事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「光る君へ」第37回「波紋」

2024-09-30 | 大河ドラマ

第36回「待ち望まれた日」はこちら

怒涛の一週間。立憲民主党と自由民主党の党首争いはなかなか味わい深いものがあった。特に自民党の場合は、嫌われもの合戦という趣き。女性党首が誕生していたら面白かったのになあ。伝統ある政党の滅びを見学することができたろうに。

さて平安時代においても政争は激しい。藤原道長は自分の娘が天皇の子を産んだことで権勢を盤石のものにしたいと考えている。しかし娘の方は……

紫式部も娘との関係が微妙。実家に帰った式部は、宮中のきらびやかさを、飲んだいきおいもあってあからさまに自慢。そんな母親に娘は嫌悪をおぼえてしまう。

前もそうだったけれど、紫式部の欠点は頭が良すぎたことだろう。“わからない、ということがわからない”人だったのだと思う。だからどうしても人間関係を俯瞰でとらえてしまう。そんな傾向があったからこそ、あれほど長大な物語を破綻なく紡ぐことができたのかも。

そして伊藤健太郎登場。まあ色々とあったけれども、いい仕事をしていくしか汚名の返上はかなうまい。がんばってほしい。

職場の同僚とタバコを吸っているときに、どんな人物を呼んだら講演会が盛り上がるかの話になる。

「飛鳥涼だろぉ?音楽関係の話もいいけど、薬物乱用防止もいける(笑)」

「槇原敬之もいいんじゃないか?」

「肝心なのはさ、あの人たちはスキャンダルがあっても、またヒット曲をつくって世間を見返してることだよな」

「だなあ……でもまあ、あの人たちは印税だけで一生遊んで暮らせるわけだけどね」

「うらやましいなあ」

なんか、さみしい話になってしまったのでした。

第38回につづく

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米沢の漢方

2024-09-29 | うんちく・小ネタ

米沢の漢方

今日は気合いを入れて大河ドラマを見た。昨日の巨人の優勝や自民党の総裁選をからめて語ろうと思っていた。

でも今日は中居とムロツヨシの番組にPerfumeと木村カエラが出てきて、それはそれは楽しい時間だった。

そんなときにどうしてこのCMを思い出したのだろう。

「あのさ、むかしローカルのCMって絵が動かないわけ」

「え?」

妻はよそから来たのでわけがわからないらしい。

「カエルとうさぎが相撲をとるっていう、わけわかんないCMがあったの」

「へー」

「んで、そのバックに流れてたのが♪おーねんぼーばのかんぽ♪だったの。」

「なにそれ」

「オトナになってようやくわかったんだ。それって

♪米沢の漢方♪

だったって」

「あはははは」

ああ木村カエラとPerfumeのコラボを紹介するべきだった。

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「おいしい給食」(テレビ神奈川、TOKYO MX他)

2024-09-27 | 受験・学校

あいかわらず、毎日給食だよりを出しています。さすがに4年もやっているとネタも尽きてきた(でも3年たったらネタは使いまわしていいことに気づいた)、そんなところへ救いの神が。この「おいしい給食」です。

どんな状況でオンエアされ、どれだけの視聴率をとったかも判然としない。しかしシーズン3までつくられているし、先日も劇場版の新作が封切られたのだから人気はあるみたい。

「面白いんですよこれ。すごくバカバカしくて」

すでに見ていた同僚が教えてくれる。確かに、バカバカしかった(笑)。しかし、どこかに苦いものを含んでいて、それは食を語ることのむずかしさだろうと思う。

学校に来るのは給食を食べるため。なぜなら家で母親がつくる料理がまずいから、なるまことに正直な中学教師、甘利田(市原隼人)。職員室の机の引き出しには献立表(だけ)が入っており、頭の中はそのメニューのことでいっぱい。

そしていよいよ給食の時間。クラスのみんなでめいっぱいの校歌の斉唱。教卓の給食の存在がうれしくてたまらず、上半身でキレッキレのダンスを踊る甘利田。そして給食当番の「いただきます」で“戦闘”は開始される。

シーズン1が1984年、2が1986年という設定が絶妙。アルマイトの食器、びん牛乳、ミルメークなど、なつかしのグッズがてんこ盛りだ。

食べ終えて満足な甘利田。しかしその成就感は常にひとりの生徒によって粉砕される。この生徒は、甘利田以上のアイデアで、その日の給食をそれ以上の存在に高めるのだ。悔しがる甘利田。彼との戦いはまだまだつづく……。給食のおばさん役はいとうまい子(前は伊藤麻衣子)です。

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「世界の中心で、愛を叫ぶ」(2004 東宝)

