goo blog サービス終了のお知らせ 

事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第32回「新之助の義」

2025-08-25 | 大河ドラマ

第31回「我が名は天」はこちら。あ、このタイトルってサローヤンをいただいてるのかな。

暑いにもほどというものが。お盆を終えて、なんんんにもしていなかったおかげで、裏の畑は草が伸び放題。仕方ない、刈り払い機でやっちゃうか。30分でアウトでした。自室に帰って汗に濡れた服を脱ぐのにさえ苦労。ひー。

そして6時からのBSになんとか。もう一回8時から観ようと思ったけど気を失ってました。それだけならいいんですよ。夜中に起きて読み始めた本がまたしても面白すぎて朝まで……眠てーよ。

夏休み終了。二学期って長いんですよ。だからそれに造反するようにわたしは夏休みに毎日違うラーメン屋に通っていた。もうそんな元気はありません。ああ生物として弱ってる。

さて「べらぼう」。物語の正義として井之脇海の新之助はいる。みんな彼のことが大好きだ。だけれども、“あの男”が登場してフェイクニュースを広げるなかで息苦しくなっていく。蔦重も苦しい。

田沼意次(渡辺謙)について、いろんな意見があるのは当然だ。だけれども彼の新田開発はやっておかなければならなかったろうと思う。幕府の延命に他に手はなかったろうに。

わたしは森下佳子脚本にもうひとつの仕掛けを見る。新之助という名前だ。これ、ジョージ秋山が長期連載したビッグコミックオリジナルの「浮浪雲」の主人公の息子の名前なんですよ。彼は少年らしく世の中に正義を求めている。だけれども、彼の父親は

「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」

とふらふらしている。しかし彼のふらつきこそが幕末で生き残る最良のテクだったのだと知れる。彼のフランチャイズは吉原ではなくて品川でしたが。

テレビ朝日でドラマ化されたときは雲に渡哲也、妻のかめさんに桃井かおり。脚本は倉本聰だったんだけど、裏の大河ドラマに木っ端微塵にされたのでした。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第31回「我が名は天」

2025-08-18 | 大河ドラマ

第30回はこちら

土蔵から灯篭や燭台を出してお盆の準備。山形県庄内地方北部でのみ行われているという、ミニカーを軒下に吊るす。これ、ナスやキュウリに足や角をつける精霊馬(そんな名前だって初めて知りました)の代わりらしい。うちはどっちも飾るけど。

ちなみに、うちのミニカーはトヨタ2000GTです。ツーシーターかよ。ご先祖様2人しか乗れないじゃないか。

帰省した同級生と飲み、家族で食事に出かけ、早い時間からウィスキーをいただき……いつものお盆でした。

世間では某市長が大学を卒業したとかしないとか、某高校が甲子園を辞退したとかが騒がれている。もちろん当事者たちに非がないとは言わないが、ここまで大きく批判されるようなことなのだろうか。なんか、かさにかかっている感じが少し怖い。

田沼意次(渡辺謙)もまた、思いきり世間に批判されている。飢饉のために米の値が上がっているところに利根川まで決壊。怨嗟の声が田沼に集中するのも無理はないが、運のない人だなあとも思う。

若くて元気いっぱいの松平定信に糾弾され、その流れで田沼は自らが考えていた政策をことごとくひっくり返されてしまう。

加えて、後ろ盾だった徳川家治(眞島秀和……山形県米沢市出身です)の体調がすぐれず、というか例によって毒を盛られて命を失う。万事休すか。

ちなみに、毒を仕込んだのが醍醐(チーズ)だというのは、朝ドラの「あんぱん」に向けてのサービスかも。

家治の最後のことばが強烈だ。一橋治済(生田斗真)の胸ぐらをつかみ

「天は見ておるぞ。天は、天の名を騙(かた)るおごりを許さぬ」

そしてラスト。新之助の妻子が泥棒によって殺されてしまう。蔦重が彼らに米を分けてやっていたことが遠因という皮肉。鬼脚本です森下さん。

第32回「新之助の義」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第30回「人まね歌麿」

2025-08-11 | 大河ドラマ

【大河ドラマ「べらぼう」喜多川歌麿】美人絵を描いたら江戸一の浮世絵師を山田五郎が徹底解説!葛飾北斎と並ぶ世界的天才!春画もすごい!蔦屋重三郎との仲は?【美人大首絵「ポッピンを吹く娘」「寛政三美人」】

第29回はこちら

ようやく山形県酒田市にも雨が降りました。おかげで気温も一気に下がる。どうやら線状降水帯に見舞われている地域もあるようだ。去年のあの日の酒田の24時間降水量は288ミリ。それであの状況だったのに、今日の熊本は445ミリなのである。どうなってんだ。だいじょうぶですか熊本のみなさん。だいじょうぶじゃないよな。

