事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

勝手に人生相談Vol.13 先生が好き Stevie Wonder - As

2018-05-31 | うんちく・小ネタ

Stevie Wonder - As

Vol.12「アニバーサリー人間」はこちら

女子高校生。好きな人が結婚しました。12歳年上の数学の先生です。

私が先生を好きなことは、周りの友達も、先生自身も知っています。先生が私を絶対好きにならないことはわかっていましたが、その上でずっと好きでした。

結婚相手は同じ学校の先生です。2人の結婚を知った同級生からは「もっといい人いるよ」「次があるよ」と言われます。でも、私はもうその先生以外に好きな人はできないと今は思いますし、こんなに全力で好きだったことを忘れるのが一番怖いです。

大学受験を控えており、予備校に通っているのですが、先生の結婚のことで頭がいっぱいになって勉強が手につきません。

好きな人の幸せは、私にとってうれしいことのはずなのにつらくなります。舞台に出る前に緊張するような感覚がずっと続き、ご飯が食べられません。初めての感情に戸惑っています。(神奈川・U子)

まず、U子さんの思いの強さに圧倒されます。でも若いときにそれだけの恋愛感情を持てたことは幸せなことで……なんて通り一遍なアドバイスが機能しないであろうことも想像できます。

実は彼女だって理屈ではわかってる。時が経てば「そんなこともあったっけ」と思い返すだろうと。でもそんな自分が許せないくらいの愛の強さ。安易に言ってしまってはなんだけど、純粋だなあ。

これがしかし女子高生と男性教師だから純粋なイメージ。中学生と教師だと犯罪だし、大学生と教授だとセクハラっぽい。男子高校生と女性教師だとマクロンですね。

オトナと十代では、その経験値の違いから恋愛におけるレートも桁が違う。オトナはそのあたりを十分に承知していなければならないはず。その上でなおかつ成就する恋愛だとすれば、わたしから申し上げることはなにもない。

がんばれU子さん、あなたにはきっともっと素晴らしい出会いが待ってるよ。「次があるよ」と言ってくれる、いい友人をもっているあなたのことだから絶対だ。

ひとつ言っていいかな。失恋がいい経験なのかは微妙。つらいもんな。でもね、失恋した人に「ああ、あんなにつらいんだ」と思えることだけは確かだ。失恋したことがない連中には見えていない景色が、今あなたには見えています。

本日の1曲はスティービー・ワンダーの名盤「キー・オブ・ライフ」から「As」

邦題は皮肉に聞こえるかもしれないけれども「永遠の誓い」こんな歌詞が泣かせます。

僕たちはみんな知っている

人生は憎しみとトラブルだらけ

もっと違う時や場所に生まれていたらと思うこともある

だけど君は人生を賭けて2倍にもできる

神はまさにあるべき場所に君を置いたんだ

Vol.14「ブログ亭主」につづく

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ペンタゴン・ペーパーズを絶讃するPART3

2018-05-30 | 洋画

PART2はこちら

実はこの映画は、若い女性脚本家の作品に女性プロデューサーが着目して製作された作品。だからキャサリンの成長物語であると同時に、彼女の決断をまわりの女性がどううけとめたかの話にもなっている。

裁判所で、敵である政府側の法律事務所につとめる女性がキャサリンに声をかける。

「わたしの兄はまだベトナムにいます。こんなことをわたしが言ってはいけないのだけれど……がんばって」

勝訴したキャサリンには女性たちが群がり(ニューヨーク・タイムズの方にはおっさんたちが集まるのがおかしい)、あたたかく彼女を見送る。

トム・ハンクスが発する警句が最高だ。

「報道に対する圧力を跳ね返すには、報道することだ」

「政治家と新聞記者が、葉巻を吸いながら笑い合う時代は終わった」

かっけー。見ましたか読売や産経の記者のみなさん。

実はこの作品は、スピルバーグが「レディ・プレイヤー1」のポストプロダクションの間にサササっと撮ったものだ。彼とイーストウッドにしかできない早技。もちろん、充実したキャストと、信頼している撮影ヤヌス・カミンスキー、音楽ジョン・ウィリアムズの黄金トリオがそれを支えたのだろうが。

