事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」(2019 TBS)

2019-11-30 | 邦画

音楽は世界を変えられないという人がいる。アーティスト自身もそう自虐的に語ったりする。そうかもしれない。政治という直接的な手段にはどうしてもかなわないのだと絶望的になるときもある。でも、ちょっと待ってほしい。

ジャクソン・ブラウンやブルース・スプリングスティーン、そして忌野清志郎が反原発を歌わなかったら、ボブ・ディランやジョン・レノンが反戦歌を提供しなかったらと想像してみてほしい。音楽は確実に世界を変えている

同じことが映画にも言える。感情に訴える力が強いこのメディアは、だからこそ世界を変えてきた。いい意味でも悪い意味でも。

だからこそ、ドキュメンタリー作家は冷静であろうとし、その在り方に常に悩んできた。森達也の諸作はその境界線にいることでわたしたちをむしろ啓発し続けてきたではないか。

さあ2年前の「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」を撮った佐古忠彦は、そのあたりに十分に意識的だったようだ。あの、キャスターとしてスマートだった彼は、瀬長カメジローという、沖縄の自立を目指した圧倒的な熱量の被写体を得て、だからこそわかりやすく、冷静に彼の人生を語って見せた。感動してしまいました。

前作で、その演説の強烈さによって県民を熱狂させた人物を、今度は

・父親に社会運動を責められて絶縁されていた

・中退せざるを得なかった高校の恩師から応援されていた

という両面を語ることによって彼の人格を重層的に描くことに成功している。彼がひたすらに家族を愛した理由も浮き出てくる。

そしてもちろん、政治的に

・アメリカが沖縄を返還したのは、基地を温存したかったから

佐古が訴えたかった部分はここだろう。瀬長はそこを最後まで追求する人物だった。

日本を不沈空母と表現した中曽根という人物が昨日亡くなった。彼の百才のお祝いの品を得々と披露する“ジャーナリスト”が右派メディアに今朝出ていて気が遠くなった。カメジローには絶対に見せられない。最後まで節を曲げなかった彼には。

明日は佐古監督が鶴岡まちなかキネマに来館するようですよ。ぜひっ!

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今月の名言2019年11月号PART2 神戸方式

2019-11-29 | ニュース

2019年11月号PART1「芸能の人」はこちら

「この事件を、『いじめ』と書いている、読んでいる人たちに言いたいことがあります。今までの報道がすべて事実ならば、今回の事件は、『いじめ』ではなく、法的に裁かれるべき『犯罪』です。『いじめ』ということばを、安易に、わかりもしないで使わないでください。このような行為を、子どもたちが『いじめ』と理解したら大変なことになります。」

神戸の教員間暴行問題に関して、夜回り先生の水谷修氏。ドラッグを憎む彼の発言をとりあげたのはPART1とバランスをとりたいからではありません(笑)。

あの事件はもちろん唾棄すべきものだが、むちゃくちゃな理屈で加害者たちを休職処分にした神戸市には「神戸方式」と呼ばれる人事のやり方があるらしい。

軽々に評価できない気はするけれど、校長のお気に入りの権力が肥大化するシステムは、やはり問題があるんじゃないか。にしても、日本には他にも〇〇方式と呼ばれる人事が存在するのだろうか。

本日の1冊は恩田陸「訪問者」祥伝社刊
別荘に次々に訪問者がやってくる。そのたびに犯人像や探偵役までが選手交代。狙いはすごくいいと思うし、ワトソン役が最初から提示されているあたりの工夫もすばらしい。でも、「父親と息子は声が似てくる」あたりのヒントがもっと活かせれば……今回もタイトルは音楽から。佐野元春の最高傑作からです。

PART3「アジア好き嫌い」につづく

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隠れ教育費 解答篇その8 学校給食

2019-11-29 | 受験・学校

ONE OK ROCK / wherever you are (女性が歌う) COVER by Uru

解答篇その7「頭割り」はこちら

さあ学校給食。

学校事務職員のしんどい部分に、集金の未納があることはまちがいない。特に給食費の未納に関して大騒ぎになったのは近年のこと。「隠れ教育費」のなかでもこの問題は大きく扱われている。解決策として

