事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2012年3月号~真偽

2012-03-31 | 国際・政治

Sugimurakotaroimg01 2012年2月号~Don't Leave Me Alone はこちら

「疑惑があれば議会で質疑するのが私の仕事。間違ったことはしていない」

大阪市交通局の非常勤職員が、大阪市長選における平松前市長を支援する労組名義のリストを捏造し、それをもとに市議会で質問をした杉村市議の発言。

誰でもが民主党の永田議員(のちに自殺)が関与した偽メール事件を思い起こしたはず。当時の民主党代表は前原(のちに辞任)。なんか毎月この人が登場してもうしわけない。

あの事件であらわになったのは、なんらかの動機をもって政治家にリークする人物が非常に多いということと、意外に簡単に政治家もその罠にはまってしまうということだった。

今回の事例も似たような経緯をたどるだろうか。開き直ったような市議の発言に、誰だか知らないけれど、維新の会を背後からプッシュしているサイドは苦い思いでいるだろう。

にしても、山形に住むわたしにとって、橋下大阪市長、松井大阪府知事以外の維新の会のメンバーが前面に出てきたことはめでたい。これまでがあまりに不自然でしたからね。

さて、まわりを攻撃することで支持を集めてきた維新の会が、自らへの批判にどう対処するか。彼らの性根がためされる。

「新聞やテレビで報道され、みんなが信じるようになったことについて疑問を呈し、再検証する。これも新聞の大事な仕事です」

朝日新聞に載った池上彰氏の「新聞ななめ読み」は秀逸な記事だった。民間事故調が2月末に出した報告書について、三大紙はいっせいに菅首相の細かい指示を批判。

わたしもちょっと不思議な思いでその記事を読んでいた。だって下の方には前首相がきわめて冷静なコメントを寄せていて、報告書に怒っているふうでもない。

つまり報告書をよく読めば、首相が細かい指示を出さなければならないほど技術者は自失していたわけで、ひとり東京新聞だけがそのことを再検証し、指摘したのである。

書いていないけれど、読者の側も“いっせいに報じられ”たことの真偽を、冷静に見極められるようになってくれと池上さんは主張しているようだ。読者として、そう受け取りました。

2012年4月号~チョー雑。につづく

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「浄土の帝」 安部龍太郎著 角川文庫

2012-03-30 | 本と雑誌

Takedajoimg01 わたし、中学を卒業して以来、「日本史」をまともに学んだことがない。高校は理系だったし(笑)、大学は英文。かすりもしていない。未履修じゃないっすか。違うか。

だから城マニアの読者が送ってくれた、この日本のマチュピチュみたいな画像に、いったいどんな歴史的背景があるのかさっぱり。あなた、ここがどこだかわかります?(正解は最後に)

系統立てて日本史を学習していないものだから、歴史認識で思いっきり間違っているんじゃないかといつもびくびくです。特にこの「浄土の帝」のような作品を読むと。

主人公は後白河法皇。脇役に崇徳院、平清盛、信西。舞台は保元・平治の乱。そりゃ、どれも名前を聞いたことはあっても、はて内実は……

この書で後白河は

「天皇になるなど思いもよらない」

「白拍子狂いの(つまりサブカル好きな)」

「しかしあまねく臣民に浄土を提供したい」

人間として描かれる。

保元・平治の乱は、みずからの意とは別のことで起こった騒動で、後白河は傍観者だと。

そうだろうか。

アウトラインとしてふたつの乱は、武家政治の伸長をうながしたことで歴史に名を残している。しかしいろんな連中の動きを見ると、後白河の意向がなにより優先されていたとしか思えないし、むき出しの権力欲がなければ、平将門とならぶ日本の怨霊王、崇徳院の恨みが理解できないではないか。

