事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

福田靖講演会その6

2014-09-30 | 日記

その5はこちら

「大友さんたちはこう言うんです。清盛、のってないでしょ?だったら坂本竜馬でいきましょうよって。でもお偉いさんは前にやった人物はダメって言ってたんですよね。秀吉とか信長って何回も何回もやってるじゃないかとは思いましたけれども(笑)。でも彼らは『現場の意向なんですからって言っときゃ大丈夫です』と」

「ホントかなあと思いながらそのお偉いさんに、坂本竜馬でお願いしたいんですがと言ったら、『福田さん、言ったじゃないですか。竜馬はですね、昭和43年に司馬遼太郎先生の竜馬がゆくでもうやっちゃってるんです』と返されまして、でもこちらも粘ったら『仕方ありません。じゃあ司馬先生の竜馬でなかったら、ということで妥協しましょう』ということに」

ここから、龍馬伝がスタートしたわけだ。しかし史実を調べれば調べるほど、司馬版竜馬から脱却することがいかに困難かがわかってくる。

「坂本龍馬という人はね、実は何をやってるかよくわかんない人だったんです。なにしろ、明治維新の前に暗殺されていますから、ほとんどの明治の偉い人たちは彼に会ったことがない。メディアも発達していませんし。」

「ところが、日露戦争が始まるときに、皇后の夢枕に立って坂本龍馬と名乗る見知らぬ男が『海軍を守る』と語ったという話が評判になって、そこから龍馬は海軍の守り神として有名になったんです。海の神様だったのでそっち関係に例の懐手の写真が飾られたりした。」

「でも大正、戦前、戦後と時が経つにつれてまた忘れられていったんですね。そこに登場したのが司馬遼太郎先生の『竜馬がゆく』で、これが大ベストセラーになり、坂本龍馬というのはこういう人なんだということになった。」

「あの小説を読んだ方ならおわかりのように、最初は典型的な剣豪小説だったんです。お姫さまに見初められる剣客みたいな。ところが、司馬先生も違った描き方ができるとふんだんでしょうね。次第にトーンが歴史っぽく変わってくるんです。そうなると、あの小説に描かれたことが史実であるかのようにみんな考えるわけですよ。典型的なのが勝海舟との出会いで……」

わお。まるで文化講演会のようではないですか。あ、文化講演会だった。以下次号

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福田靖講演会その5

2014-09-29 | 日記

その4はこちら

「2007年のことでした。NHKの偉い人が会いたいと。で、

『福田さん、2010年はあいてますか』

『はい?』

『大河ドラマを、書いていただきたいんですが』

……びっくりしましたねえ。実はわたし、NHKではほとんど書いたことがなくて。でも、脚本家としてこれを断るという選択肢はないわけですよね。それはわかってたんです。ただねえ」

大河ドラマを、なんと彼は見たことがなかったのだという。

「福田家はですね、まあ普通の会社員の父親とヤクルトおばさんの母親なんですけど、日曜の夜に大河ドラマを見るという習慣がなかったんですよ。だから当然息子としても見ない。だけどね、母親が朝ドラが大好きだったんです。で、渋谷のNHKを出たときに、こりゃ、親に報告するべきなんじゃないかと。で、駐車場から電話したんですよ。大河ドラマを書くことになったよって。そしたら母親は

『朝ドラのほうがよかったなー』

って(笑)。いやいや、あとからは喜んでくれたんですよ。でも第一声がそれでした。」

問題は、誰を題材にするかだ。

「で、そのお偉いさんがですね、A4判の紙を一枚わたしてくれたんですよ。それには歴史上の人物が25人ぐらいズラーッと書いてあるんです。

『これは……なんですか?』

『これまで、大河ドラマで採りあげたことのない人物の一覧表です。このなかから選んでいただきます。ご存じの人物はいますか』

と質問されまして、一番上に書いてあるのが卑弥呼(笑)、彼女はむずかしいでしょう。だいたい、何をしている人なのかよくわからない。一日中祈ってたのか、とか。で、その下がなんとか麻呂で、よく知らない。下まで眺めても、あとは知っている人物はひとりだけなんです。それが……平清盛でした(笑)」

