事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言 2017年4月号PART3 嘘。

2017-04-29 | ニュース

PART2「知的であること」はこちら

「道徳を教えるために、教育勅語を使ってはいけないと私が申し上げるべきではない」

松野博一文部科学相が教育勅語を教材で使うことを政府答弁書で認めたことに関して。ほー、と思いました。つまりは何でもありなんだと。これ以降、教員が教材に選択するネタに文科省が文句を言うことは一切ないと考えていいわけだ。ここは、きっちりとおさえておきましょう。

しかし内心では「サヨク系のネタを使ったら容赦しないぞ」と思っているのは見え見え。かように、森友学園をめぐるお話で顕著だったのは“嘘はいくら言ってもいい”という新しい常識だったと思う。

誰もが森友学園への利益供与が首相、および首相夫人のためにあったことはわかっているにもかかわらず、当事者のみんなが否定する。そしてそれをなんとなくみんな納得している。「世の中なんてそんなものさ」と。防衛大臣がまさしくそうですよね。どれだけわかりやすい嘘をつくものだか。

彼女と森友学園が昔からの知己だったという話にはつくづくと感じ入った。類は友を呼ぶんだなあ。そして彼女に向かって「怨」なるFAXを送る籠池夫人がオモテに(ようやく)出てくるなど、レベルの低いやりとりは続いている。

この件に関しては、野党の追及がやはり甘い。籠池氏と野党の関係者がいっしょにマスコミに写真を撮らせるセンスには死んだ。でも真に怖いのは、あの幼稚園ではこの問題があからさまにならなければ、まだあのような教育が行われていたことだ。

そして国粋的な主張を持っている人たちは、その考えのためならいくらでも嘘をついてもいいとどうやら考えている。大義のためならと。

そして思う。お馬鹿なキャラクター合戦を笑っている場合ではないと。この人たちがいま、政治を動かしていることこそが怖いのだ。

2017年5月号PART1「読売新聞を読んでね」にすぐつづく

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今月の名言 2017年4月号PART2 知的であること。

2017-04-28 | ニュース

PART1「復興相」はこちら

「災害後に、誤った認識や被災への無知、そこから生じるねたみなどによって、とりわけ子供たちの人権が脅かされ続けています。その子供たちが今もこれからも、本学の学生になるかも知れません。同じような差別偏見にさらされた時には、大学に相談し問題を共有させて下さい。本学はそのような差別偏見、人権侵害を決して許しません」

田中優子法政大総長の入学式における式辞。被災者いじめという最低の事態への警告。前回も思ったけれど、法政の学生はしあわせだ。その点、あの前復興相は……って比べるのもまちがいか。

娘の大学の学長が、卒業式で学生に語りかけた言葉もすばらしかった。

「役に立つ学問が大学に求められています。これほど知的ではない話はありません。」

全くだ。経済界のリクエストにそこまでお応えする義理は大学にはないぞ。あきれるほどに無駄な学問こそが世界をイノベートして来たのに。およそ就いた職業にまったくなにも貢献しないであろうことを学んだ娘は卒業の夜、しみじみとつぶやいた。

「大学に入ってよかったなあ。」

妻もわたしも、その一言だけで十分に報われた。

「あまちゃんに出なくてよかったなというか」

十年以上も宮藤官九郎作品のドラマにでていなかった阿部サダヲが、2019年の大河ドラマに主演するにあたって発したコメント。大人計画のみんなが「あまちゃん」に出ているのに、阿部だけが考えてみれば外れてたものね。

それにしてもNHKも思い切ったなあ。宮藤官九郎が脚本でネタはオリンピック。主役キャラは前畑秀子を育てた新聞記者……不安もあるけど期待しちゃう。前畑をぜひとも“のん”でお願いしたい。民放はびびって彼女を起用できないらしいので。なにやってんだ。

PART3「嘘」につづく

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今月の名言 2017年4月号PART1 復興相

2017-04-27 | ニュース

2017年3月号「図書館ってなに?」はこちら

今月は、なんというか名言の嵐だった。たまりにたまった膿が吹き出した感じ。その最大の要因はもちろん現内閣が調子こいてるから。特に今村雅弘前復興相は吠え、謝罪し、また失言とご丁寧なことではあった。