とりあえずべらぼう。歌麿覚醒の回である。

わたしは美術史に暗いので、近ごろ山田五郎センセイの「オトナの教養講座」をYouTubeで観まくっている。美術教師に「これ、凄く面白いんですよ」とこのYouTubeの書籍化された「めちゃめちゃわかるよ!印象派」を貸してもらえたからだ。

そうだったのか、おれの知らないことってこんなにあったのかと(今さらながらに)反省。にしても画家ってどんだけ変わってんだ。

山田さんはこのサイトで今年の伊丹十三賞を受賞している。観ている人は観ているんだなあ。

さて、このサイトで喜多川歌麿がどう扱われているかというと、自分は人まねじゃない!と主張しているわけで、同時に人まねが圧倒的にうまい描写力があることが語られている、蔦重とコンビを組んでいるころが黄金時代だったのだと。なるほど。

このドラマでは、彼の幼少期がまったくわからないことで森下佳子脚本はかましている。あの不遇さの書き方は微妙なバランス。

一方、松平定信が政治の中枢に復帰する。彼は質実剛健を主張し、それ自体は立派かもしれないけれど、結果として……

 でもわたしが今回最も感じ入ったのは、一橋治済を演じた生田斗真の狂気の舞いでしょう。自分の策が時代に合っていくことにうれしさを隠せない爆発。すばらしい。しかし自分が引き立てた松平定信の改革は……ま、それは後のお話。

第31回につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第29回「江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)」

2025-08-04 | 大河ドラマ

郷ひろみ・樹木希林 - 林檎殺人事件 (1978)

第28回はこちら

暑い。そしてそれ以上に雨が降らない。わたしが住んでいる山形県酒田市の7月の降水量はわずか3ミリ。一ヶ月でですよ。もう半月以上一滴も雨は降っていません。大丈夫なのか今年の米は。

さて、そんな酷暑のなかでも仕事はつづく。そして週末は自治会や寺の役員として耕作放棄地や墓地の草刈りを延々と。クラクラします。

だから昨日は何もしないことにしました(お寺の会議はあったけど)。身体を休めないことにはどうにもならない。

ということで早くから缶チューハイを開け、いい気持になってBSのオンエアを拝見。今回は、鶴屋(風間俊介)からレンタルした北尾政演(古川雄大)の黄表紙で、蔦重がある目的を果たすというお話。

この北尾という人がのちの山東京伝になるわけで、彼の作品は大ヒットする。彼は自身を作品に登場させるときは、京伝鼻という団子鼻をくわえてキャラを立たせていたらしい。

ということでその京伝鼻を怖いくらいにクローズアップした劇中劇が始まる。

これが爆笑だった。登場人物たちをべらぼうのキャストたちが演ずるのだ。皮肉屋の鶴屋を気弱な存在にし、いつもは堅物のてい(橋本愛)を妖艶な芸者にして、思いきりはじけた演技をさせている。気が利いてるなあ。

で、わたしはこの雰囲気におぼえがある。あの人のタッチにそっくりなのだ。

久世光彦

TBSのプロデューサー兼ディレクターから、作家にも転じた才人。「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などで向田邦子と組み、悪魔のようなあいつで沢田研二を3億円事件の犯人にした人だ。

そんなキャリアの中でもわたしが好きだったのは「ムー」「ムー一族」だ。ドラマというよりバラエティ色が強く、横尾忠則のイラストからスタートし、なぜか生放送なときもあり、郷ひろみと樹木希林がデュエットし……

こんな遊び心こそが、べらぼうにも引き継がれている。極上の娯楽を提供することが、田沼意知の仇討ちになることを、笑わせてくれるから納得できた。この大河の、骨

第30回につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第28回「佐野世直大明神」

2025-07-28 | 大河ドラマ

第27回はこちら

佐野(矢本悠馬)はついに田沼意知(宮沢氷魚)に斬りかかり、彼の命を奪う。当然のこととして彼は死罪となる。

救いようのない話に思える。しかし森下佳子脚本は、だからこそ救いを仕込むのだ。身請けの話など吹き飛んだ誰袖(福原遥)を、実は最後まで意次は気にかけており、父親に遺言する場面を用意する。