・公会計化

・無償化

が挙げられている。もちろん一朝一夕に実現できる話ではないし、高度に政治的でもある。それほどに、実は学校給食とは巨大で、かつ政治的な存在になっていることはおぼえておこう。

公会計化は実現している自治体も多い。もちろん本来の意味での公会計化である、自治体が保護者から直接収納する形になっているところもあれば、とりあえず公費として扱うという、いわゆる“なんちゃって公会計”も。

無償化については、小規模な町村が先鞭をつけ、次第に中規模、大規模な市や区に広がっている。つい先日も明石市が中学校の学校給食を無償化すると発表し、世間を驚かせた。

わたしは思うんだけど、この、驚きというファクターがあるうちに無償化に踏み切る首長は頭がいいと思う。隣の市がやったので仕方なく、では選挙民にほとんどアピールしない。

もちろん、未納対策としての無償化は夢のまた夢だろう。ひとつの要因としてカウントはされるだろうが。でも無償化って夢を、学校事務職員としては捨てられないなあ。教育委員会の職員と話していたら

「何億かかると思ってるんですか!」

と反論されたけど、費用対効果はそんなに小さくないと思う。以下次号

本日もUru。だんだん彼女の声で脳内麻薬物質が出てくるスピードが速くなってます。

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隠れ教育費 解答篇その7 頭割り

2019-11-28 | 受験・学校

シェネル / Happiness ピアノver. Uru

解答篇その6「部活」はこちら

そうなると話は後援会費だって無縁ではなくなる。選手派遣費や設備補助に充てている部分を、部活に入っていない子には頭割りで返金しなければならないんだろうか。みなさんどうしてます?

この書では、生徒会費と部活動費を分けることが先決だとされている。うーん、これもしんどい作業だとは思う。いずれにしろ、部活の全員加入の是非、金のかかる部とかからない部の差、勝てば勝つほど派遣費がかかって学校事務職員の表情が暗くなる(笑)とか、部活動は問題山積です。

つづいては学校給食

本日の1曲はやはりUru。こういう発言は控えてきましたけど、YouTubeからズドンとこういう人が出てくるってのは時代だなあ。んで、芸能プロもちゃんとチェックしている(笑)

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今月の名言2019年11月号PART1 芸能の人

2019-11-28 | 芸能ネタ

2019年10月号PART3「大丈夫」はこちら

「そもそも、ドラッグをやっていらした方がある作品の一部分に出ていらっしゃるからといって、その作品の全部ないしは一部を社会から『削除』するという論理の背後にどんな『理屈』があるのか、よくよく考えてみたらいい。」

「少なくとも芝居の事だけはスゲエ真面目に考えてたよってことを、それを知る一同業者として、それだけはとにかく書き記しておきたかったんだよ」

前段は脳科学者の茂木健一郎氏の発言。後段は佐藤二朗のtweet。もちろん、沢尻エリカのことをめぐって。

結果的に彼女は大河ドラマに代役を立てられ、世論の攻撃もやまない。しかし、芸能人がハッパを決めていたことがそんなに悪いことなのだろうか。

くどいようだが、わたしは芸能人は人を殺してもいいと考える人間だ。“埒外”の存在として見るという意味で、究極の差別だと思われるかもしれない。でも、法律などというものを軽く芸術家たちには超えて欲しいのだ。

でも現状は違う。一種の見せしめのために、彼らには品行方正なふるまいが常に求められ、マスコミという名の世間から監視されている。わたしはつくづくと思う。芸能界に、蕩尽の果てに生まれる芸を期待することはもう無理なのか。

PART2「神戸方式」につづく

本日の1冊はブルボン小林の「ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論」
彼が別名で書いている小説の、あの絶妙な現在進行形って、ひょっとして漫画のコマの運びから……うかつなことは言えません。

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隠れ教育費 解答篇その6 部活。

2019-11-27 | 受験・学校

奏(かなで) / スキマスイッチ COVER by Uru

解答篇その5「ネームプレート」はこちら

各校の、どころか各部ごとの会計は千差万別だと思う。生徒会費、後援会費はまだ学校事務職員のコントロールが及ぶけれど、保護者会費などは把握していない。しかも競技によっては連盟などとの関係が独自だったりするのでなお複雑怪奇。

