Vol.04「披露宴でご披露」はこちら。(どうなったかなあ彼女の披露宴は)
40代の男性。離婚後も先妻や娘と旅行に出かけたりしていましたが、元妻の身内に知られ、彼女との関係がまずくなりました。
訳あって彼女と離婚したのは5年前です。彼女は身内の援助を受けながら定職に就いており、娘と2人で暮らしています。
私は娘のために復縁したいと考え、元妻にその意向を伝えました。そのつもりはないと言われましたが、週末には3人で一緒に過ごしたり、旅行に出かけたりしていました。
しかし、それが身内に知られ、嫌がられていることを知ると、彼女は私と一緒には旅行しないと言い出し、関係がギクシャクし始めたのです。色々と話し合いましたが、身内の意向が絶対だからと、取り付く島もない状況です。
元妻との関係が良好になって復縁できるまで、何年でも待つ覚悟はあります。しかし、娘はその間にも成長してしまいます。
(埼玉・W男)
回答者の眉村卓さんは
「虫がよすぎる」
と一刀両断。まあ、そうだろうな。
一読すると、気弱な男性を想像するけれども、どうもこの人はそれだけの人間ではないようだ。肝心の離婚の理由を明かさないのがまずあやしい。加えて、元妻と週末に出かけていることが自然なことだと考えているあたりもちょっと恐い。
おそらく、元奥さんの“身内”(この表現にも、隠れた悪意を感じる)が怒ったのは、世間体以上に、この男性の怖さに気づいているからではないだろうか。
百歩ゆずって、元妻はともかく娘はお父さんといっしょにいることを望んでいるかもしれない。しかし、次第に大人になる彼女が、はたして父親の怖さにいつまで気づかないでいられるか。
この人が読売に投稿したのは結果的に幸福だった。でなければ、確実にストーキングに走っていたはずだから。どうも、油断はできないような気もしますが。
本日の1冊は橋本治の「知性の顚覆」朝日新書。
例によって橋本に怒られているような気分になります。怒られているうちはまだ大丈夫なのかとちょっと油断。いかんいかん。
Vol.06「最凶の母」につづく。
PART1「デッカードは例外」はこちら。
「はさみは床に落としたことはあるが、人に向かって投げたことはない」
飯豊町萩生のリチウムイオン電池研究開発拠点施設「山形大xEV飯豊研究センター」のセンター長(山形大学教授)によるパワハラで“少なくとも3人”が退職していることをうけてのコメント。職員組合によれば、このセンター長はちょっとすごい。
・突然激怒してはさみを投げつける
・人前やメール、文書で屈辱的な言葉(「能なしのお馬鹿」等)を浴びせる
・退職により生じる損失を補填するよう高額な寄付を強要する
・無視する
やれやれ、自殺者が連続していたり、なんか近ごろこの大学はちょっと変だ。
本日の一冊は「二壜の調味料」ロード・ダンセイニ
短編集。というよりショートショート集に近いかも。まず、オープニングの表題作だけでも読んでみてください。「奇妙な味」タイプの小説の代表作なんだけど、わたしは爆笑してしまいました。すげぇ。
2017年9月号PART5 「フィールドを去る」はこちら。
「自分のヒーローには会うなって言うけれど、『そのヒーローがハリソン・フォードではない限り』って付け加えたいね」
「ブレードランナー2049」でハリソン・フォードと共演したライアン・ゴズリングのコメント。ううう早く見たいな。息子はさっそく見てきて「今年見たなかでいちばんよかった」あー早く見たいな。
「あなた、見ていないんですか!? 今日も少し遅刻してきたし……生き方が適当すぎる!」
「探偵はBARにいる3」のジャパンプレミアで、「完成したものを見ていないんですよ」と告白したリリー・フランキーに向かって大泉洋がぶち切れて(笑)。リリーが「おおまかな話は知ってるんですよ?」と例によってぼけてみせると、「見ていけばいいでしょ!」と盛大なつっこみ。大泉とリリーの共演かあ。それ以上に、この場にいた客たちは幸せだ。コメント芸の達人たちのライブ。
PART2「はさみは使いよう」につづく。
第42回「長篠に立てる柵」はこちら。
前回の視聴率は11.9%と、なんと上昇している。開票速報によるオンエア時刻変更が影響しないほど底堅かったか、あるいは直政出世物語が好感されたか。あるいは選挙結果など誰も見たくなかったか(笑)。
さて今回のタイトルはもちろん菊池寛の「恩讐の彼方に」からいただいているんだけど、わたしはこの週末、痛風で身動きできなかったので(T_T)、その原本を読んでみました。といっても予想よりもはるかに短かったんですけどね。
いやそれにしても主人公の老僧の若いときは悪い悪い。主人の妾としんねこになって(死語)、美人局のあとは強盗やりまくり。まあここまで悪いとトンネルも掘りたくなるか。彼を仇とねらう若侍と最後に理解し合うわけだけど、この二人の共通点は、リカバリーできる機会があって幸福だったということですか。菊池寛の小説的企みがバシバシ仕込んであって最高でした。久しぶりに現国の授業を受けた気分。
で、直虎。なーんだ先週はついに禁忌の方面に踏みこんだと思ったのに、直政と家康の小細工に終わってました。家康は未練たっぷり、ってぐらいが限界だったか。森下さんそれでよかったんですか。
直政がやったことは、複雑な恩賞を有能な総務がチャート化したってこと。直虎がやったことは、後期の「細腕繁盛記」の新珠三千代のように、静かに商売の行方を見守ることだけだった。
「この人(菜々緒)の息子が家康の長男ってことなの?」
妻は不思議がっている。年齢的におかしいだろうと。それ言っちゃうと阿部サダヲだって。
「うん。で、このふたりはもう少しあとで……」
「え。どうして!?」
そこんとこはねぇ。おれも無茶だと思うんだけど史実だから。停滞の回なので、また視聴率は11%台?