この哀切さで思い出されるのは、戦病死した映画監督、山中貞雄のことを、女優の深水藤子が

「もらっていただきたいと思っていました」

と、のちに吐露したエピソードを思い出させる。

そして佐野の死に、タイトルにあるようなひっかけを用意する。彼はその後、米の値段が下がったこともあって大明神扱いとなる。

そこに、誰かの何らかの意図があったことを露骨に描く。

森下さんは毎朝、新聞を読んでから執筆しているのかと思うくらい、令和の世とストーリーがシンクロしている。米の値が倍になるとか、トリックスターが登場するとか。

今回の参院選で、まさかそこまでの影響はないだろうとわたしが思っていた党が躍進した。支持者は真面目な人が多いらしい。教育とか環境とかに意識的な人たち。

だけれども、選挙の途中から外国人嫌悪が前面に出てきて、おかげでこの党に順風が吹いた側面は否定できない。

なんか面白くない。まあ、おかげで日本の最大与党の票をこの党がむしり取ったのは否定できないわけだけど。

今回のラスト。息子の死もあって老けメイクが強調された渡辺謙の芝居に圧倒される。ラスボスの生田斗真に、端正な宣戦布告を行うのだ。妻もわたしも息を呑んだ。

第29回につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第27回「願わくば花の下にて春死なん」

2025-07-14 | 大河ドラマ

第26回はこちら

意味深なタイトルだと評判になっている。ふたりの対照的な人物に死亡フラグが立つ?

ひとりは佐野政言(矢本悠馬)。父親は認知が入っており、期待された自分はいつまでもうだつが上がらない。有名人に声もかけられない性格の弱さもあっただろう。

もうひとりは田沼意知(宮沢氷魚)。父親は権勢を誇り、自分もキャリアを積み重ねている。愛する花魁を身請けする話も着々とすすんでいる。

圧倒的な美男である宮沢と、ヤンキー演技で妙味を見せた矢本の対比。佐野はこうつぶやく。

「どうしてこんなに違うんだ」

このふたりの交差は悲劇を生む。「花(桜)」をめぐるエピソードも対照的で、花魁との恋愛の象徴として田沼には桜があるが、佐野家の名物の桜は枯れてしまっている。さまざまな出来事があって佐野は父親にこう語る。

「わたしが咲かせてみせましょう」

彼はある決意をしている。

さて、このふたりの関係性だけでなく、田沼家にも影が差してくる。蝦夷地における松前藩の利権を取り上げようという目論見が、いちばん知られたくない一橋治済(生田斗真)に露見。彼はなにやら画策を始める。

もうひとつは米の問題だ。浅間山の噴火も影響したか、米の値が前年の倍になるという非常事態。どこかで聞いたような話だなあ。田沼意次(渡辺謙)がどんな手をうっても米価は下がらない。民衆の怨嗟は意次に向かう……

今月初め、うちの近所の精米施設にSPに守られたある人物がやってきた。もちろん参院選がらみではあるのだが、同僚はその人物に会いたかったのに、と悔しがっていた。

そうです小泉進次郎です。備蓄米放出という、実は危険な手法がどうでるか。答は来週の日曜日に出る。あ、今回は蔦重の話に全然ならなかった。

第28回はこちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第26回「三人の女」

2025-07-07 | 大河ドラマ

第25回はこちら

今回は今月の訃報シリーズも兼ねています。ということで藤村志保篇はこちら。

■ジェームス三木 91歳没

朝ドラ「澪つくし」で高視聴率を上げた彼だが、それ以上に大河ドラマの最高視聴率をゲットしたのは「独眼竜政宗」だった。

「べらぼう」の視聴率は10%を切るのが常態化しているのに、平均視聴率39.7%、最高視聴率47.8%だというからすごい。

二本目の大河「八代将軍吉宗」では、江守徹が扮する近松門左衛門が「さればでござる」とアバンタイトルで時代背景を解説するなど、徹底したサービス精神の人だった。

売れない歌手として十数年もすごしたとか、女性関係がすごかったとか、怒涛の人生。独眼竜を演じた渡辺謙が田沼意次を演じている今年の大河を、彼は見ていただろうか。

さて「べらぼう」。今回のタイトルはロバート・アルトマンの映画「3 Women」からいただいたのでしょう。あちらはおなじみのシェリー・デュバル(彼女も去年亡くなっている)、シシー・スペイセク(「キャリー」のあの娘ね)、ジャニス・ルールだが、こちらの蔦重をめぐる3人は実母のつよ(高岡早紀)、妻のてい(橋本愛)そして歌麿(染谷将太)だ。

ジェームス三木のように「仮面夫婦」だった蔦重とていは、母親が転がり込んできたことで同じ部屋で眠ることになる。でもふたりの間には衝立が。これ、フランク・キャプラの「或る夜の出来事」です。

自己肯定感の低いていは、自分はつまらない女だと家を出ていく。それを追いかけて蔦重は……このあたりのさじ加減はさすが森下脚本。橋本愛の美しさが前面に出てきています。驚くほど綺麗。

第27回につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」第25回「灰の雨降る日本橋」

2025-07-02 | 大河ドラマ

「潮騒のメモリー」【歌詞付き】潮騒のメモリーズ

第24回はこちら

この週末も草刈り三昧。熱中症が怖いので、早めに終えてエアコンの効いた自室に戻り、早めに飲酒。妻が娘のところへ行っているので遠慮というものがありません。しかしおかげで6時からのBSオンエアの途中で気を失ってしまう不覚。8時からの総合はなんとかなりました。