もうひとつわからないのは、史上最大の芸術支援者らしい後白河の側面がまったく伝わらないのだ。これってやっぱりわたしが日本史を知らないからなのかなあ。

※クイズの正解は「竹田城」in兵庫県朝来市。知らなかったなーこんな奇観。なんでも、勉強です。

浄土の帝 (角川文庫) 浄土の帝 (角川文庫)
価格:¥ 820(税込)
発売日:2008-12-25

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「樅ノ木は残った」 山本周五郎著 新潮文庫

2012-03-29 | 本と雑誌

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YouTube: 大河ドラマ 樅の木は残った

伊達騒動、のお話。といってもわたしは日本史の素養がないのでさっぱりわからない。

この事件をモデルにしたのがかの有名な「伽羅先代萩」。かの有名な、といってもわたしは歌舞伎の素養もないのでさっぱり。

ということでネットからアウトラインをひっぱると……

だて‐そうどう 〔‐サウドウ〕 【伊達騒動】 
江戸初期、仙台藩伊達家に起こったお家騒動。万治3年(1660)藩主伊達綱宗は不行跡のかどで幕府から隠居を命ぜられ、幼少の綱村が家督を相続。その後見役伊達兵部宗勝が家老原田甲斐宗輔らと宗家横領を企てたとして、伊達安芸宗重が幕府に訴えた。寛文11年(1671)大老酒井忠清邸での評定の席で宗重は宗輔に斬られ、宗輔も殺害された。「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」など、歌舞伎・浄瑠璃の題材となった。
【デジタル大辞泉】

山本周五郎の「樅ノ木は残った」は、この宗家横領未遂犯にして先代萩では仁木弾正という大悪役をふられた原田甲斐が主人公。

山本はこう解釈したようだ。

酒井大老邸では関係者のほとんどが斬殺されたため、事件の真相はいまひとつ判然としない。しかし、徳川幕府がありとあらゆる難癖を各藩につけてお家お取り潰しに熱心だった時代に、仙台藩は存続し得たではないか。それは、すべての悪行を原田甲斐ひとりがひっかぶったためではないのか?と。

小説「樅ノ木は残った」は、意外なほど企業小説、スパイ小説の色彩が濃い。各章の合間に、伊達兵部を中心にした密談が挿入され、これがなかなか悪辣であり、同時に周到。しかし、原田甲斐がなかなか腹の内を見せないことにいら立つあたりも憎い展開だ。

NHKの大河ドラマでは(市川雷蔵が予定されていたらしいが)平幹二朗が原田甲斐、伊達兵部に佐藤慶。どっちも悪役ヅラじゃないですか(笑)。真の悪役である酒井雅楽頭に北大路欣也なのだから何が何だか。

もしも山本周五郎の立てた仮説が正しいとするなら、原田甲斐は自らの一族郎党を犠牲にして藩を守ったことになる。高度成長期のサラリーマンらしく、滅私奉公が賞賛される世の中だから受け入れられたのではないか……とするのは浅薄な意見だと思う。いくら日経に連載されたのだとしても。

山本の企みは、そんな理不尽なありようを納得させる人間像が描ききれるかだったのだろう。原田がほとばしる本音を見せるのは、命を賭けた鹿狩りのときだけ。そして、年の離れた宇乃という女性(ドラマでは吉永小百合)に対してだけだ。そのストイックさは、平成の世でもいまだに魅力的だった。

それにね、山本周五郎の小説って意外に前衛的。延々とひっぱったドラマの最終章は、残った樅ノ木を見つめる宇乃が、女として濡れるというとんでもない結末なのである。びっくりー。

樅ノ木は残った (上) (新潮文庫) 樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)
価格:¥ 660(税込)
発売日:2003-02

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雪国の作法PART10~ローズ

2012-03-27 | 日記・エッセイ・コラム

Yukiguni PART9はこちら

いったい春はいつ来るんかー、と嘆いていたら、自然に春になってた。ほんとにそんな印象。ついこないだまで『お足元が』悪かったというのに。

あふれかえっていた雪は、しかし春の温気だけではなかなか融けてくれない。やはり人の手が入っているのといないのでは大違い。冬の間の排雪は、うちの学校の前で撮った写真のように、除雪車や除雪機で強引にすすめる。