場内大うけである。ま、いろいろあるよね。あの人もこの一覧表を渡されたのであろう。

「で、帰ってから清盛についていろいろと調べてはみたんです。でも、どうものらないんですよ。だいたいイメージがタコ入道だしねえ」

「そんなところへ訪ねてきたのが、同じ2010年大河ドラマを制作することになった鈴木(圭)プロデューサーと大友(啓史)ディレクターだったんです」

おお、るろうに剣心の監督がついに登場。以下次号

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軍師官兵衛 第三十九話「跡を継ぐ者」

2014-09-28 | テレビ番組


第三十八話「追い込まれる軍師」はこちら

前回の視聴率は15.0%とめずらしく的中。まあ、こういうこともございませんと。裏の日曜日テレバラエティ軍団は絶好調で、ビデオリサーチの「その他の娯楽番組」カテゴリーでトップ4まで独占。

新聞のテレビ欄を見る習慣をなくし、もちろんテレビ誌を買うこともなく、ヤマカンで視聴率を当てようというのがまずまちがい。おかげで庄内町でロケしたとんねるずも、地元で撮影した「塔馬教授の天才推理2 湯殿山麓ミイラ伝説殺人事件」も見逃してしまった。残念。

さて、今回はタイトルにあるように、秀吉に世継ぎが生まれる。そのあおりで官兵衛は長政に家督を譲るという二つの代替わりを見据えたお話。今週も黒茶碗が不安定にころころと動いて官兵衛の立場を象徴しております。

わたしたちは、大名は世継ぎをつくることも大きな仕事なのだから、側室(ていのいいお妾さんですよね)を置いて夜な夜なさまざまなことを行っているのであろうと想像する。でも、そのころの殿様たちには、意外に子どもがいない例が多かったのだそうな。理由は、当時流行していた梅毒。いろんな女性と交わることの多い人ほど感染の可能性は高まるわけで、好色で有名な秀吉は……

でも茶々は妊娠した。そのあたりで色々と語られるわけだけれど、とにかく秀吉は狂喜。もとからテンションの高い人がなおさら舞い上がるのだから周りはたまらない。揶揄する落首に関係したという疑いがあった人たちを百人以上死罪に。

やることが無茶。愛人は茶々。すみません、地口のギャグはとりあえず早めに言っておかないと。

北政所(黒木瞳)は、次第に壊れていく夫を救ってくれと官兵衛に助けを求める。諫言する官兵衛。一触即発。しめた、この目の上のたんこぶが消えてくれると喜悦する石田三成(田中圭)……でもお説教成功。三成のひたいの血管がひくひくしています。そんなこらえ性のないことでは長生きはできませんよ。まあ、確かに長生きはできなかったわけですが。

秀吉をめぐる北政所と淀殿の綱引きと、官兵衛と三成のかけひきがシンクロ。お友だち内閣のような近江閥を組織してブイブイいわせる三成が邪悪で味がある。

肉親への愛情のために判断を誤る経営者は今もたくさんいるんでしょう。そんな企業につとめる方々は、下を向いて「あるよなー」とうなずいていたのではないですか。にしても、秀吉の場合は誤りのスケールでかすぎ。

不倫ドラマが近ごろ人気だったようですし、うっすらと邪悪な淀殿が見え隠れする展開はお茶の間に受けいれられるのでは?今回の視聴率は15%台後半と読みました。あ、今日もテレビ欄チェックするの忘れた。

第四十話「小田原の落日」につづく

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「猿の惑星:新世紀(ライジング)」 Dawn of the Planet of the Apes (2014 20世紀FOX)