記者「帰れない人はどうするんでしょうか」

復興相「どうするって、それはもう本人の責任でしょう。本人の判断でしょう」

記者「自己責任ですか。(今村復興相、再び「え?」と聞き返す)自己責任だとお考えですか」

復興相「自分はそうだと思いますよ」

……この記者は手練れだなあ。そしてこの挑発に簡単にのった復興相は

復興相「責任持ってやってるじゃないですか! なんて、君は、無礼なこと言うんだ。ここは公式の場なんだよ(演台を小突く)」

記者「そうです」

復興相「だったらなんで無責任だなんて言うんだよ!(さらに強く叩く)」

記者「ですからちゃんと責任を......」

復興相「撤回しなさい!(指さしながら)」

記者「撤回しません!」

復興相「しなさい! 出て行きなさい! もう二度と来ないでください、あなたは!」

……日ごろの記者会見では絶対に行われないやりとりだろう。記者クラブという存在に政治家もマスコミ自身も安住してしまっている。手練れのフリージャーナリストは、その油断をあからさまにしてくれた。

「(東日本大震災が)東北だったから、よかった」

(風評被害払拭に)「生産者の努力が必要」

本音なんでしょうね。それにしても、だ。この人は政治家として何がしたかったのだろう。安倍内閣において、復興に重きが置かれていないのは常々感じているにしても、それにしたってこんな人材しかなかったのか。政治生命をかけて復興にすべてをかける人物はいなかったのか。東北人として、とても、とてもさみしい。

PART2「知的であること」につづく

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「ゴースト・イン・ザ・シェル」 (2017 東和ピクチャーズ)

2017-04-26 | 洋画

「攻殻機動隊」をハリウッドで映画化。主演の「少佐」をスカーレット・ヨハンソン、公安9課の荒巻をビートたけし……攻殻オタクが夢想するキャスティングが実現しまくっている。

もちろん攻殻機動隊ファンは狭量だから(笑)、おれの考えるキャストと全然違う!と怒っている人もたくさんいるでしょう。でも器として一級品をそろえたことは確か。配給もパラマウントだし、“なんちゃってハリウッド映画化”とは違い、本気モード。

人間のパーツが機械(→義体)に次第に取って代わられていく過渡期の時代。精神、というかアイデンティティー(→ゴースト)はどうなるのか……士郎正宗の原作や押井守をはじめとしたアニメ作家たちの脚色に意外なほど忠実で、あのアニメの“決め”のシーンもたっぷり実写化してある。光学迷彩がきっちり描かれているのはやはりうれしい。

ブレードランナーよりもよほどディストピアな世界で、幸福そうな人物はひとりも登場しない。最後の浪花節は必須だったでしょう。これまた怒る観客もいただろうけれども、わたしは満足。

読者のアドバイスにしたがって吹替版にしたのも正解だった。眼をつぶれば完全に攻殻の新作なの。オリジナルキャスト勢揃い。トグサは山寺宏一だしバトーが大塚明夫、そして田中敦子さんのあの声で「イシカワ!」が聴けたのがうれしくてうれしくて。

日本の核弾頭、桃井かおりがとても重要な役で登場。おかしかったのが福島リラ。まるで福島リラのようなゲイシャロボだなあと思ったらやっぱり彼女でした(笑)。役はred robed geisha robot……シャア専用かよ。

エンディングテーマが川井憲次でプロダクションIGの石川光久もかんでいる。見終わってしばらくたってから幸福感がじわじわと。だいたいね、よく考えたらスカーレット・ヨハンソンはほぼ全裸で出ずっぱり。ありがたい話ですほんとに。

刑事ドラマのフォーマットをギリギリで守ってくれたのだから、できれば「inner universe」をテーマに選んで全世界にあの名曲をかましてほしかったけどね。マニア話でどうもすみませんでした。

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「美女と野獣」Beauty and The Beast (2017 ディズニー)

2017-04-25 | 洋画

うちの娘が卒論に選んだのは“異種婚姻譚”というジャンルらしい。人間以外の異性と結婚する物語。日本でいえば「鶴の恩返し」や「雪女」がそれにあたるとか。

西洋で代表されるのはこの「美女と野獣」だろう。醜い野獣と美しい娘の恋愛は、異種である以上に複雑な要素をはらんでいるはず。わたしは1946年のジャン・コクトー監督版しか見たことがなく、モノクロの画面であるがゆえにかえって印象としてバラの赤さが際立ち、野獣が本気で怖かったのをおぼえている。あれは名作だったなあ。