なんとあと1ヶ月でgooブログもトラックバック機能停止とか。うわー大河が終わった途端に原稿をまとめ、すばやくアップするのは面白かった以上に修行になっていて、おかげでいろんなブログに会えてうれしかったのに。
他のブログサービスも次々にこの機能を終了させているらしいので、世の流れなんだろうけどねえ。SNSでも大河関係はやってるだろうけど、そこまではちょっと。やれやれ。
第44回「井伊谷のばら」はこちら。
悪評の嵐。脚本がダメなら監督もダメ、役者もなんもかんも全部ダメというわけだ。
そうだろうか。確かにこのご時世にこんな能天気な史劇を野放図なCGを使ってつくっている場合かという批判は当たっているかも。でもさあ、むしろそういう映画をいま誰もつくってくれないから「いける」とふんで製作されたわけでしょ?
わたしはすごくこの映画を楽しんだし、たまにはこういう何も考えないで美男美女がからむお話を見たい。
なにより、「ロード・オブ・ザ・リング」では失敗していた種族による身長差をここまできっちり描いたあたり、仕事はていねいじゃないですか。監督はアレックス・ブロヤス。わたしの大好きな「アイ、ロボット」の人です。
あ、正直に言います。女神ハトホルを演じたエロディ・ユンの美しさにクラクラきたので冷静さを欠いたかもしれません(笑)。
「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」「中原の虹」「マンチュリアン・リポート」につづく、蒼穹の昴シリーズ第5弾。
第一作の刊行が1996年だから、もうこの大河小説は二十年以上も連載されている。文句なく浅田次郎のライフワーク。このシリーズのおかげでわたしも清朝末という時代に耽溺することになった。西太后、愛新覚羅溥儀、袁世凱、康有為、孫文、蒋介石、李鴻章、張作霖、張学良、そして毛沢東。これでもかという歴史的オールスターキャスト。
主役は李春雲という宦官と、義兄弟の梁文秀。今回の第一部はちょっと趣向が変わっていて、溥儀の側妃だった(なんと皇帝の妻が離婚訴訟を起こして離婚したという前代未聞の事件はほんとうにあったらしい)文繡の一人語りである。それが一転して第二部は都を離れる(蒙塵)ふたりの天子(溥儀、張学良)を中心に怒濤の展開。
基本的にこのシリーズは
・権力内部で次第に頭角をあらわす李春雲
・科挙を首席でとおりながら、次第に権力から離れていく梁文秀
のお話だ。背景にあるのは
・王座にのぼりつめる人間は“龍玉(ドラゴンボール!)”を手にするし、もっていない人間が王となると世も人も不幸になる
という設定。だから龍玉をもたない溥儀は、満州国の皇帝となっても幸福にはなれない。彼は女性どころか人間を愛することができない人物とされている。ラストエンペラーの孤独。
ああ相変わらず面白いなあと読み進めていたら、第二部のラストは梁文秀が今まで帰ろうとも思わなかった故郷に、妻とともに訪れるシーン。そこで彼は春雲がなぜ清朝で力を握ろうとしたかの一端を知る。なんかもう、二十年もつきあっていることもあって泣けて泣けて……ところで第三部はいつ出るんですかっ!