先日、他校の事務職員と話していて、

「部活に入っていない子への返金はどうしてる?」と訊かれた。

「生徒会費の?」

「そう。どの程度返してるの?」

「いや全然返してないけど」

「それはまずいんじゃない?」

……考えもしなかった。わたし、一度も“部活動に所属していないから”という理由で返金の事務をしたことがありません。

「生徒会会計のすべてが部活動向けってわけでもないし」

「でもほとんどがそうでしょ?」

う、まあ、それはそうなんだけど。以下次号

本日の1曲はやっぱりUru。「奏(かなで)」が彼女の人生の1曲だったとは。

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「盲剣楼奇譚」 島田荘司著 文藝春秋

2019-11-27 | ミステリ

ミステリファンにとって、少なくとも日本の新本格に意識的な人にとって、島田荘司は絶対に無視できない存在だ。っていうか、新本格とは彼が始めたことなのであり、彼が後進を育てたジャンル。近年は華文ミステリまで発掘してくれているのだし。

もちろん否定する人もたくさんいる。最初にとてつもない謎を設定し、それを解題するのがミステリだという彼の主張に、100%賛同するつもりはわたしもありません。

でも御手洗潔シリーズの、特に「占星術殺人事件」の、あのトリックに驚かなかった人はいないはずだし、「水晶のピラミッド」の“違う真相”もまた魅力的だった。

でもあのシリーズだけだったら、彼はアジテーターとしてここまで影響力を持ちはしなかったと思う。実は本格なのに、地味な社会派の体裁をとっていた吉敷竹史のシリーズがあったからこそ、彼の名は後世に残る。80年代に売れていたのは実際にそっちだし。

まだおぼえています。妻がある事情で入院しているとき、となりのベッドにいた女性と仲良くなって

「退屈で仕方がないのよ。なんか面白い本はない?」

と見舞いに来ていたわたしはリクエストされた。で、貸してあげたのが「北の夕鶴2/3の殺人」。吉敷竹史が登場するなかで最高傑作だと思う。次に行ったときに彼女は

「おおおおお面白かったあ!」

と絶讃。あたりまえだ。あれほど面白い本はなかなか。

警視庁の刑事、吉敷竹史が登場する二十年ぶりぐらいの新作「盲剣楼奇譚」は、これまたなんとも読み始めたらやめられない本でした。終戦直後、金沢の老舗置屋で朝鮮人たちによる籠城事件があり、そこへ現れた美しい剣士によってならず者たちは一瞬にして惨殺される。果たしてその真相は……

という体裁はとっているけれども、実はこの小説のほとんどは剣士のモデルとなった盲剣様と呼ばれる人物に費やされている。おれが書く時代小説とはこれだ!とばかりに

「七人の侍」

「眠狂四郎」

「宮本武蔵」

「用心棒」

「用心棒日月抄」

などの要素をぶちこんだ伝奇小説。いやはや面白かった。あの隣のベッドのお姉さんはいまどうしているかなあ。島田荘司の新作は、やっぱり面白いぞと教えてあげたいな。

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隠れ教育費 解答篇その5 ネームプレート

2019-11-26 | 受験・学校

secret base~君がくれたもの~ / ZONE COVER by Uru

解答篇その4「制服」はこちら

うちの学校の例を挙げてみる(誰も読んでないといいなあ)。

つい先日の運営委員会で、新入生の準備登校の日程でもめた。その登校日から入学式までにある程度の時間をおかなければならない、という理由のひとつに、制服にネームプレートを縫い付ける手間もあるし、ということだった。

「じゃあ、ピンで留めるだけでいいんじゃないですか」

という発言があって、なるほどねえと思っていたけれど、どうもまわりの反応が鈍い。

「縫いつけることで、忘れないって意味もあるわけで」

「でも夏はシャツに縫いつけたりしませんよ。前任校は縫いつけたりはしませんでした」

「あそこはブレザーだから……」

うーん、どうなるものだか。親の負担を考えると、ピンだけでいいと思うけどなあ。生徒指導上の理由ってのはどうも自縄自縛なんじゃないのとすら。にしても、ネームプレートを縫い付けるかピンにするかでこれだけもめるんだよ。