退屈で寝落ちしたのかといえばそんなことはなくて、今回は怒涛の展開。あれほど吉原者を嫌っていたてい(橋本愛)と蔦重(横浜流星)が、わずか一週間後に祝言をあげる。しかし形としては仕事のためだけに夫婦を装うわけで、これからコクのある男女関係を森下佳子さんは描いてくれるのでしょう。

浅間山の噴火はえらい出来事だったようで、江戸にも大量の灰が降っている。その影響は北半球全体に広がったというから怖い。しかしピンチをチャンスに変える天才の蔦重は、懸賞金を提供すると宣言して、町民みんなで灰を始末する“遊び”を仕立て上げる。

そして祝言の日。鶴屋(風間俊介)がやってきて耕書堂にのれんのプレゼント。日本橋の仲間として蔦重が認められた瞬間。

つまり今回は、ていと鶴屋という蔦重に心を許していなかった二人との手打ちが描かれたわけだ。見ている方はテンション上がります(最初は寝ちゃったけど)。

本日の1曲は橋本愛とのんの「潮騒のメモリー」。あれからいろんなことがあったけど、ふたりとも大女優に駆け上がっている。よかった。それにしても「早生まれのマーメイド」って歌詞には笑った。

第26回につづく

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第24回「げにつれなきは日本橋」

2025-06-24 | 大河ドラマ

第23回はこちら

週末は暑かった。すんごく暑かった。そんななか、わたしが何をやっていたかといえば、刈払機で畑とお寺さんの草刈り。クラっとくる。

わずか15分間だけ機械を振り回し、軽トラにもどって一服。これを3回くり返すだけ。ちなみに、軽トラはキャビンが狭いので冷房の効きは最高です。この夏も、わたしはエアコンとOS-1でしのいでいく。

さて蔦重の日本橋進出計画はなかなかうまくいかない。吉原者に市中の土地建物を売ることはまかりならん的な法までできている。逆にいえば、その法ができる前まで吉原者たちがどんなやり方で勢力をのばしていったかがうかがいしれる。

その証拠に、彼らは借財をかかえた店をダミーにしてとりあえずつぶれる店を買っちまえ、と放言したりする。なんか、地面師の世界。

その、つぶれる店の後始末をするのが橋本愛なのである。彼女は前夫が吉原に入れあげたおかげで店がかたむいたこともあって

「耕書堂にだけは一万両払われても譲りません」

と豪語。そりゃま、そうなるだろう。

しかしそんな状態なのに例によって女心がわからない蔦重は、夫婦になって本屋を続けましょうと空気が読めない発言を(笑)

橋本愛が蔦重の妻になることはアナウンスされているし、この状態からどうやって関係を修復していくのかの機微が森下佳子脚本の醍醐味だろうか。

でもみなさんこうは思いませんですか。小芝風花と橋本愛がどちらもこの大河に出ることを承知したとして、どちらが本妻に向いているのかと。普通は逆のキャスティングにしますよね。でもあのメガネ。やるなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第23回「我こそは江戸一利者なり」

2025-06-21 | 大河ドラマ

第22回はこちら

今回はいつも以上にオンエアを楽しみにしていた。というのも、映画「国宝」を観たばかりだから。

この大河と同じように横浜流星と渡辺謙が共演するあの作品で、流星は名門の出でありながら、その重圧につぶされそうになり、しかし復活を遂げる。だが……という展開。

実は吉沢亮の方も原作では悲劇的な人生を送るのだが、映画では少しアレンジを加えてあって、まあメジャー作品だからわからないではない。

それはともかく「国宝」の主演ふたりはすばらしかった。演目と彼らの人生がシンクロしていく具合が、ビジュアルがあるとやっぱり強い。曾根崎心中で泣かせた横浜流星が、こちらではあいかわらず軽快なアクションを見せてくれる。

東京でいちばん商売のセンスがある男、というように、蔦重の耕書堂は絶好調だ。しかしあくまで吉原の金で回っている商売であることで、日本橋にある大手との差も痛感させられる。全国展開が望めないのだ。

そして、蔦重は決心する。日本橋に出ると。もちろん吉原者たちは激怒する。この恩知らずがと。だが、葬儀で同席することすら忌避され、雨の中を外にいなくてはならなかった屈辱も彼らにはある。さて。

何度も言っているけれども「正直不動産」のあのOLが、と絶句させられる福原遥。松前藩主の弟にロシアとの抜け荷をけしかけ、「わたしを身請けして」としなだれかかりながら、眼は障子の隙間からのぞいている田沼意知(宮沢氷魚)に向かっている……あのぉ、絵的にもこれほどインモラルな場面はそうはない。おみそれしました。

第24回につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする