事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2020年10月号PART5 鬼滅現象

2020-10-30 | アニメ・コミック・ゲーム

Pointer Sisters - Fire (official video)

PART4「ボスの予言」はこちら

The movie had the biggest opening in the world last weekend ― more than all other countries combined

(その週末の他の国での興行記録を全て合わせたものをも上回った)

……もちろん、鬼滅の刃の大ヒットを報じたニューヨークタイムズの記事より。

最初の週末で46億。次の週末もそのおよそ9割をキープ。これは驚異的だ。一日に40数回上映するシネコンが登場するとか、興行成績それ自体がニュースになるとか、この作品をめぐる騒ぎはまだまだおさまりそうにない。

わたしは最初、160億円あたりかと予想したけれども、どうやらそんなラインは軽々と超えそうだ。なにしろライバルが登場しないのだから強い。

10月という、業界ではあまり恵まれているとは言いにくい時期に公開されてこの数字。正月までブームが続いているとすれば、200億円台の後半まで伸びるかもしれない(300億とまではまだ怖くて言えません)。

本日の1曲はファイアのポインターシスターズのバージョン。大好き。んで、世の中にはオリビア・ハッセーとエッチする男もいるんだよなあと思っていたら、なんとおなじみの人でした(笑)。あれには驚いたなあ。

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「ガルム・ウォーズ」Garm Wars: Th Last Druid

2020-10-23 | アニメ・コミック・ゲーム

「ついまた借りちゃったよー。見る?」

息子がDVDを持ってくる。「機動警察パトレイバー2 the Movie」見るに決まってる。オープニングの野戦からラストの「なぜ自決しなかった!」まで、あれほど映画的興奮にみちた作品はめったにない。

OVA版も含めて、特車二課の物語を絶妙に語った監督の押井守は、しかしどうにも頭でっかちな作品も多く、客の立場から言わせてもらえば、当たりはずれの大きい人だ。

まあ、この人の本音は「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は自分の好きなようにようやくやらせてもらったから出来た作品だというし、ラムよりもしのぶが好きで(わたしもそうです)、パトレイバーは後藤隊長の話だというのも納得。

世界の半分を怒らせる」などの押井の著作(そのシニカルさにはたじろぐ)を読むと、この「ガルム・ウォーズ」の製作は苦難の連続だった様子。

CGと実写の融合はやはり金食い虫。自分の意図するものの何%を実現できたかは知る由もないが、押井と客の双方にフラストレーションがたまる結果になったように思う。

部族間闘争の果てに、次第に戦い専用の身体をもつようになった惑星アンヌーンの住人たち。男女三人で創造主のいる聖地に向かうが、そこで待っていたのは……

クローン戦士たちのバトルがど派手に描かれているうちは(メカデザインのみごとさもあって)最高なのだが、なにやら小難しい神学論争的やりとりがつづくと……

「エイリアン2」のビショップ役が印象深いランス・ヘンリクセンが重要な役で登場。ヒロインのメラニー・サンピエールも魅力的。こういうキャスティングのセンスもさすがなんだけどなあ。

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「氷菓」(2012 神山高校古典部OB会)

2020-06-06 | アニメ・コミック・ゲーム

米澤穂信の古典部シリーズのアニメ化。実写映画化された「氷菓」が理不尽なくらいにぼろくそに言われたのは、きっとこのアニメと比較されたからかも。

わたしはアニメファンというわけではないので、現在のアニメ(もっとも、この作品はだいぶ前のものだが)のメインストリームがどのあたりにあるのかはよくわからない。

愛くるしい女性キャラが際立つこのアニメが主流だとすれば、なるほど広瀬アリスが妙に艶めかしかった実写版とは相容れなかったかもしれない。わたしは糸魚川先生が斉藤由貴だっただけでうれしかったけどね。

にしてもそんな美少女キャラふたりを、エンドクレジットでまるでAVのような配置をするあたり、かなり趣味的なアニメ。うん、やっぱり王道を歩んでいるんでしょう(後半はミステリの名作タイトルがすごい勢いで流れる。全部は追い切れませんでした)。

原作の第一作「氷菓」から第四作「遠まわりする雛」までを網羅。省エネ主義の、運がいいだけで(と本人は主張する)事件を解決する名探偵折木奉太郎と、いつもはおしとやかなのに日常の謎に

「わたし、気になります!」

と覚醒する美少女、千反田えるが中心のお話。目が紫色に輝くえるの人気が爆発したのも無理はない。

原作の展開と同様に、初めはシリアスに、途中でコメディ色が強くなり、次第にふたりの恋愛が中心になっていく。もちろんミステリとしての面白さは折り紙付き。心憎いばかりだ。

