PART1「TPP」はこちら。
「強行採決なんてのは、世の中にあり得ない。審議が終わって、採決を強行的に邪魔をする人たちがいるだけでありまして。じゃあ、あの(野党の)人たちが本当に声を枯らせて質問書を破りながら腹の底から怒っているかといったら、『田舎のプロレス』と言ったらプロレスの人に怒られるが、ここでロープに投げたら返ってきて、空手チョップで一回倒れて、みたいなやりとりの中でやっている。ある意味、茶番だと思いまして、もうそろそろこういう政治のあり方は変えるべきだと思っている」
萩生田光一官房副長官が国家基本問題研究所で放った発言。この研究所の理事長は櫻井よしこ。名言シリーズでもうおわかりのように、“お仲間”の前だとこのように不用意な、サービス精神たっぷりの失言が発生してしまうようだ。
ところが、副長官が予想するよりもはるかに政治はプロレスと親和性が高く
「腹が立った。プロレスを知らないんじゃないか」
「プロレスは体を鍛えまくった人が相手の技をしっかり受けることが前提だ」
「存分に野党の言い分を聞く、それにきちっと答弁するのがストロングスタイルのプロレスだ。」
……めずらしく民進党の野田幹事長が気の利いたコメントを。それに、自民党にはあの人がいるのを忘れちゃいけない。
「俺と勝負するか?」
前文部科学大臣、馳浩氏の発言でした(笑)。彼が出てきたら、もうひとり、アントンの登場が待たれるところだけれどね。神取忍はどう思っているだろう。
もちろん、TPP参加を言い出したのは野田が首相だったときではないか、という自民党からの反撃もあるだろう。民進党も、その技をきちんと受けて立つことだ。それこそが、ストロングスタイルの政治。わたしはそういう政治を味わいたい。
本日の一冊は「深泥丘奇談・続々」綾辻行人著 KADOKAWA
ホラーの要素を慎重に取り去ってしまえば、ほとんど綾辻のエッセイ集と化す。だから謎の笑みをうかべる奥さんの描写が、小野不由美の日常であることがうかがえてファンとしてうれしい。ご近所に法月綸太郎もいるのね。にしても、同世代の綾辻が、健忘症、メタボなどに悩んでいる姿は、読んでいてとてもうれしい(笑)。
PART3「大人のたしなみ」につづく。