2014-09-26 | 洋画


前作は、思えば革命の話だった。アルツハイマー治療薬によって“覚醒”した猿シーザー(この名前はいろいろなことを象徴している)は、群れのリーダーとして森に君臨している。妻帯し(奥さんの名前がコーネリウス!)、子がふたり(じゃないか)生まれるなど、それなりに穏やかな日々をすごしている。

かたや人間は、猿インフルエンザ(それは人間がつくり出したものだ)の高い致死性によって、500人にひとりしか生き残ることができず、耐性をもっていたとしても、暴動などによって命を失う。文明は破壊され、人類は、ほぼその種としての役目を終えようとしていた……。

生き残ってコロニーにいるグループ(リーダーはゲイリー・オールドマン)の一部は、水力発電所を再起動して文明を取り戻そうと森に入り、猿たちと最悪な遭遇を。

今回のシーザーは、一種の解放である革命を終えて、統治する段階にある。エイプはエイプを殺さないという絶対的なルールのもと、急進派をおさえつけ、人類と交渉し……たいへんそうだ。

革命政権は急速に腐敗するのが常なので、平和を維持しているシーザーは、オルガナイザーであったと同時に統治者としても優秀。あの金門橋の戦いを制した英雄伝説も有効なのだろう。

人間の側にもクズはいて、猿側にも威勢のいいことばに引きずられるグループが発生する。どうもこのあたりは観ていてまどろっこしい。なにしろ自分たちの現実を見せつけられる思いですから(笑)。

しかし後半、猿VSヒトの怒涛のたたかいの後にシーザーは苦渋の決断を下し、理解し合いながらも人類と決別する。猿の惑星の夜明けだ。このあたりは感動的ですらある。猿とヒトが合わせ鏡のように別れるラストにはうなったなあ。

猿の生態をよほど研究したはず。彼らの握手、彼らの謝罪、彼らがつくる家……ヒトが猿とよほど近い存在なのが理解できるようになっている。猿は螺旋の家をつくり、ヒトはタワーで上をめざす。

猿が上かヒトが優越するかという次元をはるかに超えたところまでシーザーは到達。こりゃ、どうしたって人類はかないませんな。今回もつくづく思う。シーザーを演じた、というよりシーザーそのもののアンディ・サーキスにオスカーを!

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福田靖講演会その4

2014-09-25 | 日記

その3はこちら

しかしそんな逆境に置かれても、とにかく福田氏は「HERO」を書き上げた。それにはいくつか要因があったという。

まず、自分がもう若くなかったということだ。

HEROの脚本が、シナリオの賞を受けた若手にまず託されたのは有名な話。しかしそんな有能で筆力のある人物も結局はギブアップしている。それは、若いがゆえに自分を中心とした世界が狭かったからではないかと。

自分はもう若くなかったし、芝居で挫折もしている。妻に食べさせてもらっていることに内心忸怩たるものもあっただろう。その思いが、企画がまぼろしになりかけた「HERO」を救ったともいえる。

また、月9という強力な枠には強力なスタッフが用意されていて、さまざまなスキルを与えてくれたとも。なるほど。

それにしたってやはりこの脚本には苦労させられたとか。早朝のファミレスで(いまも×××のジョナサンに午前5時ぐらいになるといるそうですよ)、パソコンが電池切れになるまでひたすらキーを打ちつづける。

「自分が、機械になったみたいでした」

結果として「HERO」の第一話(これだけ、さっき話の出たフジテレビヤングシナリオ大賞をとった大竹研が書いている)は33.4%の視聴率をゲット。なによりこのドラマがお化けあつかいされているのは、以降最終話まで一度も30%を切らなかったからだ。

普通のドラマは洗面器型といって、初回に高視聴率をとるものの二回目以降は下がり、最終話に向けて持ち直すというカーブを描くものなので、ほぼフラットに高視聴率なのは確かに驚異的。そして、福田が書いた最終話は36.8%の最高視聴率を記録している。

