事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

軍師官兵衛 第四十八話 「天下動乱」

2014-11-30 | テレビ番組

第四十七話「如水謀る」はこちら

前回の視聴率は予想よりも低く、15.4%にとどまった。ほとんどすべてのドラマが視聴率を下げたわけで(ドクターXをのぞく)、先週は東京になんかあったんすか。にしても、バラエティのトップテンがすべて日テレという状況は異常だ。

今回は、家康の挑発についに三成がのり、東VS西の構図が確定する経緯が描かれた。かの有名な(というかわたしは今年知ったんですけど)小山の評定で福島正則が「内府殿につく!」と宣言したのは家康と長政の調略のおかげという設定。

煮干しをかじり、鷹狩りで運動不足を解消し、ひたすら人心の掌握に血道を上げる家康。

常日頃から倹約につとめ(ここで黒田家の伝統が生きる)、ここぞというときに財産を放出し、何を考えているかわからないものだから「赤子の血をすする」とまで噂された官兵衛。

この、よく考えれば嫌味な連中と戦う三成は、ただひたすら計数に明るい能吏にすぎなかったかもしれないし、長政はピュアなロマンチストだ。だけれども狸と狐にも計算違いはあったわけで……

光と榮の大阪脱出行が前半の山場。ここまでの冒険をともにすれば、嫁と姑は意気投合するわな。

黒田節のもととなった名槍日本号をふりまわす太兵衛も笑えるが、「嫁御はもっと若いはずでは」と、(榮のふりをしている)自分の妻が老けていると指摘されて苦り切る善助も笑える。久しぶりに福島リラがしっかりフューチャーされてうれしかったっす。こんなコントっぽい芝居だったのもかえってうれしい。っていうか、福島リラって老けメイク無理ですよね。あまりに個性的なルックスで。

コントはまだつづく。小早川秀秋が、おねに「どちらにつけばいいのでしょう」と無邪気に質問。そりゃ、この人に尋ねたら……

さて、残り2回か。総選挙のせいで一週オンエアが飛ぶのだとか。あまり現実とシンクロさせて、第三極はしんどいかーとか考えるのはやめときましょうね。

画像は、近ごろ気になる映画には彼女が必ず出ているのでひたすら感心。二階堂ふみと関ジャニの渋谷すばる(好きです)が主演し、山下敦弘が監督する「味園ユニバース」

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今月の名言 2014年11月号PART2 劇的に失敗する政治

2014-11-29 | 国際・政治

Star Wars: Episode VII - The Force Awakens Official Teaser Trailer #1 (2015) - J.J. Abrams Movie HD

PART1「一夜城」はこちら

近ごろ話題の朝日新聞において、あの秋山惣一郎記者があの内田樹にインタビュー。傑作だったのでちょっと紹介。

◆――理想を高らかにうたうのは大切だと思いますが、成熟した大人にとって、現実的な議論とは言えないのではないでしょうか。

「それのどこが『大人の態度』なんです? 人間は理想を掲げ、現実と理想を折り合わせることで集団を統合してきた。到達すべき理想がなければ現実をどう設計したらいいかわかるはずがない。それとも何ですか? あなたはいまここにある現実がすべてであり、いま金をもっている人間、いま権力を持っている人間が『現実的な人間』であり、いま金のない人間、権力のない人間は現実の理解に失敗しているせいでそうなっているのだから、黙って彼らに従うべきだと、そう言うのですか」

――理想を語らず、目先の金。嫌な世の中になりました。

時間のかかる議論を『決められない』と罵倒してきたのは、あなた方メディアでしょう。『決められない政治』をなじり、『待ったなし』と煽ったせいで、有権者は独裁的に物事を決めていく安倍さんを『決断力がある』と見なして好感を持った。合意形成に時間がかかる民主制より、独裁的な方が政策決定の効率はいい。そう思うようになった。それならもう国会なんか要らない。安倍さんがどれほど失政をしようと『劇的に失敗する政治』の方が『決められない政治』よりましだ、そういうニヒリズムが蔓延しています」

……菅直人元首相をクソミソにけなし、原発推進に一生懸命な、朝日には珍しい秋山記者も、さすがにたじたじというところか。


◆誰のおかげで教育委員でいられるのか

大阪府の中原徹教育長が、教育委員の立川さおり氏に向けて発したとされている発言。類は友を呼ぶというが、前知事肝いりの人事、あるいは民間人校長登用など、これこそ『劇的に失敗する政治』そのものではないか。

