事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

いだてん 第22回 ヴィーナスの誕生

2019-06-09 | 大河ドラマ

第21回「櫻の園」はこちら

今日は三人のヴィーナスをフューチャーした回だった。

まずは志ん生と結婚することになるおりんさん。演ずるは夏帆。彼女がのちに池波志乃になるのは、ルックス的にもぴったりだ。彼女が象徴するのは(実はいちばん若い世代なのに)、芸人と堅気の世界の乖離に悩む姿。飲む・打つ・買うが芸の肥やしだとする常識に彼女は翻弄されることになる。おりんさんいいんですか。あなたにはこれから壮絶な貧乏暮らしが待ってるんですよ。

続いてはあの人見絹枝。演ずるは菅原小春。え、誰?高名なダンサーなのでした。すんごい雰囲気がある人。自分の身体が大きく“男っぽい”ことにコンプレックスを抱える少女として登場。

わたしの父親はこのドラマを激しく憎むものではあるけれども(笑)、「お、人見絹枝か」と意気込んでいた。つまりは大河ドラマらしく「のちの……である」的な有名人登場のエピソードでもあったわけだ。

今でもたおやかな女性は賞揚される傾向はあるけれども、わたしは違うな。ガタイのいい女性ってかっこいいじゃないですか。よけいな話だけど、女性のほうが背が高いパターンのラブストーリーとして、山田太一の「君を見上げて」は傑作ですのでぜひ。まだ文庫で出てるのかな。

最後は村田富江。モデルはいるようだが架空の人物。演じているのは「ごめんね青春」でも走っていた黒島結菜。父親(板尾創路)の期待に応えてお嬢様学校に通い、しかし金栗四三の影響でスポーツに目覚め、公衆の面前で“脚”をさらす。そのために金栗は……

先週につづいて学園ドラマ。書いている宮藤官九郎の喜びが伝わってくるかのようだった。実は背景に、アスリートをアイドルとしてしか扱えない日本のマスコミに対する皮肉も仕込んであるのだろう。でもそのあたりの毒を、いつ子どもを仕込んだんだ四三!というギャグでくるむあたりの芸が今日もすばらしい。

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いだてん 第21回 櫻の園

2019-06-02 | 大河ドラマ

第20回「恋の片道切符」はこちら

ちょっと今呆然としています。すばらしい回だった。そうなんだよなあ、宮藤官九郎って、どうしても学園ドラマをテレビでやりたかったんだよね。しかもそれが大河ドラマで実現。こりゃーうれしかったろう。「ごめんね青春」のはじけっぷりこそが彼の本領だとつくづく理解できました。

アントワープオリンピックの敗退で放浪する金栗四三。遭遇するのは夫を戦争で亡くした女性たちがスポーツで

「くそったれ!」

と叫んでいる状況だった。帰国した彼は女性にもスポーツが必要だと考えるが、お嬢様学校で生徒たちから激しい拒絶にあう。

“Let’s begin!”

と日テレ系熱血教師がチョークで叩きつけたようにはもちろんうまく運ばない。まあ、当時の大河の裏番組だったわけだけど(笑)。

しかし、四三の熱情は女生徒たちに次第に伝わり……こういうお決まりの展開をちょっとひねるあたりのテクは宮藤官九郎にかなう人は絶対にいない。青春ドラマだけでなく、大好きなジャンルの定型を自分流にひねりたいわけだ。

女学校の生徒たちはこう叫んで槍を投げる。

「くそったれ!」

いま、DVDで「ゆとりですがなにか」(日テレ)を見ているんだけど、彼の凄みを、実は大河では希釈していることがよーく理解できます。それがいいとか悪いとかではなくて。

低視聴率はあまりにトリッキーな運びだからと主張する人もいて、あるいはビートたけしの滑舌の悪さに求める人もいる。違うんだと思う。それは、大河という枠に宮藤官九郎が受け入れられる素地がなかったということでしょう。で、その素地がなかったという意味で大河は朝ドラよりもよほど保守的だったというお話。