世間は騒然となった。いったいこの脚本を書いた福田靖とは誰だと。

「調べてみたらこれまでたいしたものは書いていない。お局様殺人事件とかそういうたぐいの(笑)。でもこれでようやく脚本家として食べられるようになったんです。ファミレスでパソコンを相手にすることはまったく変わらなかったんですけど」

そんな彼に、NHKがアプローチしてきた。以下次号

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福田靖講演会その3

2014-09-24 | 日記

その2はこちら

大学を中退し、劇団を主宰したがそっち方面では鳴かず飛ばずだった彼は、テレビの脚本を書いてなんとか採用される。といっても、他の脚本家が書けなくなったときの穴埋めであることが多く、とても、食えない。

「妻が勤めていましたので……要するに食べさせてもらっていました」

ちょっと間を置いたのは「ひも」という言葉を飲み込んだみたいだった(笑)。地方の高齢のオーディエンスにそれはさすがにまずいと判断したか。

「そんなわたしに、フジの月9を書かないかという話が来まして。ゲツクというのは、ご存じのようにフジテレビにおいて最も力をいれている枠ということです。『東京ラブストーリー』とか、『101回目のプロポーズ』とか。つまりありえないんですよ、二軍選手がいきなり日本シリーズの最終戦に起用されるみたいなもんですから。で、その打ち合わせの席がですね、やたらに陰鬱なんです。どうしたのかなあと思ったら事情がわかってきまして、今回もやっぱりわたしは補欠だったんです。それどころか、十数人の脚本家が降りてたんですよ。なんでかっていうと、中卒の検事の話なんかとても書けないというわけで」

つまり、「HERO」の話だったのだ。この降板劇については一度特集したことがあった。ただし、まさか十数名もキャンセルしていたとは思わなかった。

「なんでそんな(検察の)ストーリーにこだわるんですかって素直にプロデューサーに質問したんです。そしたら、キムタクさんの意向だって(笑)」

 なるほど、なるほど。

「それにしたってですね。わたし、当時は警察と検察の区別もつかなかったんですよ。だから必死で勉強しまして、検察にも捜査権と逮捕権があるってことがわかったんです。そこでですね、検事を辞めた弁護士、通称ヤメ検の人に話を聞きに行ったら『君ねえ、検事というのは同時に何十件も事件をあつかうわけだよ。そりゃ捜査権も逮捕権もあるったって、忙しくて捜査も逮捕も現実にはやれるわけない』ってことで……」

福田氏の困惑は深い。以下次号

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福田靖講演会その2

2014-09-23 | 日記

その1はこちら

少々話を急ぎすぎたかもしれない。福田靖さんのプロフィールをネットでひっぱると、

・1962年山口県生まれ

・明治学院大学中退、そして劇団を主宰

・1995年、テレビ朝日「BLACK OUT」で脚本家デビュー

以後、テレビドラマ「救命病棟24時」「HERO」「海猿」「ガリレオ」「龍馬伝」、そして「海猿」「HERO」の映画版、ガリレオの「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」を書き……ものすごくおおざっぱな概略。

会場は7分の入り。うしろの方でスタッフが「入ったなあ」とつぶやいていたので集客的には大成功だったはず。そもそも、この売れっ子脚本家がどうして遊佐まで来たのか。誰か知り合いでもいたの?

チケットや看板を観てなんとなく納得。

「遊佐町合併60周年記念事業」

納得。

講演の前に、彼の代表作がさわりだけ上映された。「海猿」「HERO」「ガリレオ」「龍馬伝」の順だったかな。伊藤英明、木村拓哉、福山雅治のあとで登場するのはハードル高そうだなあ。いやいや、本人もわりとシュッとしたいい男でした。つかみは

「わたしのドラマを見たことがある方はどれくらいいらっしゃるか……さっきのVTRの順に訊こうかな。『海猿』を見たことのある方は手を挙げていただけますか。おー、ありがとうございます。じゃあ『HERO』は?」