しかも、絵が異様に美しい。これが製作した京都アニメーションという会社の最大の特徴らしい。DVDには特典映像としてロケハンの様子が入っていて、米澤穂信の生地である飛騨高山を徹底して取材している。ていねいな仕事をしているんだなあと感服。

しかし、同時に少しもの悲しくもなる。なぜなら、その映像にいた演出の武本康弘たちが、あの事件のために焼死したことをどうしても意識してしまうから……。

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「アナと雪の女王2」Frozen II (2019 ディズニー)

2020-01-06 | アニメ・コミック・ゲーム

「伍長、お久しぶりです。出番です。」

「え、またディズニー映画をあいつは観たのか。いい年こいてもう」

スター・ウォーズのときに呼ばれなかっただけいいじゃないですか」

「でもアナ雪だぞ。あれ、おっさんがひとりで観るのって法律で禁止されてないか」

U-55映画ですか。でも確かに子どもが多かったですよね。」

「となりは帰省中のお孫さんを連れてきたおばあちゃん。孫の標準語に必死で合わせてるのが笑えたな。」

「おじいちゃんも来ればよかったのに、ってのに、あの人は買い物にも付き合えない人だからって解説してたのにしみじみ……じゃなくて映画の話です!いかがでしたか」

前作から6年たって、おれシニア料金で観れるようになったんだよ。1100円でこれだけのものを見せてもらっていいのかと思ったな」

「宮崎駿が手書きにこだわったポニョとは真逆に、ひたすら水、波、氷、雪とかがリアルですもんね。金かかってるなあ」

「特にあの水の馬。映画と馬は初手から相性がいいんだけど、ここまでやられるとな」

「トナカイの大群もいい感じでした」

「うん。でもこれホントに子ども向けなのかって話だよな。妹は相変わらずやんちゃなんだけど、姉がどんどん……」

「ですよね。最後にあそこまで行くと、次つくるのたいへんでしょう」

「よほどこの続編をつくるのだって大変だったんだろ。これで終わり!って強調してる(笑)。でもまた大ヒットだからなあ。曲もすばらしかったし。今回はケルト調ね」

「にしても」

「だよな」

吉田羊って歌うまいんですねええええ!」

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「ライオン・キング」 The Lion King (2019 ディズニー)

2019-08-19 | アニメ・コミック・ゲーム

 

「伍長!」

「誰だその伍長というのは」

「なに言ってんすか。Facebookにおけるあなたのキャラじゃないですか。伍長とその部下シリーズ。今回はブログ版に出張だと聞いて来たんですが」

「うわ。めんどくさいことやってんなあ」

「ということでライオン・キングです」

「最初に言っとくけど、わしはオリジナルのアニメ見てないから」

「おや、そりゃまたなんで」

「うーん、あの頃のディズニーのことをあまり信用してなかったのと、なによりわしは劇団四季が大嫌いだし」

「?」

「ほら、浅利慶太って存在がどうにも」

「作品に罪はないけどなあ。で、今回の超実写版はいかがでした」

「『アイアンマン』の、というより『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』のジョン・ファヴローの新作だと思えばよかったんだよな。ストーリーは貴種流離譚そのもの。故郷を放逐された主人公が、成長して帰ってくると。ジャングル大帝の盗作云々はあまり気にしなくていいみたい」

「映像はすごかったですよね。オープニングに叩きつけられる太陽とか、カブトムシを捕まえられない子ライオンとか。どこまで微細に描けるんだと」

「シンバ(主人公)がまだ赤ちゃんだったときの可愛さは、全世界の猫好きがため息ついただろう。わしもノックアウトをくらったぞい。名曲『ライオンは寝ている』の使い方もいい」

「ただ、吹替版の佐藤二朗のコメディリリーフは笑えるにしても、やはりここはビヨンセジェームズ・アール・ジョーンズセス・ローゲンの字幕版の方が……」

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「天気の子」Weathering With You(2019 東宝)

2019-08-05 | アニメ・コミック・ゲーム

この映画の主人公の少年は、ラスト近くにある決断をする。そのことで批判を受けるのではと新海誠をはじめとした作り手は身構えているようだけれど、わたしは支持します。

前作「君の名は。」は超がつくほどの大ヒット。ジブリがローテーションから外れ、夏休みの東宝アニメ戦略に狂いが生じた2016年。細田守作品だけでは心許ない……そこへ登場したのがあのとんでもない作品だ。

確かに良質のアニメだったが、噂が噂を呼び、雪だるま式に騒ぎは大きくなり、そして興収250億という誰も想像もしていなかった地点へ。東宝にとってこれほどの福音はなかったはず。

