予想する、つってもなあ。ほんとうなら今ごろ映画館では「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が上映され、出来はどうあれ観客を集めまくっていたはず。次第に興行収入が低下したといっても前作は百億近く稼いでいたのだから。
今年の洋画トップ「レッドクリフ」でも50億どまりだからハリーは映画界の希望の少年。ところが、配給のワーナーが今年の「ダークナイト」大ヒットの夢よもう一度と、公開予定を11月22日から来年の7月に延期してしまったのである。大騒動。
あわてふためいた日本支社は代替作品を急きょ用意することになった。で、決定したのがリドリー(エイリアン)スコットが監督し、ディカプリオとラッセル・クロウが主演する「ボディ・オブ・ライズ」……誰もハリポタの代わりになるとは思っちゃいない。
※「ボディ・オブ・ライズ」はなぜか「ワールド・オブ・ライズ」に邦題変更。意味わからん。
興行収入だけ考えれば全世界(アメリカではさほどでもないが)でバカヒットしている007の新作「慰めの報酬」しかないだろうと思うのだがこちらはソニー。素人にはうかがい知れないオトナの事情でもあるのか、こちらは正月第二弾から動く気配もない。かといってアメリカで旋風をまきおこしている「トワイライト~初恋」は、日本では原作の認知度ゼロだから期待はできないもんね。結果として今年の正月興行はその「ボディ~」と「地球が静止する日」(キアヌ・リーブス)、そして「WALL・E / ウォーリー」(ピクサーのCGアニメ)が洋画代表。地味だー。
対して邦画はパニックもの「252 / 生存者あり」と「私は貝になりたい」、そして「K-20 怪人二十面相・伝」「ゲゲゲの鬼太郎」「特命係長 只野仁」……いやはや。「252」は出来が壮絶に悪いらしいし、他のもなあ。唯一「三丁目の夕日」のスタッフが金城武を起用した(ってことは「リターナー」の雰囲気かな)「怪人~」が期待できるぐらいだ。去年の正月興行を制したのが愚作「アイ・アム・レジェンド」だった悪夢がまたしても。こりゃ、とても期待できる正月ではない。
洋画の低迷が今年の映画界最大のニュースだった。シネコンの隆盛によって器はできても、肝心の作品がこんな状態では、邦画もふくめて復調はまだまだだろう。本気で心配してるのよ。ってことで今年はわたし「WALL・E/ウォーリー」と「怪人二十面相・伝」を観て、あとは寝正月っす。第一弾は「WALL・E/ウォーリー」以外はいずれも三十億に届かず、結局は「慰めの報酬」が制すると予想!