人気ドラマを書いているのは強いなあ。ほとんどみんな一斉に手を挙げる。わたしはなんとなく海猿を敬遠して1回も見たことがないので三回しか手をあげることができませんでした。

「わたし、遊佐に来るのは初めてです」

知り合いがいたわけじゃなかったんだねやっぱり。さて、まずは「HERO」の話から。以下次号

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福田靖講演会その1

2014-09-22 | 日記

遊佐に桃花苑という中華料理屋があって、市立病院前にあるときからわたしの家はそこをひいきにしていた。

で、いまの勤務校に転勤するにあたっては、おお、桃花苑が出前してくれる職場か!とそれだけがうれしかったのに、あっという間に遊佐に移ってしまったのでした。まあ、変わらずに大好きなので息子や娘が来ると必ずそこに豚肉の細切りラーメンを食べに行く。

で、妻の要望もあって近くにある光月堂というお菓子屋で名物のパンプキンパイを買うのが通例。

その光月堂に、妙に色男な人間の講演会のポスターが貼ってある。福田靖………………誰だっけ。まさかあの福田靖じゃないよね。「HERO」「ガリレオ」「龍馬伝」などでさんざんネタにしてきたあの福田靖じゃないよね!

その福田でした。なんで遊佐に来て講演?とりあえず日時はチェック。遊佐町生涯学習センターって知らないなあ。遊佐に十年も勤めていたのに。

行くかどうかも決めていないけれども、遊佐町民の同僚に質問。

「遊佐町生涯学習センターって、どこ?」

「それ、中央公民館だから」

なんだよ、それなら何度も何度も行ったとこじゃないか。俄然、行く気になる。悪口もふくめてあんなに特集してきた脚本家の話を無視できるものでしょうか(笑)

あ、今日がHEROのシーズン2の最終回ですか。ならば急いでその部分だけピックアップ。

「みんな言うんですよ。(成功した)シーズン1の続きだから苦労はないだろうって。とんでもない。13年ぶりの続篇だし、キムタク演じる若い検事がジーンズはいてるのは反抗の象徴でしょうけれども、四十過ぎたおじさんがそれだと単なるあぶないおじさんでしょう?だいたいですね、松たか子さんが出られないHEROって本来ありえない」

いやー、メインライターからここまで語っていただけると(笑)

シーズン1の裏話も相当なものだった。ほとんど無名に近かった彼が(勤め人だった奥さんに食べさせてもらっていたとか)、いきなり月9に起用されたのにはとんでもない事情があったのだ。以下次号

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軍師官兵衛~第三十八話「追い込まれる軍師」

2014-09-21 | テレビ番組

第三十七話「城井谷の悲劇」はこちら

前回の視聴率は予想を下回って14.6%。あ、真裏が珍獣祭りでしたか。しかも梨汁ってことは、わたしが飛島がらみですっかりファンになったふなっしーがフューチャーされたんですね。しまったあ。

しまったじゃないか、わたくしはこの一週間、大河ドラマのためにがんばったんです。いくらなんでも戦国時代のことを知らなすぎると、やはりお勉強はした方がいいな……なにを読もうかな、「播磨灘物語」だと先が読めすぎる(笑)ので、同じ司馬遼太郎でも「関ヶ原」に決定。

びっくりしました。あの長大な物語のラストは、黒田如水(官兵衛)で締めくくられていたんですね。司馬さんは官兵衛と同郷の人だから思い入れがあるのかもしれないけれど、軍事において最高の才をもっていた人物が、息子(長政)にすべてを預けたあと、最後の最後にちょっとした気まぐれをある女性と。うまい。

そして昨日は、「龍馬伝」の脚本家である福田靖さんの講演会に。いやー、いろいろと難癖をつけたりしたあのドラマだけれど、書いた本人はすごくいい人っぽくて、今だから話せますけど……というネタ満載。明日の「HERO」最終回ネタもばっちり。

大河ドラマに関しても、最初に彼が選んだ題材が平清盛で、煮詰まった彼(「やっぱタコ入道じゃないですか」)を「龍馬でいこうよ」とひっくり返したのが今や「るろうに剣心」でブイブイいわせている大友監督だったとか、なにより

「大河ドラマの執筆を依頼されるまで、福田靖は大河ドラマを見たことがなかった」

という驚愕のトリビアも。あー面白かった。明日から特集します。

さて官兵衛。宇都宮鎮房を誅殺した長政と、その息子、朝房を自らの手で刺し殺した官兵衛。黒い親子になっております。

利休が亭主となった茶室で、明への野望を語る秀吉。おそれながら、と意見する官兵衛に石田三成が口を挟む。怒りを露わにする官兵衛は、三成に尻を向ける。ああ、関ヶ原への伏線は着々と。

「わしは黒茶碗は嫌いじゃ」

と当てこすりを言う秀吉。その黒茶碗で思い切り茶を喫する家康。伏線伏線。後藤又兵衛も長政への不信をつのらせて……

これだけの伏線を蒔いて、さあどうやって刈り取るのか。気づけばもうこのドラマも終盤へ。家来を“競争”させて悦に入る秀吉を揶揄するなど、現場はどうやら本気で新自由主義を批判しているような。考えすぎかな。うーん、今回は普通に15%あたり?

第三十九話「跡を継ぐ者」につづく

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「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」 Guardians of the Galaxy (2014 マーベル=ディズニー)

2014-09-20 | 洋画

連戦連勝のマーベルの新作。すべてバカヒットするので、当然のように巨額の製作費と豪華なキャストが用意される……のだけれど、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はさすがになじみがない。いったいどんなお話なの?

おお、お宝探しの風来坊が主人公か。ということは他のキャラのようにコンプレックスのかたまりじゃないのかしら。

のっけから10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」が流れてびっくり。少年時代の主人公が、母の臨終に涙しているところに静かに。あ、そうか。あの曲は途中に「大きい子は泣かないの Big boys don’t cry」って語りが入るからかな。

ところがところが、この映画にはキモのシーンが来るたびに70年代の名曲がバンバン流れるのだ。おいおい超大作でこんな趣味に走っていいのかよ(笑)

刑務所にぶちこまれるシーンには「ウガ・チャカ」、脱出計画を練るときは“ランナウェイズ”のチェリー・ボムがチ・チ・チとかぶり、脱出するときはルパート・ホームズのエスケイプ、もう普通の役はできないゾーイ・ソルダナ(アバターの青い人です)とのラブシーンにはエルビン・ビショップの「愛に狂って」。わはははは。ベタだなあ。

こんな設定が許されるのは、母親の形見であるベストテープ(Awesome Mix Vol.1と書いてある)が主人公の心を形成しているということになっているから。しかも再生するのがソニーの初代ウォークマンですっ!おかげでディズニーの映画なのにSONYのロゴが大写しになるという信じられない光景まで。

ヘッドホンをした人間は、つい声が大きくなってしまうという細かい演出もはさみこみつつ、物語は快調。アクションも無茶で3D効果もすごい(ひさしぶりに画面から飛び出してくる“あれ”にのけぞりました)。

しかもねえ、やっぱりキャストがすごいんですよ。マーベル祭りにおれらも参加させろってことかな。グレン・クローズが司令官なのはまだしもまともなキャスティングで、ベニシオ・デル・トロの悪のりが楽しいしジョン・C・ライリーがいい味。

おっとタイトルが出ていたブラッドレイ・クーパーとヴィン・ディーゼルはどこに……あはははは。あの役は彼らだったのか。

そしてそして、最後にとんでもない野郎(そうかあいつもマーベルのキャラか!)が登場して場内が明るくなる。うわー満足。金を払う価値は絶対にあります。ぜひ!

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