で、新作。誰もまた250億稼ぐとは期待していないだろうが(いや、油断はできない)、わたしはとても満足した。

主人公は“島”から家出した少年。新宿で窮した彼を救ったのはフリーライターの須賀(声があの人だったとは最後まで気づきませんでした)。オカルト系のネタを追いかけるなかで、彼らは“100%晴れ女”なる女性と出会う。彼女は確かに天気をコントロールできるが、その代償として……

前作の成功が、新海を追いこむのではなく、むしろ余裕を与えているようだ。そうでもなければジブリを思い切り意識した声優の選択(倍賞千恵子島本須美)や、前作と同様のセリフ(「あんたあたしの胸見たでしょ」)はなかなか(笑)。

そして例によって画像の美しさは圧倒的。おそらくは製作費も大幅に増額されただろうし(時間的には追いまくられただろうが)、延々と続く雨の描写と、徹底して東京、とりわけ新宿から代々木にかけてを微細に描いていてすばらしい。

子どもの観客など最初から無視して、発砲やラブホテル、そしてヒロインの裸体を盛大に提供してくれるのもおじさんうれしいです。故郷の島が、単に息苦しいだけという見切りも、実はリスキーだったろう。主人公の家族は一瞬たりとも登場しない。正解だと思う。

さて、公開直前に“あの事件”があったことは、このアニメにどう影響するだろう。感情移入できるポイントは数多く用意されているが、ガソリンの携行缶をもって火をつけるだけの男に、東京を沈める覚悟などあろうはずもなかっただろうが。

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「トイ・ストーリー4」Toy Story 4 (ディズニー=ピクサー)

2019-07-12 | アニメ・コミック・ゲーム

あの地震以来、ほぼ1ヶ月イオンシネマ三川は営業をストップ。いったいどうなっているのかと営業再開の本日、さっそく行ってまいりました。ほんと野次馬。

もぎりのお姉さんがいきなり

「あの、まだ館内のトイレが使えないんで」

「え」

スクリーンが使えるのは1と2だけでした。大変だったんだなあ。全面的な営業再開はいつになることやら。

さて「トイ・ストーリー4」。大ヒットはしているものの興行成績は予想を下回っているらしい。それ、わかるんだよね。思えば「トイ・ストーリー3」は完璧な作品で、あのラストに泣けない人はいないでしょ?子どものための存在であるおもちゃが、かくて新しい世代に引き継がれるというエンディングはすばらしかった。泣いた泣いた。だからあれの続篇と言われてもねえ。

いやはや、今回も凄かった。こうまで泣かせるか。徹底的に練り込んだ脚本がまずピクサーには伝統としてあるわけで(まあ、ジョン・ラセターのセクハラ問題で揺れ動きはしたが)、教条主義的なところもあったウッディ(唐沢寿明)と、ポースリン(磁器)製で脆いのかと思っていたボー・ピープ(戸田恵子)のラブストーリーが……。

タイトルが「人形のお話」であることの重みがきっちり。1作目が公開されてからもう25年がたっている。次の、そしてその次の世代まで語り継がれるべきシリーズ。ほんとハンカチはお忘れなく。タオル地がおすすめです。

あ、それから人形には“怖い”という側面があることもこの新作はみごとに。腹話術の人形の不気味さに意識的なあなたなら、なお楽しめるはずですよ。

使い捨てのフォーク製なのでゴミ箱に行きたがるキャラとか、身体が欠けることを意に介さないヒロインとか、これって精神科医たちにとって最高のテキストにもなるんじゃないですか。

ウッディはあるものを失い、そしてあるものを得る。感動。

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「名探偵ピカチュウ」Pokémon Detective Pikachu (2019 東宝=WB)

2019-05-16 | アニメ・コミック・ゲーム

Carry On (from the Original Motion Picture "POKÉMON Detective Pikachu") (Official Video)

おっとぉ、いきなりミュウツーか。ラボから逃げ出した破壊神は空を飛び、高速で走行するクルマを……おお、夜空に輝くミュウツーの軌跡は、まるで平成ガメラのよう。わくわくする。

ゲームのポケットモンスターは、やりましたよわたしも。ゲームボーイで初代の赤・緑の時代。モノクロの小さな画面にいいオトナが熱中。

やがてテレ東でアニメ化(エンディングテーマが江崎とし子さんだった凄み)、派生した東宝の映画化作品も大ヒット。子連れで何度も見に行きました。きちんとしたオチも用意してあって、オトナもちゃんと楽しめるようになってた。そしてPokemon GOでふたたび人気が爆発。かくしてハリウッドで実写映画化という運びだろうか。

ただ、オリジナルのようにモンスターを収集したり、バトルをセットする設定だったら、はたして映画館まで出かけたろうか。それがなんとミステリというジャンルで勝負をかけてきたのはうれしかった。
ピカチュウが鹿撃ち帽(シャーロックハット)をかぶっている絵だけでご飯三杯はいただけます。主人公が熱血少年ではなくて、厭世的な保険査定員という設定なのもいい。

そして、人間とポケモンが共生するライムシティの映像がすばらしい。CGの進歩はここまで来たのか。とか冷静ぶって語ってますが、とにかくピカチュウがめちゃめちゃにかわいいのだ!