でも3月ともなるとちょっと違う。陽差しをあびた地面に、スコップで掘り出した雪を朝方にぶんまいておくと、帰るころにはすっかり消えているのである。こ、これは快感。

もちろんこれは田舎に住んでいるからできることで、街中ではそうもいかない。とにかく雪の捨て場に困り、道路にまいてしまう人もいるとか。わたしは田舎の常識で

「雪を融かすためなら仕方ないっしょ」

と思っていたのに、これは絶対にやってはいけないと警察からお達しが。曰く

「融けた雪が朝方に凍ってしまい、転倒事故につながる事例があとを絶ちません」

うーん。そりゃま、そうなんだろうが。それに、自転車利用者にとっては確かに雪が車道にあるとしんどい。この3月1日からは、自転車は車道の左側を通行すること、と強調されたしね。

ついでだから言っておくと、やっぱりヘッドフォンをつけて運転してると摘発されるのかなあ。自転車通勤の最大のメリットがiPodにあることは確かなのに。

さて、雪国の作法には他に

・30キロくんとのバトル(雪道走行のコツ)

・正しい雪囲いのつくりかた(男結びはできるのか)

などを予定してたんだけどそれはさすがに次の冬にお送りしましょう。もし忘れていたら誰かチェックしてね。

【雪国の作法・おしまい】

本日の一曲はベット・ミドラーのThe Rose。
ジャニス・ジョップリンをモデルにした映画のテーマ曲だ。

Just remember in the winter
思い出して欲しい、冬の

Far beneath the bitter snows
冷たい雪のずっと下では

Lies the seed that with the sun's love
種が横たわり、太陽の愛を浴びると

In the spring becomes the rose
春には薔薇になるということを

……この映画のオープニングはとても哀しい。ロックンロールのアイコンとなった女性の生家の部屋に男どもが静かにやってくる。彼女はすでに死んでいる。その部屋には、十代の女性らしいピンナップが鈴なりに飾られていた。普通の、ほんとうにふつうのアメリカンガールだった彼女に、ついに春は来なかったのだ。

なんと2013年バージョンにつづく

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YouTube: The Rose - Bette Midler

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刑事コロンボを全部観る~Vol.42「美食の報酬」

2012-03-26 | テレビ番組

Thegodfathersagaimg02 Vol.41「死者のメッセージ」はこちら

コロンボも長いシリーズとなり、作り手もその長さを利用してさまざまなお遊びをしこんでいる。登場の仕方に凝ったりね。

前回は例の金庫のなかから(声が先に聞こえる)ヌッとあらわれ、料理がネタになっている今回は、殺人現場となったレストランの、まさしくそのテーブルでお料理をおいしくいただいちゃってる。ピーター・フォークの愛敬全開。

被害者はそのレストランのオーナー。演じているのはマイケル・V・ガッツォ。名作「ゴッドファーザーPARTⅡ」で“シチリアの男らしい”最期を見せた人。すばらしい演技だったなあ。今回も、卑劣で、かつ余裕たっぷりの犯人(ルイ・ジュールダン)に激昂する様子を、吹替の藤岡重慶の丹下段平っぷりもあってみごとに。死の瞬間にはちゃんとゴッドファーザーふうの音楽が流れるのね。

ミステリとしての核は『栓を開けていないワインボトルにどうやって毒をしこんだか』だ。

毒の種類は、オープニングからフグであることが連想されるようになっている。おそらく日本人以外にはフグ毒はおなじみではないだろうから、この作品で驚いた人も多かったろう。わたしはトリックのタネになる“道具”を知らなかったので別の方面で驚きました。

美食のお話なので、

被害者→イタリア人

加害者→フランス人

という取り合わせは納得。しかし文字どおりとどめをさしたのが日本料理(フグ刺し)だったのはちょっとうれしい。マコ岩松が「小津さん」という名で出てくるあたりのサービスも。コロンボを魅了する芸者さんは圧倒的に変だったけど。

