事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「うそうそ」 畠中恵著 新潮社刊

2008-11-29 | 本と雑誌

Usouso01 「ちんぷんかん」特集はこちら

「うそうそ」
あの若旦那に旅をさせるという無理までして畠中が描きたかったものはなんなのか。まさか最後に伝奇小説になるとは(笑)。

「アコギなのかリッパなのか」
畠中の現代小説を初めて読む。選挙に関する裏情報がもっとつめこまれていれば、軽いミステリでありながら……と評価されたかもしれない。親に捨てられながら、大物政治家の庇護のもとに名探偵を演じる主人公。はて、こんな設定を前にも読んだことがあるような……あ、宮部みゆきの「誰か」に近いのか。

「つくもがみ貸します」
しゃばけシリーズでは描けない主人公の恋愛を、こちらにたっぷりぶちこんだわけだ。これはこれで楽しい。ファンも喜んだことだろう。

さて、テレビ版「うそうそ」は、視聴者層をはっきりと女性に限定したのだろう。手越祐也をはじめとして、谷原章介、中村俊介、柏原収史……美男のオンパレード。まことに、正しい態度だと思う。妻は狂喜しております。

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「ちんぷんかん」畠中恵著 新潮社刊

2008-11-29 | 本と雑誌

Logo_syabake_2  ……前作までの特集はこちら

しゃばけシリーズ第6作。妖(あやかし)と人間との生命のスパンの差を、花びらの精と人間のドラマにシンクロさせて泣かせる。やるなぁ。鳴家(やなり)のかわいさ相変わらず。フジテレビ版はもうちょっと何とかなんなかったかな。鳴家がファンシーすぎてなあ。若旦那がジャニーズ(手越祐也)だったのは仕方がないにしても。
犬神(高杉亘)と白沢(谷原章介)のキャスティングはなるほど、と思えるものだった。わたしは鹿賀丈史と役所広司をイメージしながら読んでいましたが

でもちょっと今回は宗教が入ったか?☆☆☆★★

次回は「うそうそ」特集。

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しゃばけ

2008-11-29 | 本と雑誌

Yanari01_2   藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎の御三家が亡くなり、時代劇が新しいステージに入っているとはいっても、今年は宮本昌孝の新作はなかったし(あ、検索したら二作も長篇が。でも図書館が入れてくれないと……)、どんな作家が面白いのかいまひとつ。隆慶一郎みたいな超弩級の新人が(だいぶ年とってたけどね)いきなり出てきてくれないだろうか。誰か面白い時代小説作家を教えてくれないですか。そんななか、読者に紹介された畠中恵の「しゃばけ」シリーズは大当たり。
 にしても、宮本も畠中もアニメ、漫画出身。ストーリーテリングの妙が肝心の時代小説は、こっちの方面に期待することになるのかな。

 さて、それでは「しゃばけ」からいくつかピックアップ。

第一作「しゃばけ」特集はこちら

「ねこのばば」「おまけのこ」
……きゃわきゃわと動き回る小鬼(鳴家)というキャラを考えついたというだけで、この時代劇は勝利したも同然。病弱などというレベルをこえてひ弱な主人公のとぼけっぷりもいい。
 彼が一種の安楽椅子探偵になり、小鬼が助手役になるミステリとしても機能。

「ぬしさまへ」
……若旦那の推理爆発のルーティンもいいが、生き別れたお兄さんのエピソードなど、泣かせる。

「ゆめつげ」
しゃばけシリーズではない。最後の最後に国家神道批判が開陳されるとは。意外に硬骨漢なのかな畠中。漢、つっても女性だけど。

「ちんぷんかん」特集につづく。

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