ついに「STAR WARS」新作の予告篇公開。エイブラムスの商売にのせられてはいかん、と思いつつも、ああ早く観たい。来年の12月まで、とにかく死ねないなあ。

2014年12月号「賭場(とば)」につづく

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今月の名言 2014年11月号PART1 一夜城

2014-11-28 | 受験・学校

Lady Antebellum - Need You Now

2014年10月号「おとなのけんか」はこちら

11月は名言がことのほか多かった。ということで二号にわたって特集します。

◆そもそも教職員には「御上意識」が根強いように思われる。なぜ学校に行くことを「登校」と言い、学校から帰ることを「下校」と呼ぶのか。学校は、あたかも藩士が「登城」「下城」する城のようではないか。御上意識が強い校長だと、保護者たちの声に耳を傾けず、「学校王国」を一夜城のように築く。
内外教育11月18日号「コミュニティスクールの義務化を」より

……あ、と思わされました。この観点から考えれば“不登校”という言葉に違った色彩が感じられませんか。もちろんコミュニティスクールという存在には賛否はあるだろうけれど、否定する論拠が御上意識に発していないかは検証すべきだと思う。

◆「とにかく抜かすことしか考えていなかった」
 AKBには暗いんだけど、チームの一員が静岡県中学駅伝で区間2位の走りをみせたそうだ。で、男子で区間賞をとった選手がこう発言。静岡では「抜く」を「抜かす」と表現するんだろうか。なんか、かわいいぞ。

◆「我々の祖先は無謀なことをアイヌの人にやってきてはいない。自虐的な歴史を植え付けるのはいかがなものか」
 北海道議会決算特別委員会における小野寺秀(まさる)議員の発言。近ごろ流行りの自虐史観をぶっとばせの一環か。この人は他にも「アイヌ民族が先住民族かどうかには疑念がある」などと言いたい放題である。こうした発言が、ある程度効果的であることが残念ながら近ごろあらわになっているわけで、どうにも息苦しいことではある。

PART2「劇的に失敗する政治」につづく

本日の一曲は、カントリー界のバービーボーイズ(笑)、レディ・アンテベラムの「Need You Now」

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「スノーピアサー」Snowpiercer 설국열차 (2013 KADOKAWA)

2014-11-27 | 洋画

「殺人の追憶」「グエムル」などのポン・ジュノがいたるところから金をかき集めて製作。キャストがすごい。

「キャプテン・アメリカ」のクリス・エバンス(ひげ面なのでよくわからない)

ティルダ・スウィントン(入れ歯をしているのでよくわからない)

ジョン・ハート(暗がりから出てこないのでよくわからない)

ソン・ガンホ(髪が長すぎてよくわからない)

……という具合に贅沢な使い方(笑)。しかもラストにはあの人が。

ストーリーはかなり無茶で、地球温暖化を一発で解決すると先進国が散布した冷却剤によって一気に氷河期のようになってしまった地球。生物は死に絶え、生き残ったわずかな人類はスノーピアサー(雪を貫くもの)と呼ばれる列車で無限の旅行をつづけている。

列車の最後尾には虐げられた貧民。先頭には指導者と富裕層というわかりやすい構図。ある過去をもった人物が、先頭にあるエンジンを奪取する計画を立てる。その結果……

「グエムル」同じように、かなり政治的。あちらは怪物をアメリカの象徴に仕立てていたが、こちらは階級社会を横にして見せたところに新味がある。
そしてまたオチが用意してあって、これを“楽しむ”にはかなりの体力が必要かと。わたしは近ごろ心身が不調なので、これはちょっときついかなー。

しかし、「グエムル」の女の子がすっかり大人になって新世界の希望の星になるあたり、ポン・ジュノは客を忘れたわけじゃないみたい。ホッ。

 

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日本の警察 その71 「うちのホンカン」

2014-11-26 | 日本の警察

その70「レディ・ジョーカー」はこちら

倉本聰がNHK大河ドラマ「勝海舟」を(いろんな事情があって)降板し、北海道に逃避して書かれた物語。子煩悩で愛妻家でありながら、昔気質であるためにうまくそのことを表現できない警察官。ほのぼのとしたホームドラマを想像させる設定でありながら、背景のせいかとてももの悲しい印象が強い。


警電の対応、道路封鎖など、地方の警官の地道な日常がていねいに描かれていてすばらしい。タクシーの運転手との会話で、当時(70年代後期)の警察官の定年が57才だと知ってしみじみ。昇進試験に何度チャレンジしても落ちてしまう経緯など、なるほど警察。

主役は大滝秀治と八千草薫。大滝の演技はもちろんすばらしいが、内弁慶な彼を叱咤する奥さん役の八千草薫がとにかくかわいい!