しかしシマ(杉咲花)の結婚におけるセリフのやりとりなど、そうか大河はここまで来たかと納得。わたしは「いだてん」に責任をとります。つまんないと思ったらわたしが入場料を払ってやりますとも!(受信料はかんべんして)

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いだてん 第20回 恋の片道切符

2019-05-26 | 大河ドラマ

第19回「箱根駅伝」はこちら

近ごろは視聴率の低下も底をうったし、おそらくはこの大河でいちばんしんどい部分を本日経過したことでちょっとホッとしています。

そうなの。誰でも「だよね?」と思っていたけれど、そこをどう描くのか心配していた

“金栗四三はオリンピックでは勝てなかった”

という回でしたから。

当時からマスコミや日本人はオリンピック好きで、同時に負けた選手を徹底的に叩きにかかる。わたしが忘れられないのは札幌オリンピックだ。70m級で表彰台を独占した日の丸飛行隊。しかし90m級では笠谷幸生が二本目に失敗し、メダルを逃す。観客席からはこんな言葉が飛んだ。

「バカヤロー!」

当時から、なんてことだと冷静に論評する人はいた。でも近年の

「感動をありがとう!」

「勇気をもらいました」

的なスポーツへの過剰な期待は、やはりちょっと同様に危ういと思う。だから今回、嘉納治五郎が、五十年後、百年後の人間がスポーツを楽しんでいてくれればいいなあと永井道明と語るシーンにこそこのドラマの真骨頂がある。単なるオリンピック礼賛大河ではない。まあ、姜尚中さんを出演させた時点で制作チームがお偉方にどう思われていたことやらとは思ってるんですけど(笑)

大根仁演出の回。予告の演出までやっていたかは知らないけれど、

「四三、髪型!」

には笑った。よけいな話ですみませんが、予告篇の最高傑作といえば日テレの「探偵物語」ですよね。毎週くりだされる松田優作のギャグこそわたしの世代を“覚醒”させたわけで。

で、そんな世代の血が脈々と流れ、そして大河ドラマにも影響していることがとてもうれしいです。例によって冷静ぶっていますが、わたし今回ちょっと泣きました。

オープニングのタイトルバックに綾瀬はるかのバレーボールのシーンが挿入されているのは「おっぱいバレー」への返歌ですか。なわけねー。

第21回「櫻の園」につづく

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いだてん 第19回 箱根駅伝

2019-05-19 | 大河ドラマ

第18回「愛の夢」はこちら

今回のいだてんは、山形県酒田市の人間にとって特別な意味を持っている。

第1回の箱根駅伝は金栗四三のファナティックとも言える情熱によって実現されたもののようだが(そうか最初から報知~読売がかんでたのか)、参加校はわずかに四校。東京高師(いまの筑波大学)、明治、早稲田、慶応。圧倒的に他を引き離した明治を、最後の最後に抜き去って優勝に導いた茂木善作が酒田の出身だったの。

ドラマ的には敗れた明治の選手の方に重きがおかれていましたけれど(笑)、茂木は金栗四三の一番弟子、かつ山形県初のオリンピック選手だったの。そうか、箱根駅伝の最初のゴールテープを切ったのは酒田の人だったんだ。

学校事務職員にとって茂木さんは、なんといっても茂木駅伝の人。この地区の中学校が全校参加する駅伝大会だった。どうしてこんなマイナーな道を通るのかなあと思ったけれど、茂木さんの出身地である本楯地区を無視するわけにはいかないよな。

彼の初登場が、酒田最大のイベントである酒田まつりの宵宮の日にオンエアなのはうれしい。あ、酒田市民がみんな酔っぱらってる日でもあるぞ。

そして、なんとなんと志ん生の息子である馬生志ん朝がついに登場。そう来たかあ!時代を超えて、森山未來がどっちも演じる妙味。ありがたいありがたい。

「なんか、似てるわよねちょっと」

うちの奥さんの卓見。うん、馬生にも志ん朝にも見える。いかに森山未來が芸達者かという証左でもある。

「強次っ(志ん朝)、強次っ、真っ直ぐ父ちゃん(志ん生)と母ちゃんのところへ行くんだよっ」

お姉さんが志ん朝の臨終の際にかけた言葉。小泉今日子のセリフだと思えばなお味わい深い。

今回は後半へのブリッジの役割も担っているようで、河野一郎(太郎のおじいさんね)が早稲田のランナーとして登場し、いつも渋ちんだった岸清一(岩松了)がマラソンの素晴らしさに目覚めている。こういう展開は宮藤官九郎は本当にうまい。

そして本日も大根仁演出。「モテキ」の森山未來と「バクマン。」の神木隆之介をフューチャーして、そりゃ大河らしくはないだろうけれどもすばらしい回だった。そしてこれからあの神演技を見せた「SCOOP!」のリリー・フランキーも参戦する。うれしい。

視聴率?知らんがな。誰も正月の駅伝みたいに30%もの数字をとるとは思ってませんて。

第20回「恋の片道切符」につづく

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いだてん 第18回 愛の夢

2019-05-12 | 大河ドラマ

第17回「いつも2人で」はこちら

ついに前回の視聴率は7.1%と大河史上最低記録を達成。やったぞ(笑)。

もちろん要素としてゴールデンウィークがあったのだろう。お盆とか、そういう時期は歴然と大河の視聴率は低下する。ってことはどういう人たちが大河ドラマを見ているかがうかがえるというもの。

家族でお泊まりをしていたり、盆帰りをして実家でくつろいでいたりするようなまっとうな日本人が大河を支えているわけだ(勝手に断定)。あ、よく考えればわたしもその一員だった。娘のところで見た上杉まつりは最高でした。

証拠があります。わたしとはまったく好き嫌いが反対な、ザ・日本人である父親が吐き捨てるように

「こいつが出てくるとつまらねー」

もちろん庄内弁で語ってるんですけどね。こいつとはすなわち古今亭志ん生の若き頃を演ずる森山未來。わたしは逆に、彼が出てくるとむやみに興奮します。橋本愛のすてばちな感じもいい。

そして久しぶりに志ん生の奥さん役で池波志乃、娘の役で小泉今日子が登場。志ん生の、というかそれ以上に(長男である)馬生のファンであるわたしはそれだけでありがたい。こういう視聴者は少ないのかなあ。後半になると馬生や志ん朝も登場するんだろうか。わくわくする。

大正と昭和の時制が行き来することが低視聴率の要因?確かにそうかもしれない。

でも宮藤官九郎とは「あまちゃん」でNHKに貢献した脚本家だけれども、「木更津キャッツアイ」「マンハッタン・ラブストーリー」「ごめんね青春!」でTBSに、「ぼくの魔法使い」で日テレに低い視聴率で苦杯をなめさせ、「ロケット・ボーイ」では織田裕二のぎっくり腰で……つまりは彼を起用するということは、TBSの磯山晶プロデューサーをはじめとした、気合いの入った連中にしか許されない特権なのだ。てこ入れとか不穏な話もあるようだけど、そんなことになったら絶対にわたしは許さないぞ。

第19回「箱根駅伝」につづく

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いだてん 第17回 いつも2人で

2019-05-05 | 大河ドラマ

第16回「ベルリンの壁」はこちら

先週の「ベルリンの壁」は早丸も本丸も再放送も見ることができなかった。で、何を気づいたかというと、それってすんごくさみしいってことだったのだ。わたしは毎週ひとつのドラマを見続けるという根気も根性もない人間なので、この大河ドラマについて毎週特集するのはしんどいかなーって作業でも正直あったの。

間違ってました。見られなかったときの喪失感ハンパないっす。今回はだから気合い入りましたマジ。

その気合いをいなすようにビデオリサーチは連休中だから最新のデータなし。これは昔からそうでした。なんだよー、と視聴率小僧だった昔からブーたれていましたが、働き方改革の先端を行っていたと考えることにしましょう。

ああ宮藤官九郎のセリフの冴えは相変わらずだ。

「ばってん、って言ってから考えるのずるいだろ」

確かに(笑)。

欧州がきな臭いために四三がめざしていたベルリンオリンピックは無期延期。彼の旬の時期はかくして遠ざかる。4年に1回というオリンピックの運不運、幸不幸ってやっぱりある。

モスクワオリンピックのときがまさしく。旬を逃がした選手はたくさんいたわけだ。わたしにとって、あの騒動はテレビ朝日の策士の跳梁とその失敗でしか思い出せないんだけど。

しかし今回はやはり綾瀬はるかのものだ。マラソンランナーが必死で走っているとき、はたしてどれだけ沿道の応援に本気で鼓舞されているかはわからない。でもスヤの応援に、ほんの少しだけ口角をあげて(それはスヤの指導によるものだ)応えるシーンの演出はみごとだった。で、どう考えてもこの夫婦はエッチしていないという描写がつづいたあとにいきなりご懐妊(笑)。やっぱりいだてんはいい。

にしても、読売はこのころからイベントが商売になるって嗅覚はすごかったんだな。そして土岐善麿登場。あなたの学校の校歌に、この人の名前はない?

第18回「愛の夢」につづく

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いだてん 第16回 ベルリンの壁

2019-04-29 | 大河ドラマ

第15回「あゝ結婚」はこちら

前回の視聴率は8.7%ともとどおり。いやそれはいいのよ。実はわたし今回の「ベルリンの壁」を観ておりません(笑)

どうしても外せない用事があってこの始末。6時からの回(早丸)も8時からの本放送(本丸)も無理。

どうしよう。

そうか再放送があるよな!実はある事情で観れません。っていうかまだ録画もできねーのかよ。すみませええん。

だから今回の話はエアいだてんです。

どうやら噺は志ん生に軸を移した回だったようで、とてもうれしい。まず、NHKの広報は大嘘こいてますよね。オリムピック噺といいながら、実は古今亭志ん生がもうひとりの主人公だってことを教えてなかったんだから(笑)

しかも今回は志ん生の若き日に「文七元結(ぶんしちもっとい)」を“面白くなく”演ずるというストーリーだったとか。うわあああ。

噺は「タイガー&ドラゴン」までさかのぼるけれども、あの大ネタはもちろんピックアップされてなくて、いやされてたら1時間ぐらいかかる噺は消化されてなかったかも。志ん生の覚醒があの噺にあったという設定だったのか。飲んでる場合じゃなかったなあ……あ、飲んでましたのがばれましたか。

第17回「いつも2人で」につづく

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いだてん 第15回 あゝ結婚

2019-04-21 | 大河ドラマ

第14回「新世界」はこちら

大竹しのぶに「つづきは来週っ!」と大河ドラマ史上最大の禁じ手を使わせた(笑)前回の視聴率は9.6%と回復基調。

今回からは本格的なホームドラマに突入。しかも明治、じゃなくて大正の。

夫を亡くした女性に残された選択肢はそれほど多くない。でも自分が大好きだった男と再婚するという……ホントですか。まあ、そういうことにしておこうというお決まり。当時もそういうことにしておこうといろんなことがあったんでしょうね。

でも綾瀬はるかが相手だとすばらしく納得できる。納得できないのは、金栗がオリンピックのために単身赴任するあたり。あなたできますか。家を守るために(どうやらそうらしい)分限者の未亡人を迎えたのに、それを熊本において東京に向かうんですよ。

あ、それはわたしが綾瀬はるかファンだからか。

今日は畑で農作業をしながら、ある芸を思いついてしまいました。題して

「いだてんの綾瀬はるかが歌う三善英史の『雨』」

♪雨にぃ濡れながらぁたたずむ人がいるぅ ばい

♪傘の花が咲くぅ 土曜の昼下がりぃ ばい

♪やーくそくしたじーかんだけがかーらだをすり抜けるぅ ばい

……これって不倫のお話だったのかと気づく。いやそういう話じゃなくて。

四三とスヤの初夜はありえない展開になっていく。フランク・キャプラの「或る夜の出来事」だってここまで嘘くさくは。まあ、のちの展開を考えると必然だったんでしょうけど。ふたりの間にはたくさんの子どもが生まれたことが紀行で丸わかりなのが笑えます。