ライアン・レイノルズ(吹替版は西島秀俊)のオッサン声でありながら(そうでなけばならなかったのだが)、ふわふわの毛並み、つぶらな瞳で主人公にまとわりつく。うううかわいい。

予想以上にオトナ向けの作品(なんとビル・ナイが共演している!)。ただ、お子さんを連れて行くのはリスク高いですよ。絶対に帰りにピカチュウのぬいぐるみを買わされますから。

それからこちらもエンディングに流れるCarry Onという曲が素敵。そのあとに流れるEXILE系が邪魔。実はあるアニメ作品にストーリーはそっくりなんだけど、それはまあいいじゃん。

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「スパイダーマン:スパイダーバース」Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018 SONY)

2019-03-15 | アニメ・コミック・ゲーム

とにかく誰も彼もがこのアニメ版スパイダーマンを絶讃している。

アカデミー賞のアニメーション部門にしてもピクサーの「インクレディブル・ファミリー」ウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」(これ、観たいんだ)6年連続受賞中のディズニー「シュガーラッシュ・オンライン」そしてわれらが細田守の「未来のミライ」という強力な候補が並びながら、今年はこの「スパイダーマン:スパイダーバース」で決まりだろうという予想。

で、その鉄板予想どおりに受賞している。

こういう情報にアニメオタクほど敏感な奴らはいないわけで、平日のお昼なのにソラリスにはそれ系の連中が集合してました。お前ら学業や仕事はどうした!……わざわざ酒田から雪の中を山形までやってきた学校事務職員だけはそんなことはいえない。

話は製作のフィル・ロード&クリス・ミラーが「ハン・ソロ」の監督を降板させられたことに始まる。代わりに監督したロン・ハワードによれば、「ふたりは少しコメディ寄りすぎる作品をつくろうとしていた」とのこと。観たかったなそれ(笑)。

傷心のふたりは、SONYが企画していたスパイダーマンのアニメバージョンに参加。しかしわたしはどうもこの企画は期待できないなと思っていた。いくらなんでもまたスパイダーマンかよ。サム・ライミ版アメイジング版、そしてホームカミングヴェノムと、スパイダーマンでしか稼げないのか、いくらなんでもつくりすぎでしょ。

びっくりした。

周到な脚本(これまでの諸作へのリスペクトとおちょくりが満載。特にメイおばさんが最高)と、圧倒的な絵の質感。3Dで観たら酔ってしまったのではないかと思うくらい。特にスニーカーの紐を意図的に結ばない主人公がスパイダーマンとして覚醒してからの躍動はすごい。SONYが公開前から続篇の製作を決めたのがよくわかる。もっとスパイダーマンをつくれSONY!

 

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「漫画のすごい思想」 四方田犬彦著 潮出版社

2018-09-21 | アニメ・コミック・ゲーム

漫画研究者としても知られる四方田犬彦の、あくまで極私的な漫画史、という体裁になっている。いかに「ガロ」「COM」という雑誌が漫画というメディアにおいて大きな存在だったかが痛切に感じられる。

あ、お若い読者はこの漫画誌を知らないか。ほら、朝ドラ「ゲゲゲの女房」で村上弘明が演じた深沢さんという人物がいたでしょう?彼が「ガロ」の発行人、長井勝一のモデルなんです。

ついでにいうと、斎藤工が演じた小峰がつげ義春。「COM」は手塚治虫の肝いりで始まった雑誌で、岡田史子、あだち充、やまだ紫らを輩出。

佐々木マキ(わたしは村上春樹の本でしかなじみがない)から岡崎京子に至る漫画界のイノベーターたち。その多くが悲惨な末路をたどっていることにたじろぐ。前衛の表現者とはそんなものなのだろうか。

ガロという雑誌が、白土三平の「カムイ伝」を連載するためにまずあり(COMは火の鳥を連載するため)、また、つげ義春という存在が圧倒的であったことが、良くも悪しくも日本の漫画の方向性を決定づけたことが理解できる。

思想的、政治的であることと、逆に日常的、微温的エッセイまで描くメディアに育ったのは、やはり白土三平とつげ義春によるところが大きい。

COMは、手塚治虫の影響が強く、あのスマートな描線を多くの作家が維持しているあたり、やはり雑誌の色というものは(のちの少年ジャンプをふくめて)あるんだなあと納得。

そして今、ガロは分裂し、COMも存在しない。日本の漫画の前衛は、どこにあるんだろう。

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