「あたしね、思うのね、そういうのよくないと思うんだ?」

倉本口調は桃井かおりよりも先に八千草さんが完成させていたんだなあ。脇役に蟹江敬三、中条静夫、室田日出男などが出ていてなおしみじみ。それを含めて、八千草薫さんって、いつから年を取ることをやめたんだろう。驚異。

その72「ストロベリーナイト」につづく

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「死霊のはらわた」 The Evil Dead (1981 ヘラルド)

2014-11-25 | 港座

そうかそうかこういう映画だったのか。そりゃ、カルトとして賞揚されるわけだ。サム・ライミ(同学年)がこの作品でやっているのは、ホラー、というか恐怖の批評だ。そこはかとなく仕込まれるユーモアはその証明でもあるだろう。

常に床下から冷静にモンスターがなりゆきを眺めているという設定こそ、恐怖映画の神髄だと悟っているみたい。いやー笑った。

それにしても、この監督をビッグバジェット作品「スパイダーマン」に起用するというのは大ギャンブルよね。そんなバクチが成立するんだから映画というのは本当に面白いメディアだなあ。

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雪国の作法2014秋 雪囲い

2014-11-24 | 日記

「タデボギ」

「ヨゴダ」

「スジカイ」

「アミフ」

およそ日本語とは思えないような符牒が飛び交う世界。それが雪囲い。中高年オヤジたちがひーこらやっていると、通りがかりのおばさんが

「まだ来年の春、ほごすなさのー(解体するのにねぇ)」

これほど労働意欲を減退させるセリフをわたしは知りません(T_T)

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黒田官兵衛 第四十七話「如水謀る」

2014-11-23 | テレビ番組

寺尾聰 ルビーの指輪 (2000年)

第四十六話「家康動く」はこちら

前回の視聴率は16.4%と怖いぐらいに的中。さて今回は、如水が

「隠居の身でござる」

という手札をさらしまくって、その実いろいろと動くお話。息子はたまらなかったろう(笑)。ただ、誰にも気を払う必要がないなかで策謀する官兵衛は、妻から「子どものような」と揶揄されるぐらいに楽しそうだ。確かに、彼は常に抑圧されたなかでしかその知恵を働かせる場がなかった。

これから関ヶ原への途が一気に。三成には官兵衛がある種のヒントを与えた展開になっている。ただねえ、これはネタバレになるようだけど、家康の奸智も無限ではなくて、三成が勝つ可能性は大きかったし、でなくても官兵衛が一筆書きのように天下をかっさらう策もありあり。安国寺恵瓊らの末路を考えれば、黒田家の選択は満点に近い。だけど……

わたしがわからないのは、じゃあ“家康でよかったのか”ですよね。

・もしも織田信長にもっと人間的な幅があれば、

・秀吉とおねの間に子どもがもっと早く生まれていれば、

・豊臣秀長が長生きしていれば、

・石田三成にもっと人望があれば

……歴史にはこんなイフがたーくさんある。それをふまえて、家康でよかったのか。

わたし、実は家康ファンなのでそれでよかったと思ってるんです。極端な農本主義に引き戻したとの批判もあります。でも少なくとも信長=秀吉ラインで突っ走って、はたしてどんな利点が?ここは考えどころでしょう。

今日はもっと重要な指摘が。糸のお付きの者が、やさしい姑だったからこそ姫は苦しんだのだと。ここを掘り下げると「マッサン」における泉ピン子が出てくるので深追いはしますまい(笑)

あと3回ですか。うーん、今回も16%台かな。剃髪してからの岡田准一が、やけに魅力的なのでもっと続いてほしい気も。

今回も寺尾聰とばしてました。で、もはや彼がこういう人物であったことを知らない世代も増えているんだろうということで「ルビーの指環」。しっかしすげーバックをそろえたなー。