今回は演出もなめらかでけっこうでした。先週の馬鹿馬鹿しさは大根仁の貢献かもしれない、今回は一木正恵という人がディレクター。期待しよう。

にしても、姑という存在にこんなに大竹しのぶが似合うとは。

第16回「ベルリンの壁」につづく

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いだてん 第14回 新世界

2019-04-14 | 大河ドラマ

第13回「復活」はこちら

なんで地方選挙で大河ドラマが飛ぶんだよ……てなことをいいながらも選挙結果は微妙に面白かったですよね。投票に行かなかった人たちにはこの面白さはわかんないはず。評論家的にいろいろ語るんだろうけど。

確かに政治って薄汚いので関係したくないという気持ちはわかるけど、でも投票しないかぎり、政治に文句を言うなよって話。もったいないなあ選挙権。

さあ2週間ぶりの「いだてん」。すばらしかったですね。このドラマにはいろんな批判もあるようだけど、“世の中でいちばん面白いセリフを書く脚本家”ランキングがあるとすれば、宮藤官九郎がぶっちぎりであることを思い知らせた回だった。大竹しのぶの唯一のセリフがあれですか(笑)

小劇場系のこってりした配役もいい。岩松了が満を持して登場し、松尾スズキが森山未來を駅頭で檄を飛ばし……フラ、という落語の用語について、ついに最後まで説明しないあたりの芸も細かい。

この大河で言えば、確かに中村勘九郎にはフラが足りないかもしれない。むしろ生田斗真のほうがジャニーズなのによほど雰囲気がある。あるいは満島真之介を主役にしたら、とも考える。

でもまあ、無色の勘九郎だからこそできる役でもあるわけだ。カンクローふたりが作り上げる前半の大河は、だからとても楽しい。

前回の視聴率は8.5%とついに最低を記録した。おそらくV字回復は見こめないと思う。それでもこれからは一種のラブコメ&ホームドラマ的色彩が強くなるはずなので、お茶の間(死語)に受け入れられていくのではないでしょうか。実はわたし、シャーロット・ケイト・フォックスのファンなので、彼女の退場はさみしいんですけれども。

にしてもまさかドッジボールが他の国では廃れているとは。「次の時間はドッジボール」担任のこの言葉がうれしかったものだけどなあ。

第15回「あゝ結婚」につづく

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いだてん 第13回 復活

2019-03-31 | 大河ドラマ

第12回「太陽がいっぱい」はこちら

前回の視聴率は9.3%と上昇。ほんとに視聴率という存在はよくわからないものなのでした。朝ドラの「まんぷく」(これって今さらだけど安藤百福の名前にかけてあるんだよねきっと)は高視聴率のうちにオンエア終了。最終回の最後には安藤サクラの実の娘まで登場させるという余裕。福田靖さんは大河への再挑戦に燃えているだろう。

第一章の最終回というあつかい。金栗四三も志ん生も、最初のオリンピック、最初の高座にしくじる。そこからどう復活するかという希望を4月以降にもたせている。このシンクロぐあいはおみごと。

今回は、ポルトガルのラザロが亡くなってしまった件が大きくフューチャーされている。彼は貧しく、ポルトガルもまた王政から脱却したばかりでオリンピック選手にかける期待は大きかった。もしも金栗が“正しい道”を走っていたら、同じことになっていたのではないかという描き方。

この大河がオリンピック礼賛になっていないことを再確認。竹野内豊とシャーロット・ケイト・フォックスはこれで退場なのかな。オリンピックは若者のためのものだという主張は、若い国家にとってオリンピックが大きな効果があることを彼らが見抜いていた証左でしょう。

本来はあったであろう、志ん生に足袋屋(ピエール瀧です)が着物を仏頂面で渡すシーンがないのは仕方ないか。そのつながりで萩原健一につなげるのは無理あるけど、彼が高橋是清を演じ、その撮影が終わっていたというのは本当に幸運なことだと思う。

彼はドラマを“製作する”ことにひたすら意義を感じていた人だから、宮藤官九郎のドラマに出ることに、ある種のやりがいを感じていたことは確実だ。合掌。

そしてつくづく思う。森山未來の落語を聴いて、発奮しない落語家はいないはず。素人にここまでやられたら……。確かにあれは落語ではない。それでも“何か”があるよね。

第14回「新世界」につづく

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