、をプロデュース」を再現させるなどのお遊びもOK。これからも彼の作品を追い続けていこう。

え、近ごろジャニーズまわりは大騒ぎじゃないかって?おれに訊くなよ。

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