第四十八話「天下動乱」につづく

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「ザ・ディープ」 Djúpið (2012 アイスランド)

2014-11-22 | 洋画

ということで「ハード・ラッシュ」を撮り終えたコルマキュルは、アイスランドに一度もどって自国資本で映画を撮っている。それが「ザ・ディープ」。

わたしの世代だと、このタイトルを聞けばジャクリーン・ビセットが豊かな胸を海中で揺らした能天気な映画を思い出す。でもこちらは思い切りハードだ。

妙にのっそりした(伏線)船員の地味な日常がまず語られる。常に二日酔い、常に煙草をふかすことは世界共通の船乗りたち。いつもどおりに近海に漁に出るが、ウインチが故障してしまい、船員たちは極寒の海に投げ出される。

「あ、アイスランドって英語圏じゃないんだ」わたしはほんとにアイスランドのことを何にも知りません。実はこの国は日本との共通点がたくさんある。火山国であること、島国であることで他国の干渉を(デンマークなどからの支配期をのぞき)うけなかったこと、バブルに浮かれて国家経済が破綻寸前まで行ったこと、そして独自の言語と文化を守っていること。

他の船員がみな凍えて死んだのに、主人公のグッリだけは海中を漂い、陸地をめざす。海水温4度で生き続けていることすら奇跡。

彼の心のなかには、小さいころにあった火山の噴火の情景や、波間にうかぶカモメとの交流があり、そして空のオーロラを見ながら「ローンを残したまま死にたくない。ちゃんとした生活をしたい」と願い続ける。そして陸地が見え始め……ここからの展開は予想外でした。

途中でそうじゃないかなあと思ったんだけど、このお話、なんと実話でしたっ!この奇跡の生還は、アイスランドでは有名なお話らしいのである。彼は国民的ヒーローになるが……静かな幕切れがすばらしい。

北の小国と侮るなかれ、やはり才能とはどんな場所でも(活火山のように)噴き出してくるんだなあとつくづく。で、次に撮ったのが大娯楽作「2ガンズ」という振幅の大きさ。コルマキュルの今後に、期待大です。

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「ハード・ラッシュ」 Contraband (2010 ユニバーサル)

2014-11-21 | 洋画

「2ガンズ」というハリウッド製アクション映画が異様に面白かった。ところが、監督の名前になじみがない。いやそれどころかバルタザル・コルマキュルっていったい何系の名前なの?……アイスランドでした。ハリウッドは世界中から才能をかき集めてきたわけで、それが北欧の小国にまで及んだというわけだ。

彼がハリウッドで監督することになったのは、自国で主演した「レイキャビク・ロッテルダム」が「ハード・ラッシュ」(原題Contraband……密輸品のこと)としてリメイクされ、その監督に選ばれたから。こうなるとそれも見なくては、ということでディスカスでポチッ。

主演は「2ガンズ」と同様にマーク・ウォルバーグ。あまりそうは見えないけれど元は凄腕の運び屋。奇想天外な手段で密輸することで名をはせていた。しかし今は愛する妻(ケイト・ベッキンセール)と息子たちのためにすっかたぎで生活している。しかし、妻の弟が欲をかいたせいで、ギャングと組んで偽札を密輸することになってしまう。

とにかく全篇が絶体絶命。常に時間を区切られ、常に裏切られ、しかしそれでも仕事を完遂することを微塵もあきらめない主人公。偽札の隠し場所も発見され、船長(J.K.シモンズ)からは沿岸警備隊に密告され、家族は脅迫され、それでもなお……いやープロはこうでなくっちゃ。

ストーリーのためだけでなく、画面には緊張感がみなぎり、シーンとシーンのつなぎの間(ま)とセンスがいい。これなら金をもっとかけて大作を監督させようという製作者があらわれてもおかしくない。それが「2ガンズ」だったわけだ。

製作費がどうであろうと、コードがどこかハリウッドとは違っている外国人監督の肌合いがすばらしかったので、まずは彼を抜擢した製作者が慧眼だったということだろう。え、製作はウォルバーグなの?まったく、人は見かけによらないものなのでした。

「THE DEEP」につづく

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