彼がこの映画の公開を急いだのは、やはり時代の空気に当時との類似を見たからだろう。愚劣でメディア叩きに懸命な大統領とその臣下たちの醜さに一撃を加えたかったに違いないのだ。もちろん、それなしにもすばらしい娯楽映画で、今年これ以上の作品に会えるかなあ、と「ブリッジ・オブ・スパイ」のときと同じような危惧を。

さて、ここで映画は終わらない。民主党本部に何らかの目的で侵入者がいたシーンが挿入され、それを指示する人物の声が聞こえる。なじみのその声とは……もうひとつのワシントン・ポストの物語である「大統領の陰謀」特集につづけます

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ペンタゴン・ペーパーズを絶讃するPART2

2018-05-29 | 洋画

PART1はこちら

時代は70年代初頭。ということはわたしが酒田グリーンハウスで洋画を見始めたころ。気持ち的にはほぼ地続きです。しかしそのころと現代は確実に変わった部分がある。

エグゼクティブたちの会食が終わると、男性たちはビジネスや政治の話をタバコをくゆらせながら。女性たちは、別室で語らう。しかしこちらの話題は“社交”や“ファッション”だ。つまり、まだ女性たちはビジネスや政治の世界でフロントに立てなかった時代なのである(だからむしろウーマンリブの運動は盛り上がったのだ)。

ワシントン・ポストの社主であるキャサリン(メリル・ストリープ)にしても、前社長だった夫が“事故”(自殺だったようだ)で亡くなったために、家業を継いだにすぎない。それまでは、外で働くことのない専業主婦だった。経営安定をめざして株式を公開しようとするワシントン・ポスト社の役員は「女性経営者は投資家にうけが悪い」とつぶやく。

そこへ、ニューヨークタイムズのスクープが炸裂。同じ日、ワシントン・ポストの一面は(皮肉にも)ニクソンの娘の披露宴を報じたものだった。編集主幹のブラッドリー(トム・ハンクス)は、部下たちに機密文書を手に入れろと命ずるが……

名優ふたりが競演するのだから、さぞやこってりしたやりとりが、と思ったら違った。自分に自信がなく、ビジネスの世界に不安でいっぱいのキャサリンを(受話器をとるときにさりげなくイヤリングを外すなどの小細工もありつつ)メリル・ストリープはむしろ抑え気味に演じていてすばらしい。この人、やっぱり凄い。

そんな彼女が、社運をかけてペンタゴン・ペーパーズを報ずる決断をし、

Publish,Publish,Publish

と静かに語ったシーン。そしてトム・ハンクスが

Run!(輪転機を回せ!)

と言い放った瞬間には感動でゾワゾワしましたよ。このタッチは名匠フランク・キャプラに近い。以下次号

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ペンタゴン・ペーパーズを絶讃するPART1

2018-05-27 | 洋画

「え」

と思った。スピルバーグトム・ハンクスが組んでいるのだから面白くないわけがない。だけれどもこれほどとは。

「終わらないでくれ」

とまで思いましたよ。

意外なことにベトナム戦争を描くのは初めてのスピルバーグ。でも「プライベート・ライアン」の人だから戦場描写はお手のもの。

ベトナムの密林。米兵は接近戦で屠られていく。大使館付の仕事という名目で戦況をレポートしている軍事アナリスト、ダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)の近くには、死体袋が次々に送られてくる。

国防長官のロバート・マクナマラ(ブルース・グリーンウッド)は戦地から帰る政府専用機のなかで、エルズバーグの報告に納得している。しかし、帰国したマクナマラは戦況を楽観的に語る。このままではベトナムの真実が伝わらないと危惧したエルズバーグは、ペンタゴン・ペーパーズと後に呼ばれる「歴代の政権が、インドシナで何を行い、ベトナムでの勝機はないことを知っていたか」の7000ページにもおよぶ報告書を密かに持ち出し、コピーをとる。そして1971年、ニューヨーク・タイムズにおいて、この機密文書をもとにしたスクープが一面を飾る……

原題は「The Post」。ニューヨーク・タイムズではなく、当時はまだ地方紙あつかいだったワシントン・ポストのお話。つまり、特ダネを抜かれた側の新聞社の話だったのだ。