犯人がワインオープナーを持ってコロンボの背後に迫る、微妙な緊張感を漂わせるお遊びカットもあって演出も快調。撮ったのはジョナサン・デミ。のちに「羊たちの沈黙」を監督したあの人です。

Vol.43「秒読みの殺人」につづく

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ドラマ撮影予定詳細。

2012-03-25 | まち歩き

4048741306 読者から報告があったとおり、萬田久子が主演するドラマのタイトルは『水曜ミステリー「多摩湖畔殺人事件」』

ご指摘の通り、2007年にすでにフジで一度ドラマ化されていたの。内田康夫ブランドはまだ有効だってことかな。

前回のロケのとき、わたしはちょうど東京出張から帰って酒田駅。やけに人が群がっている。

「そうか、ついにやっぱりオレの時代が来たか」

と思ったけど残念ながらそんなことは全然なくて

「さっきまでここにマッチがいたのよっ」

でも清川屋にはまだ大杉漣が。かっこいー。

わたしはその後、現場にいた女性に引きずられるように別の場所に行ってしまったのだがそれはまた別の話。近藤真彦おそるべし。ジャニーズおそるべし。

このときはすごいですよ。山居倉庫だの相馬楼だの、海鮮どんやとびしまだの、酒田の名店がみんな協力。

さて、また酒田を舞台にこのドラマが撮影されるってことなので(殺人事件のメッカってことですか)、前回は見逃したオンエアをちゃんとチェックしなくては。

「麺食い記者」はテレビ東京なので最初から無理だし(ロケーションボックスの旦那からとんでもない申し出もあったんだけど)、WOWOWの「一応の推定」も見ていないんで、こりゃちゃんとしなきゃね。

ただ問題は、わたしがいまだに地デジにすら対応していないということで……

多摩湖畔殺人事件 (光文社文庫) 多摩湖畔殺人事件 (光文社文庫)
価格:¥ 480(税込)
発売日:1984-01
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ドラマ撮影予定。

2012-03-24 | まち歩き

Mandahisakoimg01 最新情報。

今度酒田で撮影されるドラマの主役はこの人ですって。ひょっとして復帰作?

酔ってたので細部までリサーチできませんでした

とりあえずTBSのサスペンスものらしいですよ。あ、これ言ってよかったのかな。

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「大魔神」 (1966 大映)

2012-03-23 | 港座

Daimajinimg01 大映の製作陣がどれだけ計算をしていたかはわからない。でもこれは結果的にものすごくよくできた恐怖映画になっている。

“硬い”身体のなかで、唯一生身を感じさせる眼球の動から映画は開始。すでに怖い。絶対に瞬きしないとスーツアクターが決心していたので充血していたんですって。この造形がまず圧倒的な勝利。

そして大魔神の怒りが過去に何度もあったことが農民の踊りで示唆される。穏やかなお面と化け物のお面がのちの展開を予告。これはゴジラでも使われていた手法。

魔神を封じ込めている神像こそが魔神だったという設定は、ジキルとハイド的で実にいい。物見櫓の人間を、最初は無視しているように見えながら、いきなり振り向いてなぎ倒すあたりは、魔神のサイズが効いている。あまりに巨大すぎず、ちょうどいい大きさだからこそ生まれる恐怖

だから人間の抵抗の象徴として使われるが、ラストまできちんと画像として残るオチにちゃんとつながっている。うまいなあ。

昔の時代劇のお約束で、お姫様は結局まわりに迷惑をかけるだけ、という伝統が守られているのもうれしい。

そんな無垢で、キングコングを翻弄したような美女を演じるのが高田美和。お父さん(高田浩吉)の嘆きも無視してロマンポルノに主演したように、暴力的なまでに世間知らずな感じはこのころから。まことに、けっこうなお姫様っぷりでした。徹底的に日本的な美女じゃないとこの役はもたない。アンジェラ・アキだと無理ですわね。

それ以上にすばらしいのは遠藤辰男、五味龍太郎などの悪役陣。味のある顔というのはこういう顔のことを言うんだなあ……と冷静ぶりながらも、実はかなりびびっていたのでした。怖いって、マジで大魔神。