全国的にいま話題になっているのは、性的マイノリティにどう対処するかだ。男子の制服を着ることが苦痛な男子、女子の制服を着ることが苦痛な女子の存在。この一事をとっても、制服というのが一種の権威であり、同時に暴力でもあることが知れる。

さて、つづいての大物は「部活動」だ。

…………他県の事例がメールで寄せられたので紹介します。

我が子の中学校では、名札は学校に置いていました。登校したら自分でつける。(クリップ式)
わざわざ名前を周囲にお知らせする必要もありませんので。
教室に入って名札をつける。
教師は残っている名札で欠席者や遅刻者がわかる。
特に不便は感じていませんでした。

……なるほど。この、校外にいるときにネームをつけていることのリスクは田舎ではなかなか。

本日の1曲は、もうこうなりゃ意地だ。ずっとUruでいきましょう。ZONEのあの子たちももう30代なんだなあ。

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雪囲い2019

2019-11-26 | 日記・エッセイ・コラム

すみません今回はブログを完全に備忘録に使わせていただきます。

11月末はうちの雪囲い、自治会の雪囲いが連続。身体が悲鳴を上げています。でも、子どもの学校のはなくなったし、今年からはお寺さんのもある事情でなくなった。

確実に楽にはなっている。

でも身体が追いつかない(^_^;)

去年のやり方はどうだっけ、というチェックのためにスマホのギャラリーを探すのもけっこうめんどくさい。っていうことできっと来年の今ごろは、1年前の記事というgoo blogの機能が大活躍してくれるのではないでしょうか。

あ、備忘録だからもっとちゃんと書いておこう。長さは16m(側溝のフタ32枚分)、長木は60本、杭は10本、合い言葉は

「低く、低く!」

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隠れ教育費 解答篇その4 制服

2019-11-25 | 受験・学校

夜空ノムコウ SMAP (女性が歌う夜空ノムコウ) COVER by Uru

解答篇その3「学級費」はこちら

「隠れ教育費」の序文は、アルマーニの話から始まっている。銀座の公立小学校の校長が、8万円のアルマーニ監修の制服を導入しようとして問題になったあの件です。

私立と公立が併存する都会において、特に銀座という土地柄を考えて高級ブランドを採用すれば……校長の発想は、道筋としてはわからなくはない。でも、保護者や児童の立場になって考えるということを校長は忘れていたかも。8万円を払えない家庭に対して、その小学校は門戸を閉ざしているわけだ。

学校の制服がどのように始まり、どのように浸透したかの経緯は福嶋先生がていねいに解説してくれている。詰め襟、金ボタンの男子の学生服は陸軍の制服がモデル。女子のセーラー服はイギリスの水兵のスタイルがモチーフになっている。それが明治期の洋装への世間の変化にのって全国の学校に広がっていったと。

一律に、一斉にすることが日本人は大好きだから制服の存在はしごく当然のこととして扱われてきた。しかしアルマーニの例は極端にしても、はたして制服は学校に必要なものなのかという議論は当然あってしかるべきだ。

自分の考えを先に言っておくと、わたしは制服なるものが大嫌いだ。よくもまあこれだけ長いこと制服が生き残っているものだと思う。もちろん、制服存続を願う人の

・私服よりも総合的に見れば安価

・自由にすれば子どもは奇矯なファッションに走る

・服装の乱れは心の乱れ。制服によって学校の規律は保たれる

という意見にも、傾聴すべき点はあるように思える。しかし本当にそうだろうか。同じ服装でなければ保てない規律がはたして必要なのか。

しかも、この書で指摘されているとおり、学校の教職員が制服について考える機会はとても少ない。それに、長年のつきあいである指定店の意向を(人事異動がひんぱんだからこそ)ひっくり返すのは容易ではない。

かくて前年度踏襲がつづき、保護者から見直しの要望が出ると学校側は驚くことになる。そういえば……以下次号

本日の1曲は「夜空ノムコウ」
作詞のスガシカオ、作曲の川村結花、オリジナルのSMAP、それぞれに味があるけれども、Uruはそれに参戦した。そうかキムタクのソロアルバムに登場する“謎のシンガー”って彼女のことなんだね!

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