今回はディズニーのアニメを実写化したというふれこみなので、印象はずいぶん違う。 実はわたし、そのアニメ版は見ていない。どうも劇団四季っぽいのが苦手だしね。でも劇場でいっしょになった事務職員は(振替休日に既婚中年男性事務職員が鉢合わせってのもなあ)

「(ディズニーのは)何度も見てるんですよ」と。

「(子どもにつきあって)見せられたんだろ?」

「いえ。大好きなんです」

そ、そうですか。見終わって「金かかってるよなー」とふたりで納得。客を楽しませずにはいられない、というディズニーの意地が爆発。特にすごいのは無機物に変えられた召使いたち(ラストで、とんでもない名優たちが演じていることが明かされます)の動きで、さすがCG、さすがディズニーだと思い知らされる。

でも、世界的なバカヒットになっているのは、生身の俳優のおかげだろう。特にヒロインのエマ・ワトソンが、微妙に胸を強調しながら(笑)瞳をキラキラさせて“小さい村にあきたらない父親想いの娘”を演じてすばらしい。ハーマイオニーがここまで成長したかとしみじみ。

この作品の核心は、観客がヒロインのベルといっしょに野獣を好きになるわけなので、彼が美男の王子に変身したあとで戸惑わないか、ここでしょう。異種の婚姻をせっかく納得したのにと。でも、その心配はいらないのでした。だってこの映画、最初っから野獣かわいいもん(笑)。

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勝手に人生相談Vol.01 ダブル不倫純情篇

2017-04-24 | うんちく・小ネタ

The Kinks - Don't Forget To Dance HD

新シリーズ開始。メディアに寄せられた人生相談に、この不完全な男が勝手に回答してしまおうという無謀な企画。なぜ思いついたかというと、あまりに典型的な不倫相談が読売の【人生案内】に載っていて、考え込まされたからなのだ。愛知のD子さんの相談は、なかなかに味わい深いです。

60代半ばの女性。10歳ほど年下の大好きな彼と、気付けば20年近く付き合っています。彼は会社員で結婚しています。私の夫は3年前に亡くなっており、彼とは、どちらかが死ぬまで付き合っていたいのですが、言い出せません。

彼のことを好きになる一方なのです。彼はクールというか、あまり積極的ではないため、私は寂しくて待ちきれず、ついメールをしてしまいます。

心配なのは、会う時間がだんだん短くなり、遠出をしたりホテルに行ったりするのも少なくなったことです。彼に嫌われないように努力し、年齢より若く見えるはずですが、飽きられているのではないかと不安です。私があまりに夢中なため、うっとうしいと思われているのでしょうか。

でも、会えば優しくキスしてくれます。言葉で「好き」と言わなくても態度でわかります。彼から別れようとも言ってきません。

この先、どうしたらいいでしょうか。控えめにして我慢すべきでしょうか。諦めきれません。

……一読して、純愛だなあと。いやもちろん二十年近く不倫関係で、そのうちほとんどがダブル不倫だったとしてもですよ。だからこそ思いました。これほどのぼせていて、よくぞ関係がばれなかったものだと。男の方がよほど周到なのか、亡くなった旦那さん(どのような経緯で亡くなったか、想像すると怖い)は気づいていなかったのか。

近ごろの60代といえば、先日の詐欺マダムが思い出される。二十代とほとんど変わらないファッションでホストクラブ通い。よほど顔と身体に金をかけているからか、確かに還暦すぎには見えなかった。その美貌に被害者たちがノックアウトされるのもありかも、と。

このD子さんがはたしてどのようなルックスかは知らないけれど、年下男との恋愛のために必死で若さを保とうとしているあたりはいじらしい。こうなったら行くところまで行ったらどうですかD子さん!

