事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

追悼京マチ子

2019-05-14 | 芸能ネタ

京マチ子が亡くなった。ある意味、原節子以上に私生活がうかがい知れない人だった。

誰よりも画面で女という存在を主張した人。「羅生門」「地獄門」「雨月物語」という大傑作だけでなく、えーと、そうだ「華麗なる一族」の彼女がわかりやすい。セクシー女優っていう称号も似合わないくらいの人だったでしょう?

わたしは田中絹代の正反対の女性だと思ってた。

にしてもすごいな彼女は。最後には自分という存在を消しまくってたもの。芸能界に嫌気がさしていたんだろうか。

キャリアから考えればもっと持ち上げられてもいいはずなのに、彼女はそんなことに拘泥しているようにも見えなかった。わからん。

にしても、「羅生門」はみんな見てよ。こんなにトリッキーな映画はなかなかないぞ。芥川龍之介、黒澤明、三船敏郎って名前もいっしょだからいつでもレンタルできるはずです。

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「一発屋芸人列伝」 山田ルイ53世著 新潮社

2019-05-09 | 芸能ネタ

一発屋という呼称に、侮蔑の色合いはむかしより薄れていると思う。少なくとも彼らは世間を(短い間ではあるにしろ)席巻したわけだし、それだけでも素晴らしいことではないかと思う。客の側が上から目線で芸人を語る風潮は、どうにもやりきれないものがあった。

髭男爵のつっこみ役、山田ルイ53世が「新潮45」に連載したコラムをまとめたこの本は、一時期の頂から落ちた一発屋たちのその後が語られていて、これがもうむやみに面白いのだ。

登場するのはレイザーラモンHG、コウメ太夫、テツ and トモ、ジョイマン、ムーディ勝山、天津・木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー、そして髭男爵だが、それぞれについての山田の考察が鋭すぎる。

テツ and トモについては、地方営業を、つまりはドサ回りを活動の中心にしているのに身を落とした感がないのは、彼らの本質が演歌歌手だからと喝破したのにはうなったし、波田陽区が面白かった時期はなかった(笑)というのは自らも芸人だから言える話だろう。

「エンタの神様」や「爆笑!レッドカーペット」が高視聴率だったときは、ネタ芸人たちは数多く生まれ、そして消費されていった(安村のようにスキャンダルで消えていく例もあるとはいえ)。それでも現在、彼らは一発屋という称号を糧に、しっかりと生きている。

ダンディ坂野など、「ゲッツ!」ひとつで次々にCMが舞い込んでいる現状には、客の側の成熟を信じてみたくなるというものではないか。

それに、一発屋という存在のおかげで、こんなに面白い書と有能な書き手が顕在化したわけだ。ありがたいありがたい。第24回雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞。プロが、編集者が絶讃した本です。ルネッサーンス!(復活、の意)

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今月の名言2019年4月号PART5 ラジオの人

2019-05-02 | 芸能ネタ

遠藤ミチロウ  カノン

2019年月号PART4「令和の家族」はこちら

27歳の時、『セイ!ヤング』をやらせていただいた時が一番うれしかった。でも、裏にタモリさんの『オールナイトニッポン』があって…。生き残るためにバカなことをやって。そこは僕のジャンルかなと思って、ずっとやってきました。開き直ってやってきたラジオ人生でした。

……文化放送の定例社長会見に参加した吉田照美のコメント。それよりも前に、地方局向けの番組でDJをやっていた彼は、んもうダントツに面白かった。彼の名がラジオ史に残るのは必然だと思う。そしてこの会見ではTBSの荒川強啓の番組が終わってからいきなり文化放送に登場したことへの質問も相次いだ。

山形県人にとって荒川強啓は大きなアイコン。そしてもうひとつの大きなアイコンが逝った。遠藤ミチロウ。なんてことだ。山形大学出身者はみんな追悼するように。

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追悼萩原健一

2019-03-29 | 芸能ネタ

萩原健一の訃報にはいろいろと考えさせられる。

かつて「ショーケン」で特集したように、常に美女にかこまれ、そのプロデューサー体質が彼を幸福にも不幸にもした。

忘れられないシーンがあった。タイガースもテンプターズも解散し、彼らがスーパーグループ「PYG」を結成し、おそらくはその初めてのテレビ出演をわたしは見ていた。

沢田研二にはもちろん歓声が上がった。そしてつづいて登場した萩原健一には……負けずに大きな嬌声があがったのだ。そして、そのことに彼が本当に喜んでいたのが感じられたのだった。

彼だって不安だったに違いない。まもなく「太陽にほえろ!」で人気が爆発するなんて誰も予想していなかったし。

例の恐喝問題でわたしは彼への熱はさめたけれども、神代辰巳の諸作、「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」そして大河での新田義貞役と犬公方はよかったなあ。ひとつの枷を与えられたら、その中でこそむしろいきる俳優だったのではないかと今は思う。

そうか、「いだてん」の収録は終えているのか。にしても高橋是清役に彼をキャスティングするセンスはすばらしい。

うう、やっぱり寂しいな彼がいなくなるのは。

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「マツコの何が“デラックス”か?」 太田省一著 朝日新聞出版

2019-01-07 | 芸能ネタ

マツコが一時期、実家に引きこもっていたとは知らなかった。母親に徹底的に甘えることで復活した事実は、何らかの影響を彼に与えたにちがいない。

いわゆる反射神経のいい芸人と違い、マツコはじっくりと考えてから話し出すという考察にはなるほどと思う。だからこそ彼はまっとうなのだし、デラックスで居続けられるわけだし。

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今月の名言2018年12月号PART2 千円の生活

2018-12-31 | 芸能ネタ

三浦友和・山口百恵 -Kanade-

PART1「威圧するマイク」はこちら

「10万円なら10万円の、千円なら千円の生活をするだけよ」

三浦友和が女性誌の記者に語った妻の発言。俳優業がスランプで、高利のローンに苦しんでいたとき、奥さんはこう彼に宣言。自分が芸能界に復帰することでしのごうとは微塵も考えなかったらしい。

潔いなあ。三浦友和もうれしかったろう。でもわたしだってうちに帰れば山口百恵が待っているんなら、いろんなことがんばりますけどね(笑)。千円の生活でも、おそらく百恵は上手にしのいでいくのだろう。なんか、そんな気がする。

2019年1月号PART1「紅白歌合戦」につづく

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追悼樹木希林

2018-09-16 | 芸能ネタ

たった今、知りました。樹木希林が亡くなったことを。これが日本の映画界にとってどれだけの損失かはこれから次第にわかってくるだろう。とにかく、驚いています。彼女は死なないものだと思っていたので。

これだけ大きく報じられるについては、渥美清の場合はまだわかりやすかった。彼は松竹という会社を事実上「寅さん」というファンタジーの登場人物で背負っていたので、退場がドラマである以上に事件だったわけだし。

彼女の場合は微妙だ。わたしたちは彼女のことが大好きだけれど、いつの間にこうなったのだろう。「七人の孫」を見る世代ではないし、岸田森との関係も後付けで知ったわけだし、それ以前の新劇時代はおよそ把握できない。

どうしたってわたしにとっては悠木千帆時代、特に「時間ですよ」が衝撃。久世光彦と向田邦子という希代の作家によって、しかし意図的に軽くつくられたあの番組はすばらしかった。そして久世の以降の番組にとって、樹木希林の存在は不可欠なものであったろう。郷ひろみとのデュエットなど、いま思えばよくも実現できたと思う。ロックンローラーの夫への返歌だったのか。

名女優としての地位を確立したのは、わたしは見ていないので(原作で泣きすぎて見られないです)「東京タワー」なのはきっと定説になっていくんだと思います。そして以降、特に是枝裕和原田眞人という、とりわけ生意気な作家たちの作品で、毒舌を吐きながら“日本映画史上もっとも微妙に”演じきったわけだ。

だから彼女には、才能があふれている人間しか対応できない凄みがあったのだろう。久世光彦、是枝裕和、原田眞人にはその度量があったということか。

これからの映画作家にはつらい時代が来る。樹木希林というジョーカーを使う手が封じられたのだ。これはきつい。実はおれもかなり哀しい。ううう。

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追悼バート・レイノルズ

2018-09-08 | 芸能ネタ

そうか、バート・レイノルズが亡くなったのか。享年82才。イメージからして、もっと早死にするかクリント・イーストウッド以上に長生きするかだと思っていたのに。

人生山あり谷ありを地で行ったような人。ヒット作を連発するかと思えば自己破産まで。私生活も恵まれていたとはいえないようだが、多くの美女たちと楽しんだことだろう。ロバート・アルトマンの「ザ・プレイヤー」に本人役でちょいと出て、ハリウッドに皮肉をかますのが芸になっていたので、だからこそザ・ハリウッドな人でもあった。

「トランザム7000」や「キャノンボール」で稼ぎまくっていたころの彼には実はあまり興味がなくて、それ以前の「ロンゲスト・ヤード」が最も彼らしい作品だったと思う。愛人の顔をマジで殴り、刑務所に収監。憎々しい所長や看守(エディ・アルバートとエド・ローターが最高)に虐げられた彼は囚人チームを率いて……ロバート・アルドリッチの傑作なのでぜひ。

熱血なタイプに見えて、実は監督としてもシャープ。「シャーキーズ・マシン」は傑作だった。この映画にしても「ハッスル」にしても、娼婦を相手にすると彼は光り輝いた(笑)。レイチェル・ウォードやカトリーヌ・ドヌーブというチョイスもすばらしい。

彼の演技の最高峰は文句なくポール・トーマス・アンダーソンの「ブギーナイツ」。ある“才能”をもっている青年(マーク・ウォールバーグ)をスカウトしたポルノ映画監督役。ザ・ハリウッドな人という印象がここで生きる。

最晩年に至るまで作品が途切れず、生涯現役だった様子。彼の死は大々的に報じられた。大好きな人だったので、そのことが素直にうれしい。“向こう”でもがんばってねバート。

来年は、ディカプリオとブラピが共演し、タランティーノが演出するという驚愕の作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開される。はたして彼のパートは撮影されたのか、あるいは代役を立てるのか。いずれにしても、必ず見に行きます。

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髙田文夫

2018-06-14 | 芸能ネタ

高田文夫の大衆芸能図鑑」「1981年のビートたけし TOKYO芸能帖」と、高田文夫の著作をつづけて読んだのでご紹介。この人の(特に関東の)芸能への愛着はたいへんなもので、年齢を重ね、病気にもなり、彼がこう考えているのがわかる。

「おれの経験をできるだけ遺しておきたい」

後進の放送作家や芸人たちへの愛情が著作からあふれるほど感じとれる。もちろん、笑いにコーティングしてあるのがこの人らしいところ。いい味だしてるエピソードがいっぱい。

・ハガキ職人といえばその昔、テレビ番組になる前、ニッポン放送で「欽ドン!」(萩本欽一)をやっている頃、とぼけてハガキで投稿していたのが永六輔。何回か採用されていた。

・「私が人生で一番嬉しかったことは……オールナイトの“村田英雄”コーナーで私のハガキが高田センセーに選ばれて、賞品のムッチートレーナーが青森の家に届いたこと」雑誌の対談でナンシー関

・(伝説のヤクザ)花形の千本ノックを受けた我ら“少年シャークス”は渋谷松濤の“ジャニーズ”と対戦した。この野球チームが数年後、芸能界入りした元祖ジャニーズとなる。あおい輝彦らである。野球チームには子供時代の井上順もいたと記憶。

・2016年に両国国技館で相撲を観てたら、若い女の子に声をかけられた。

「私、(キャンディーズの)ミキの娘です」

・NHK「こども面白館」を立ち上げるのはいいが、生対応できるレポーターはいるんだろうか。すでに数百人のタレントと会ったが、アドリブで喋れるのは……?そんな中に一人、とびっきり反応のいいのがいた。その娘は、ついこの前まで“あゆ朱美”といっていた歌手で、今は戸田恵子と名乗っている。

……こんなあふれるエピソードが彼の芸の基礎になっている。すばらしい。

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追悼マーゴット・キダー

2018-05-18 | 芸能ネタ

そうか西城秀樹が亡くなったのか。新御三家の方が先に欠けていくとは。

二十代のころ、職場の先輩と話していて

「で、御三家のなかでは誰が好きだったんですか?」

と尋ねたことがあった。この人はきっと野口五郎かなあとか予想して。

「あたし?舟木一夫」

御三家が違う(笑)

わたしにとって哀しかったのはマーゴット・キダーの訃報。B級映画の華だった彼女が、一気にメジャーになったのはもちろん「スーパーマン」におけるロイス・レイン役。禁を犯して地球を逆回転させるくらいにクラーク・ケントは彼女を愛した。わかる。わたしも、彼女が大好きでした。

そうか、わたしたちは今、クリストファー・リーヴもマーゴット・キダーもいない世に住んでいる。誰も地球を逆回転させてはくれない。

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