わたしは誤解していました。トム・ハンクスが編集主幹でメリル・ストリープが社主なのだから、トムが「うちもこの文書を報ずるべきだ」と主張し、メリルがそれを抑え込もうとするストーリーなのかと。確かにそういう面はあった。あったけれども、しかしこの映画はそれ以上のものを主張していた。以下次号

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勝手に人生相談Vol.12 アニバーサリー人間~本田珠也トリオ

2018-05-27 | うんちく・小ネタ

本田珠也トリオ

Vol.11「団塊のプライド」はこちら

70代の女性。長男の妻があまりにもきちんとした人で、つき合い方に悩んでいます。

盆暮れや父の日、母の日、私たち夫婦の誕生日には、必ず贈り物をしてくれます。そして、なぜか家族でしょっちゅう私たちの家に来たがり、こちらが黙っていると、何日でも泊まっていこうとするのです。

ぼんやり者の長男には、ぴったりの人だとは思いますが、私も大雑把な性格のため、長男家族が家に来ると聞くと、頭痛がしてきます。彼女の言葉遣いはとても丁寧なのですが、どこか神経に障ります。「どうか顔を見せないで」と言いたくなるほどです。孫にもそれほど会いたくはありません。

長男一家が仲良く楽しそうに過ごしているのは何よりですが、私は「用事があるから」と伝えて、帰ってもらうようにしています。すると、うそのように頭痛が消えます。

縁を切るなどというつもりはないのですが、どうすれば、離れたままで穏やかな関係を保てるでしょうか。(広島・M子)

なんと贅沢な。日本が生んだ長男の嫁の最高傑作じゃないですか。これほどできた嫁に文句をいうなんてバチが当たります……なーんて言うつもりは全然ありません。わかりますよM子さん!

世の中には“アニバーサリー人間”とでも呼ぶべき人種がいて、誕生日はもちろん、結婚記念日、七五三、法事、節句、クリスマス、ハロウィン、そしてついにはイースターまで大々的に行うタイプ。わたしはちょうどその真逆で、正月であろうがお盆であろうが、ひたすら何もしないでいたいタイプです。来客も実は歓迎していない。M子さんもきっとわたしと同様の人種なんでしょう。

そんなあなたが、教科書どおりに良い嫁を演じている女性とうまくいくはずがない。いま“演じている”とうっかり形容してしまいましたが、わたしもこの長男の嫁には演技を感じて辟易してしまう。旦那の母親が自分を敬遠しているのを感じとれもしないあたり、やっぱりいらつきますよね。

もしも感づいているのにこういう行動をとっているのだとしたら、M子さん気をつけて、その嫁はただ者じゃありません。

本日は酒田港座で7月21日にライブがある本田珠也トリオをご紹介。お洒落さゼロ!癒し皆無!というコピーが勇ましい。本田さんのお父さんはあのネイティブ・サンの本田竹弘。

Vol.13「先生が好き」につづく

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「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」「マスカレード・ナイト」東野圭吾著

2018-05-26 | ミステリ

何度も何度も引用して恐縮だけれども、東野圭吾がこのマスカレードシリーズを書くにあたって参考にしたのはアーサー・ヘイリーの「ホテル」だろう。「日暮らし」の特集からひっぱると

全米を旅するしがないサラリーマン。孤独で、係累も存在しない。しかし彼は、一度も会ったことのない主人公の学費を送金し続けてくれていた。彼が旅先で亡くなったとき、そのセールスマンの墓前には、四人の同じような若者が佇んでいた。

ううう泣ける。この主人公が、ホテル王に乗っ取られそうになっている老舗ホテルの副支配人ピーター。盗難、従業員の不正、人種差別、古くなった設備。ピーターの苦悩はつづくが、最後の最後に……。

その業界を徹底的にリサーチし、興味深いエピソードを収集。そのなかから捨象して登場人物たちのドラマに有機的に組み合わせ、強引なハッピーエンドに持っていく、こんなアーサー・ヘイリーの手法を東野はきっちりいただいている。

マスカレード(仮面舞踏会)というタイトルが象徴するのは、ホテルの客は、そのホテル内において仮面をつけているという哲学。ある犯罪が予想されるために、ホテルのスタッフとして警官たちが装っているという意味もこめている。