最初っから最後までシャーリーズ・セロン印のあんこがたっぷり入った作品。このお姉さんはとにかく作品に対する気合いが違う。アクションのトレーニングのために歯を折り、そこまで見せなくてもいいのに(見せてほしいけれど)胸やお尻を盛大に観客に披露してくれる。
映画秘宝のオールタイムベスト10を眺めていたら、セロンは大人気。もちろんそれはあの名作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」におけるフュリオサ大隊長役によるものだが、彼女はあれでこのアトミック・ブロンドをこなす自信を得たのだろう。
フュリオサはスキンヘッドにノーメイクという、女性らしさを徹底して消した役だった。もちろん自分の美しさに意識的だからできた演技ではあるにしろ、今度は金髪を華麗になびかせ、メイクもばっちり。なにしろモデル出身で長身(177センチ)だから、彼女が歩いているだけで画面がもつのがすごい。
舞台は1989年のベルリン。つまり、壁が崩壊したあのときだ。東西の冷戦において、スパイたちがしのぎを削っていた価値観がゆらぐ時代。だからこそ、スパイの名簿がしこまれた時計ひとつをめぐるお宝争奪戦は、実はむだな争いなのかと思わせて……
「キングスマン」でキレキレのアクションを見せた両足刀剣女、ソフィア・ブテラもセロンとレズシーンをディープに。みんなこんなにサービス満点でいいのか。R15+は当然。
ジェイソン・ボーン以来、確実にステップアップしたスパイ映画。この作品も、オリジナリティあふれる、というわけではないが急所を確実にねらう格闘と、不意打ちのカーアクションがおみごと。弾着のタイミングのよさは特筆に値する。
くわえて、音楽が泣かせるのよ。ちょいと時代的に合っていないけれども80年代のロックが満載。クイーンとデビッド・ボウイの「アンダー・プレッシャー」、クラッシュの「ロンドン・コーリング」といった名曲から、スジバン、ニューオーダー、そして「ミニオン大脱走」につづいてまたしてもネーナの「ロックバルーンは99」が流れます。まさか1年に2回もあんなマイナーな曲が聴けるとは思いませんでしたっ。
The Clash - London Calling (Official Video)
PART2はこちら。
前回、あれほど伯仲した選挙だったというのに、今回はかえって水をあけられている。さまざまなことが読み取れる。
・希望の党の退潮が寿一票に露骨に影響した。
・選挙戦のさなかに、最上の金山町の“お殿様”岸宏一元参議院議員(来月に町葬が行われるそうだ)が亡くなり、えーとそれはどう影響したかさっぱり(笑)。
・鶴岡市長選において、鮎子が支援した現職が惨敗。当選した新市長を陰で寿一が応援していたので、むしろ鶴岡市民は結束した。
・市町村の首長の意向が国政選挙にも激しく影響するのがよくわかった。酒田市長は鮎子につき、遊佐町長は寿一側。市町村合併のあたりから、延々とつづく因縁やねじれがこのあたりにも。
……少しは他の選挙区にもふれておきます。
山形1区
遠藤 利明 自前 104,227
荒井 寛 希新 62,407
石川 渉 共新 15,354
山形2区
鈴木 憲和 自前 109,949
近藤 洋介 希前 92,035
岩本 康嗣 共新 10,923
1区の荒井候補は大健闘だと思う。どこも遠藤大勝ちとしているけれど、自民党への批判票(と鹿野道彦票)がこれだけあったのかと。
逆に、近藤洋介が落選したことで、山形県からは自民党以外の衆議院議員はいなくなってしまった。共産党との連携もぶち壊すことになった、やはり希望の党の罪は重い。今回の選挙は、どうしてもお話がそこに行ってしまいます。
本日の一曲は「ロンドン・コーリング」クラッシュ。なぜかというと、この曲がエンディングに流れる「アトミック・ブロンド」に感服したからです。冷戦をあつかった映画なので「サンディニスタ!」の曲を選ぶとマニアは喜んだでしょうが。
The Corrs - Everybody Hurts UNPLUGGED - Amazing version of the REM Song
PART1はこちら。
思えば最初から希望の党は筋目が悪かった。実は強烈な国家主義者で、都知事としてよく考えればまだ何もしていない小池百合子と、民進党のダメな部分を一身に体現した前原代表がタッグ。いやはや。
でも、ここで小池百合子は超ファインプレー。何を思ったかリベラル組を排除する、と言い放ったのだ。
民進党の気持ち悪さは、リベラルと超保守が同梱されていたこと。いつか党が割れてくれないかなあと期待していたら、あっさりと実現してしまったのだ。要するに、排除される側を支援すればいいことになったのである。ラッキー。しかもこの排除発言以降、希望の党は急速に支持を失って行くというおまけつき。ありがとう小池百合子。
とは言っても結果として自民党の大勝利は疑いない。開票結果を読みこむと、実は小差の勝利であることが多いので、自民党の支持が広がったわけではないけれど、そこは小選挙区制ですから。
心配なのはどのような形で改憲に向かうかだ。維新と希望(この二党を“野党”だと思ったことは一度もない)は改憲に前向きなので自民党に同調するだろう。まあ、党利党略で路線の違いを強調するかもしれないけれど。日本国憲法はいま、危機的な状況にある。
あ、山形3区のお話でしたね。投票結果は以下のとおり。
加藤 鮎子 自前 103,973
阿部 寿一 希元 81,708
加藤 太一 共新 11,241
城取 良太 諸新 2,329
寿一候補はまたしても浪人生活確定。以下次号。
本日の一曲も「Everybody Hurts」。今日はコアーズのバージョン。同じような顔立ちなのに、この姉妹たちはタイプ違います。