それまで木村拓哉に関してなんとも思っていなかったわたしが、なぜかいきなりキムタクのDVDをむさぼるように見始めた5年前。シリーズでいきましょう。
42歳の男がいきなりキムタクに目覚めたことに何か文句ある?PARTⅠ
いや、不明を恥じます。脅威の高視聴率番組「HERO」を、しかも放映後1年もたってから初めて見る……ありゃ、面白いじゃないか。
妻も子どもたちも風邪気味の先日の連休。とにかくベターっと家にいることに。こんなオフは百姓仕事のない冬ならではだよなあ。プレステの勝負を挑んでくる息子を適当にあしらいつつ(そんなことを言いながらタイムアタックレースで完璧に息子に負けてしまう。ショック)、「HERO」全4巻「ギフト完全版」全4巻「TV’s HIGH」全2巻のうち1巻。計20数時間のキムタク三昧。
で、結論。木村拓哉はいい。かなりいい。
「HERO」放映当時、見向きもしなかったのは、月9(げつく)と呼ばれるフジの看板ドラマ帯にわが家がまったく視聴習慣がなかったから。考えてみれば、その枠だけでなく、近頃TVドラマをワンクール(基本的には13本。現在は番組改編期にスペシャルが入ったりするので10本ぐらいがせいぜいか)楽しみにブラウン管の前で待つなんてことしてないか。
娯楽としてのテレビの位置は、ビデオレンタルやTVゲームの出現でどんどん下がっているし、“他人と同じでいたい”国民性とはいえ、さすがに個々人の嗜好は多様化しているため、30%を超える高視聴率番組など、そうは生まれなくなっている。「ありがとう」(TBS)や「熱中時代」(日テレ)の夢よもう一度、とはいかない時代なのだ。
そんななか、ひとりキムタクの番組(ロンバケ、ラブジェネ)だけは、軽々と30%をゲットしている。特にこの「HERO」、初回から最終回までずーっと超えていたのである。真の意味でのお化け番組であり、タレントとしての木村拓哉の強さがいかに凄いかがうかがい知れる。
“視聴率おたく”として学生時代から毎週火曜日のスポーツ新聞(芸能欄に前週の視聴率ベスト20が載る)をかかさず買い、今もビデオリサーチのホームページのチェックを怠らない私(馬鹿?)が分析すると、キムタク以外にも高視聴率の要因は数多くありはする。たとえば
・誰でも指摘できる宇多田ヒカルのテーマソングのヒットと、めったにテレビに出ない彼女の特別出演
・若手の脚本家をわずか1回で交替させ、王道のドラマを書かせたシビアさ
・検察、というあまり描かれることのなかった世界に、中卒の検事(モデルがいたらしい)をぶち込んで官僚の非情さを訴える手口
・舞台の実力派を脇役にすえて、厚みを持たせたキャスティング。特に小日向文世はこれで一気にメジャーに。
……でもやっぱりキムタクだと思う。あ、また業界バナシでこんなにスペースを。次号はほんとにキムタクの凄さを!つくづく今さらだけどさ!