藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎の御三家が亡くなり、時代劇が新しいステージに入っているとはいっても、今年は宮本昌孝の新作はなかったし(あ、検索したら二作も長篇が。でも図書館が入れてくれないと……)、どんな作家が面白いのかいまひとつ。隆慶一郎みたいな超弩級の新人が(だいぶ年とってたけどね)いきなり出てきてくれないだろうか。誰か面白い時代小説作家を教えてくれないですか。そんななか、読者に紹介された畠中恵の「しゃばけ」シリーズは大当たり。
にしても、宮本も畠中もアニメ、漫画出身。ストーリーテリングの妙が肝心の時代小説は、こっちの方面に期待することになるのかな。
さて、それでは「しゃばけ」からいくつかピックアップ。
第一作「しゃばけ」特集はこちら。
「ねこのばば」「おまけのこ」
……きゃわきゃわと動き回る小鬼(鳴家)というキャラを考えついたというだけで、この時代劇は勝利したも同然。病弱などというレベルをこえてひ弱な主人公のとぼけっぷりもいい。
彼が一種の安楽椅子探偵になり、小鬼が助手役になるミステリとしても機能。
「ぬしさまへ」
……若旦那の推理爆発のルーティンもいいが、生き別れたお兄さんのエピソードなど、泣かせる。
「ゆめつげ」
しゃばけシリーズではない。最後の最後に国家神道批判が開陳されるとは。意外に硬骨漢なのかな畠中。漢、つっても女性だけど。
「ちんぷんかん」特集につづく。
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