ホテルに関するエピソードを全篇にちりばめ、とにかく飽きさせない。というか、「雪煙チェイス」のときにふれたように、読書という行為に対するハードルがこれほど低い作家はまず居ないだろう。それほどに(特にこのシリーズは)面白い。さすがベストセラー作家。にしてもホテルマンの客への献身は異常なくらい。マゾヒストの集団ですか。

来年のお正月には映画も公開されるとか。刑事に木村拓哉、フロントに長澤まさみ。鉄壁のキャスト。誰よりも、木村拓哉にとっての(いろんなことがあったから)勝負作なんでしょう。この原作は勝負にふさわしい。

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「孤狼の血」(2018 東映)

2018-05-24 | 邦画

ああ、日本には役所広司がいる。

「孤狼の血」を見終えて、つくづくとそれがうれしい。柚木裕子原作にあったミステリ部分を最初からかなぐり捨てて、この映画は最後まで東映実録路線のまま突っ走る。なにしろ、オープニングがあの古くさい波ざっぱーんの東映三角マーク。しかもナレーションがいかにも実録系。

あの名優にやくざすれすれの悪徳刑事役は似合わない?何を言ってるんです。彼は「シャブ極道」においてキレッキレのやくざ役をかましてたんですよ。失踪したサラ金業者を探してほしいと警察に来た妹(MEGUMIだって気づきませんでした)と取調室でやっちゃい、やくざから金を平気で受け取るぐらいの演技は役所なら朝飯前だったわけだ。彼でなければできない役って、まさしくここにある。

「仁義なき戦い」の再来と騒がれているが、ベースは菅原文太が暴対を演じた「県警対組織暴力」だろう。笠原和夫脚本、深作欣二監督のあの名作の血は脈々とこの作品に受け継がれている。

松坂桃李江口洋介竹野内豊といった、やくざ映画に似合わないキャスティングはみごとに奏功し、彼らの代表作になった。だいたい、あの「凶悪」の白石和彌監督が役所広司を主演にやくざ映画を撮るという話に、役者がのらないはずはない。事務所は嫌がるだろうけれども。

わたしが知らなかった役者たちがすごいんですよ。薬剤師役の阿部純子(「ええやろ、あたしのオメコ、ただで見れたんやし」)、鉄砲玉の中村倫也ってこれから絶対にブレイクするはず。

おっとこれはR15+なんですか。R18じゃないんだ(笑)。びっくりどっきりクリトリス。日本の高校生はしあわせだ。これだけの描写を正々堂々と映画館で味わえるぞ。テレビじゃオンエアできないから映画館に急げ!

主役の象徴である狼が彫られたバッタもんのジッポが、豚の糞にまみれて見つかり、松坂桃李に受け継がれるあたりの泣かせも憎い。孤狼の血は、受け継がれる。興奮しています。今年のベストワンはもう決定だっ!

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勝手に人生相談Vol.11 団塊のプライド King Crimson - 21st Century Schizoid Man

2018-05-23 | うんちく・小ネタ

King Crimson - 21st Century Schizoid Man

Vol.10「理想の夫婦」はこちら

60代後半の男性。交際している40代前半の女性に結婚を申し込み、逆に別れを切り出されています。

妻とは定年後に死別しました。喪失感から入会した自助グループでその女性に出会いました。スタッフです。最初は食事を共にする程度でしたが、今は我が家に泊まることもあります。

私は現役時代、大企業でそれなりの活躍をしていました。彼女はそんな私を認めてくれ、彼女の姉に私とのことを相談しているのですが、将来の介護などを理由に早く別れるよう勧められているようです。最近、何度か「別れたい」と言ってきました。私に一億円の財産があるなら結婚してもいい、などと冗談か本気かわからないことも言われました。

彼女の姉の言うことはもっともです。私が諦めるべきなのですが、寂しさや思慕の念に負け、元の関係に戻ってしまいます。彼女の人生を束縛する権利はないと思いながら、最後の結論ができないのです。息子2人は家族を持っており、相談はしていません。(東京・C男)