2024-09-26 | 邦画

なんで今ごろセカチュー?と思われるでしょうけど、わたしこれ見てなかったんですよ。大げさではなく、日本映画界を変えた作品なのに。

それはどういうことかというと、この映画より前は、日本映画というのはどうにもダサい存在だと若い層は考えていたの。邦画よりも洋画を見る方がおしゃれな行為だと。

でも、このベストセラーの映画化は大成功し、日本の恋愛映画もいいじゃないかとイメージチェンジまでしてくれた(この流れに拍車をかけたのが「黄泉がえり」だった)。

わたしは原作を読んでいないので確かなことは言えないのだが、ストーリーとして無茶じゃないですか。高校生の主人公たちがやっていることは重犯罪だし、白血病の患者を台風の日に病院から連れ出して飛行機に乗せようとするなど、理屈はそれなりにあるにしろ、やさしさが足りない。

そんなことをしておきながら「助けてください!」と絶叫するなど、甘えるなと言いたい。あ、そういえばその場面を予告編で見て、見る気をなくしたんだった。

しかしそれでも、行定勲の演出はていねいだし、この作品が遺作となった篠田昇の撮影もみごとだ。脚本はなにしろ坂元裕二です。キャスティングもなかなか凝っていて、主役がまだムキムキの体形じゃなかった大沢たかお、その若いときが森山未來、友人が宮藤官九郎で、若いときが高橋一生……なんか、確かに似ているような気がします(笑)。

白血病の少女にまだ新人に近かった長澤まさみ。自ら申し出てスキンヘッドにするなど、気合いが入っているし、手足の長さをいかしてはつらつとした動きを見せてくれる。だからこそ、後半の描写がむしろ痛々しいわけだ。

これだけ大ヒットした映画だから、きっとボロ泣きさせるタイプの作品なのかと思ったらそうでもなかった。やっぱり、見てみなければわからないものだ。

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「KINGDOM 大将軍の帰還」(2024 東宝=SONY)

2024-09-25 | 邦画

これまでの三作は、すべて50億を超える大ヒット。ところが、この最新作はいきなり80億も稼いでしまったのである。どうしてだろう。

今月の事務だよりで「ラストマイル」を紹介したら、なんと4人もの職員が観ていた。日ごろおとなしい人まで事務室にやってきて

「観たんですねラストマイル……」

「きみも観たのか」

「はい……面白かったですねえええ!」

みんな絶賛状態。しかしそんななかでも一人だけ

「確かにラストマイルはよかったわよ。でもね、KINGDOMはもっとよ!

この人は昔からKINGDOMファンなのである。そういえば、この夏最大のヒット作なのに映画館で観てないなあ。

めったにないことだけど日曜日に鑑賞。封切りからだいぶ経つのに客はけっこう入っている。

前作は多分にジョン・フォードの「駅馬車」を意識していた。まるでモニュメントバレーで撮影したかのよう。今回はまるで「OK牧場の決闘」です。戦略もからんで味がある。

オープニングから吉川晃司が強すぎるんだけど、それがあとで効いてくる。大沢たかおのそばに控えているだけだった要潤があんなことまでしてしまうのに爆笑。黒岩勉脚本は今回も絶好調だ。登場人物のアップの“順番”も計算されているし、ラストでのタイトルの出し方などみごとなもの。80億納得。

「あんまりストーリーのことは聞きたくないんだけど、今回ので原作の半分くらいはいったの?」とKINGDOMファンに。

「なに言ってんの。まだエピソード1ぐらいよ

「え、そうなるとキャストも老けないようにがんばらなきゃ……うーん、完結前に一番最初に死ぬのって…………観客のおれかも」

長生きしなくちゃ。

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「レジェンド&バタフライ」(2023 東映)

2024-09-24 | 邦画

監督が大友啓史で脚本が古沢良太、そして音楽が佐藤直紀とくればいかにも大河っぽいスタッフ。わたしは「キングダム」の音楽は絶対に佐藤直紀さんだと思ったら違ったんすね。

題材も織田信長で、彼を木村拓哉が演じるとなれば、信長まつりの狂乱が思い出される。

演出がちょっと一本調子だし、尺も長すぎるが見ごたえはある。ラストにはいろいろと意見があるだろうけれども、魔王にふさわしい終わり方だったろう。「リボルバー・リリー」につづいて、綾瀬はるかはいい感じだ。

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光る君へ 第36回「待ち望まれた日」

2024-09-23 | 大河ドラマ

第35回「中宮の涙」はこちら

雨続きの三連休。穏やかに過ごしましょうか……エリアメールが鳴るほどの豪雨。勘弁してくれよ。能登の人たちの苦境がすべてではないにしろ理解できる。がんばってください。そして、がんばりすぎないでください

相変わらず毎日給食だよりをつくっています。先週の「ラストに至って道長と紫式部が月を見上げる」というシーンを(月見献立だったので)紹介したのはいいのだけれど、それを物陰からじっと見ている女性がいることまで紹介したのは余計だった。中学生にそんな情報はいらない……んじゃないかな(笑)

さあ今週からは不倫がらみのドロドロを描くことになる。でも基本的にこの時代の人たちは不倫なんていう言葉もなかったわけだし、下品だけどやりまくりだったわけでしょう?