第二作「大魔神怒る」につづく

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「エンディングノート」 (2011 ビターズエンド)

2012-03-22 | 邦画

Endingnoteimg01 砂田知昭。

医者の息子として愛知県の田舎に生まれ、化学関係の会社に就職。営業マンとして四十数年を過ごし、役員となって退職。在職中は接待ゴルフや飲みのためにほとんど家庭を顧みず、退職後は妻との関係が微妙に。

子どもは三人。一男一女をもうけたあとに、“計算違い”で年の離れた二女が生まれる。長女と長男は結婚して幸せな家庭を築いているが、二女は三十をすぎてもまだフラフラしている。そんな彼がガンの宣告を受ける。まだ六十代。転移したガンは暴走を始める。

……普通の人の普通の人生。しかし違っていることがあった。二女が映画監督だったのだ。

その、おそらくは両親に溺愛されたであろう砂田麻美の第一回監督作品は父の生と死をひたすら撮り続けたドキュメンタリー。んもう泣いた泣いた。鶴岡まちキネに明るいうちに入ったのが間違いだった。目が真っ赤になってるものだから、出るのが恥ずかし-。

よそんちのホームムービーほど退屈なものはないけれど、父親の死を見つめる娘の主観で最後まで描かれる映像と、父親の立場で語られるナレーション(娘が語っています)が重なり、観客はまるで砂田家の一員のような気にさせられる。

それってドキュメンタリーとしては邪道だろ、という批判もあるだろう。でも、ドキュメンタリーの王道って何だよ。森達也の指摘を待つまでもなく、ドキュメンタリーは必然的に嘘をつくものなのであり、この作品はむしろ変な意味づけがうかがわれるつなぎがないフラットなつくりになっている。それでこれだけ泣かされるってのは……ひょっとしてこの監督はすごい天才なんだろうか。

わたしの母のときを思い出すまでもなく、ガン告知はまことに微妙な話で、誰もがある程度演技を行わなければならない。この作品でうまいのは、余命一ヶ月もないことを医者も家族も知りながら、父親にそれを告げずにおく描写だ。世の中は演技に満ちている。

にしてもみごとなキャスティング(ドキュメンタリーなのに)。戦後日本を背負ったサラリーマンらしく、ダンドリくんだった父親。彼は本音をビジネス用語を使ってしか開陳することができない。そして美しい妻を自立した人間として最後まで認めることができなかったのだろう。しかしそんなふたりがカメラ(=娘)を排除して死の床で語ったことは何だったか。うわー泣いた。泣いた泣いた。必見!

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新子ども手当決着。

2012-03-21 | 明細書を見ろ!(事務だより)

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YouTube: Time After Time

決着、というか……。

受給者には前からお伝えしていましたが、与野党のあいだでなぜ新子ども手当がもめていたかというと、それは(まあ他にもいろいろあるんだけど)手当の“名称”です。

「子ども手当」

「子どものための手当」

「児童生育手当」

「児童のための手当」

ときて、最終的には

「児童手当」

です。脱力。子ども手当から児童手当にグラデーションしただけ。

まあ、年度末までに法案が成立しそうなので、現行の手当がなくなって旧児童手当がワンスモアし、中学生が支給対象から外れるという最悪の結末は回避されました。

子どもには14日以内に名前を決めて届出をすませなければならないのに(だから役所は24時間体制で受付を行う)、永田町では違う時間が流れているようです。新しい手当の詳細は新年度にあらためて紹介しましょう。

道に迷ってしまったら探してみて。
きっと私は見つかるから。
何度も何度でも。
ダメになってしまいそうになっても私が受け止める。
ずっと私は待ってるから。
何度も何度でも。

シンディ・ローパーをユニクロのCMに出てくる変わったおばさんとだけ思っている人はいませんか。まあ変わっていることは確かだけれど、フーターズがつくった「Time After Time」は名曲ざんす。

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