……プライドの高い人なのだろうな、と思う。大企業でバリバリに活躍してきた思い出を財産に、愛する妻の死の喪失感を若い女性で相殺していることが、いけないことだと“わかっている”と主張するあたり、さすが団塊の世代は違うなあ。

すみません、ちょっと揶揄がすぎましたね。

お気持ちはわからないではないんです。仕事人間が、初めての孤独な境遇にうろたえているんでしょう?自分のことを第一義に考えてくれる人間の不在は、プライドの高い人間にとって耐えられないはず。

ただ、それがどうして結婚に結びつくのかがちょっとわからない。回答者の出久根達郎さんは「将来の介護を頼めるという気持ちがどこかにあって、相手には、それが透けて見えるのではありませんか」と例によって卓見を。

冷静になれば、あなたはやはりずるい。彼女は姉に関係を明かしているのに、あなたは息子たちに関係を隠している。知られれば反対、あるいは軽蔑されるのが怖いのが本音でしょう。

娘ほどの年齢の女性を魅惑したのだから、きっとあなたは魅力的な男性なのだと思う。ずるくて、魅力的で、妻と死別していて、そして実は財産もそれなりにあるあなたが、若い女性にふられ、あるいは財産分与でもめるようなみっともない事態が怖くて仕方がない……プライドを捨てる勇気がないのなら、このままの関係で十分でしょうに。

本日の1曲は来日決定記念、キング・クリムゾンの21st Century Schizoid Man。同僚は狂喜しています。

かつて雑誌ロッキング・オンのキャッチコピーは21ST CENTURY SCHIZOID MAGAZINE。

ロバート・フリップに「うちの雑誌のコピーはこれです!」と渋谷陽一(だったと思う)が見せたら鼻で笑われたというオチがついてます。性格をよくあらわしてます。

Vol.12「アニバーサリー人間」につづく

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「蜜と唾」 盛田隆二著 光文社

2018-05-22 | 本と雑誌


27才の駆け出しのライター。彼が学生時代に教えていた子どもが交通事故で亡くなる。家庭教師と子の母親のほのかな恋愛、という類型きわまれりなスタートでありながら、話はとんでもない方向につっぱしる。

登場する男性すべてが「この人を護らなければならない」と思わせる白い肌の女性は、簡単にその男たちを奈落にたたき落とす。こえぇ。弱いことがどれだけ強いのかの因果譚。

「ツミとバツ」のお話であることは、タイトルで最初から示されているのでした。盛田隆二の世界は、いつもちょっと怖い。

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ヘアーの不毛 その9 「愛の新世界」(1994 東映アストロフィルム)

2018-05-21 | 邦画

久しぶりにヘアー関係を。その8「イースタン・プロミス」はこちら

ちょっと驚いた。まず最初に「彼女の人生は間違いじゃない」があって、その返歌としてこの作品があるというならわかる。

でも順番は逆。

「愛の新世界」のほうが20年以上前の映画なのだ。SM嬢として金を稼ぐ(だって面白いから)レイは、劇団員としての顔も持つ。デリヘルで働くアユミは、弁護士や医者の卵とつき合うことで将来の玉の輿を夢見ている。

彼女たちから悲惨さは感じられない。レイは劇団員全員と積極的に寝るし、アユミは失恋しても落ち込むことはない。だからどうした、という感じ。作品の方向性が違うのだから当然とはいえ、このあっけらかんさはさすが“新世界”だ。

荒木経惟の写真集が原作なので、レイを演じた鈴木砂羽のヘアヌードが挑発的に使用され、アユミ役の片岡礼子もみごとな脱ぎっぷり。

劇団員はなんと大人計画のメンバーたち。松尾スズキ、宮藤官九郎、阿部サダヲが出演しているわけで、今ならものすごい豪華キャストに見える。彼らが連れ立って淋病の治療に泌尿器科へ並ぶ画は泣かせる(笑)。


客も豪華版。田口トモロヲ、鈴木ヒロミツ、大杉漣、そして萩原流行がマジで乳首に……

個人的には、デリヘル仲間にEAST END × YURIの市井由理が出ていたのでそれだけでうれしかったです。実は大好きなの。監督は高橋伴明。もちろんR-18。

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