でも大石静さんは、そっち系のお話を視聴者が大好きであることを知っている。やることなすことうまくいく藤原道長が、中級以下の娘である(空恐ろしいほどの文才があったとはいえ)まひろと昔エッチしたからなんなんだ、って理屈をドラマツルギーでなぎ倒しています

今週、わたしはディスカスで「花腐し(はなくたし)」という映画をDVDでレンタル。綾野剛がピンク映画の脚本が書けないお話。そして、彼と微妙な関係にある男を演じたのが柄本佑でした。

業界が業界なので、過激な描写が続きます。もちろん成人映画。監督したのは荒井晴彦という、映画界で知らない人はいない人です(断言)。

まるで「傷だらけの天使」のようなバディムービー。綾野も佑もすばらしい。

そしてヒロインがさとうほなみで、ゲスの極み乙女のドラマーであることに驚愕しました。これだけやるの?わたしは川上絵音のスキャンダルに何の興味もなかったけれど、こんなドラマーがいるバンドのことをもっと知りたいと思いました。マジ。

第37回「波紋」はこちら

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「Winny」(2023 KDDI)

2024-09-21 | デジタル・インターネット

ファイル共有ソフトWinnyの開発者(東出昌大)を、聖なる愚者として描いた作品。いやはやわたしは何にも知らなかったんだなあ。

このソフトをなぜ警察が徹底的につぶしにかかるのか、それは警察内部の腐敗と関連していたなんて。木竜麻、皆川猿時、吹越満、渋川清彦などのキャストも渋い。意外な拾い物。

わたしはまだインターネットというものを理解していないとつくづく。そして、知らないでいられることの幸福を思う。知らないではいられないんだけどね。

この映画についてアップすることすらすでに腰が引けているわたしです。

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明細書を見ろ!2024年9月号PART2 資格情報

2024-09-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Leather And Lace - Stevie Nicks and Don Henley

PART1「児童手当改正」はこちら。 

「公立学校共済組合に関する資格情報のお知らせ」なる封筒もいっしょに渡します。

さあ開けてみましょう。なかの書類にはあなたと被扶養者のマイナンバーの下4桁がそれぞれ記載されています。そしてこの数字が、正しいかどうかをチェックしてほしいのです。

なぜこんな手間をかけるかというと、ご存じのように今年の12月2日から新規の健康保険証の発行が終了し、“基本的に”マイナ保険証に移行することになっているのはご存じだと思います。

マイナンバーカードの取得は任意のはずなのに、保険証としてカードしか認めない(経過措置はあります)ことには釈然としません。

しかしいざスタートした途端に、またミスが多発するようだと、マイナンバー制度自体がゆらいでしまうということなのでしょう。

本日の1曲はスティーヴィー・ニックスとドン・ヘンリーのLeather And Lace 

何も言いますまい。恋多き女、スティーヴィー・ニックスと、氷の女クリスティン・マクビー、そして大好きなリンジー・バッキンガムが同じグループにいたというのだから、フリートウッド・マックは強いわけだ。

2024年10月号「監査運ふたたび」につづく

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明細書を見ろ!2024年9月号PART1 児童手当改正

2024-09-19 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2024年8月号「線状降水帯」はこちら

今月の給料袋には、「児童手当改正のお知らせ」という文書を同封しています。

これは、10月から児童手当の支給対象や月額などが大幅に変わるため、それを職員に周知しろという指示があったからです。受給者だけでなく、これまで児童手当を受け取っていた人、これから受け取ることになる(かもしれない)人たちにも知ってもらうために全員の袋に入れました。

実は本校の事務だよりも、児童手当の支給日には受給者向けに「明細書を見ろ!児童手当号」を発行し、今回の改正を予告していました。あらためて、紹介します。変更点は

・所得制限を撤廃する。

・支給対象児童の年齢を“高校生世代”(18歳到達後の年度末まで)までに延長する。

・第3子以降の手当額を月3万円にする。

・(支給対象ではなく)子が何人いるかを算定する範囲を、これまでの高校生世代から大学生世代(22歳到達後の年度末まで)に延長する。

・支給月を2ヶ月ごとの偶数月とする。

……ぶっちゃけた話をしましょう。手当の受給に所得制限をかけることはほとんど何の意味もなかったので、撤廃は当然。もっとも、山形県職員のなかで“所得が多すぎるから児童手当がもらえない”ほど給料をもらっている人はまずいないので、影響は小さなものでしょう。

だから大きいのは、高校生を扶養している親に新たに手当が出ることです。もっとも、その代わりにいずれ高校生を税法上の扶養控除から外すという動きがあるのは残念。まあ、そうなっても実質の手取りは増えます。

そして偶数月に支給するという、まるで年金のような変更は……しまった。これからは児童手当号を年6回も発行しなければいけないのかっ!

PART2「資格情報」につづく

画像は「ラストマイル
ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と共通の世界観……と評判だけど、見ていなくても全然かまいません。とにかく野木亜紀子(「逃げ恥」の人でもある)の脚本が周到で圧倒されました。爆弾の数とかね。大ヒット納得。テーマソングが米津玄師なのも共通です。

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