……本来の回答者である樋口恵子さんは「あなたの行為は大変な危険を伴うということを自覚してください。もし、彼の妻があなたの存在に気付いたら、婚姻侵害で慰謝料請求の訴えを起こすことだってありえます。」と、きわめてまっとうなアドバイス。うーん、でもこの舞い上がったD子さんがそれでおさまるかなあ。

本日の一曲はキンクスの「Don't Forget To Dance」あまり深読みしないでください。

Vol.02「天国の涙」につづく

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おんな城主直虎 第16回 綿毛の案

2017-04-23 | 大河ドラマ

第15回「おんな城主対おんな大名」はこちら

前回の視聴率は14.4%と予想以上に上昇。そして今回はタイトルが示すようにコント芝居の連続となっている。井伊谷グリーンゲイブルズ化計画。

まだめずらしい作物の種を蒔き、現金収入となるよう農家をリードするのは為政者と農協がいまもやっていること。しかしその作物、綿を植えても荒れた土地を耕す人手がない。そのために直虎は歩き回るが、政次の策の方が一枚も二枚も上手だったというお話。

静岡県で銭の匂いがするとくれば、これはもう山水館でしょ。「銭の花の色は清らかに白い。だが蕾は血がにじんだように赤く、その香りは汗の匂いがする」んでしょ!?

しまった。お若い方々にはなんのことかわかりませんね。大昔の大ヒットドラマ「細うで繁盛記」ネタです。主演の新珠三千代が旅館の女将になって大儲けするお話。小学生だったけどインパクト強かったんでよくおぼえてます。なにしろ冨士真奈美の小姑がきっついの。

「加代(きゃよ)、おめーに食わせる飯はにゃーずら」次長課長かよ。

直虎にも似た存在がいて、後の井伊直政の母である貫地谷しほり。牛乳瓶の底みたいなメガネ(この比喩も死語だよね)をかけるわけにはいかないけれど、憎々しげに演じはする。でも政次のほうがやはり一枚上手だった。

高橋一生がブレイクしているものだから、ラブコメ路線は続くらしいので、亡き弟の妻(山口紗弥加)とめんどくさい方面に突き進むのかと思えばそうはならない……んですか?

コントの回なので、「細かすぎるモノマネ選手権」でおなじみの“ずん”が出場、じゃなくて出演しています。この回で柳楽優弥が初登場したのははたして効果的だったか。彼が出ていなければ目も当てられない回だったかもしれないんですけどね。深い眠りから覚めた直虎が、両腕をつきあげて「うーん」ってルーティンには死んだ。

当時のダークサイドである人買いに直虎が興味を示したので、そっち方面も描けば面白そう。でももちろんそうはならない。山本學がマシュー・カスバートみたいな善人を演じておしまい。うーん。でもこんな回こそ視聴率は安定して14%台なんだろうな。

第18回「あるいは裏切りという名の鶴」につづく

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「全裸監督 村西とおる伝」 本橋信宏著 太田出版

2017-04-22 | 芸能ネタ

五社英雄村川透につづく、映画監督評伝シリーズ第三弾。

業界騒然の書。業界とは、AVだけにとどまらず、映画界、芸能界すべてにおよぶ。村西とおるがいかに影響力を持っていたか、いかに破滅的な人生を歩んできたかがこの本で思い知らされる。

「お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません」

の名文句で知られる村西監督の自作自演(それはほとんどが本番ファックということだけど)シリーズが、いかにして生まれたか。奇矯な性格と独特のトークにはどのような背景があったのか。かつて盟友だった著者の本橋信宏の筆致は時に冷たく、時に血がほとばしるほど村西に寄り添っている。

極貧の福島時代。英語教材のセールスマンとして無類の才能を発揮し、日本一の売り上げを記録。独特の嗅覚でビニール本の販売に手を染め、ひたすら儲け、そして破産。AVへの進出、逮捕、復活……

世にこれほど数奇な人生を送った人はいないだろう。天国を知り、地獄を味わい、性懲りもなくふたたび天国をめざす。

事業欲、というものがどうしても捨てきれない人はいる。団鬼六がまさしくそうだった。耽美的な情愛小説に安住していれば団には違った評価があったかもしれず、村西にしても軽妙な味わいのAVを安直に製作していれば、少なくとも数十億の借金を背負うこともなかった。それでも彼らは、宿痾のように事業に走る。地方公務員には考えも及ばない世界。

黒木香、松坂季実子など、看板女優たちとの“交流”もすごい。セックスの有無がまったく意味をなさない世界における恋愛とは。

残念なことに、わたしは彼の作品を一本も見たことがなく(本当なんです)、だから実はAVフリークの半分もこの評伝を楽しめなかったのだろう。それでも驚愕の面白さ。女性にもおすすめできます。これを手に取るのは勇気がいるだろうけれども。

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図書館ってなに?PART4

2017-04-21 | 社会・経済

PART3はこちら

ここで考えてみる。自治体はなぜ図書館を整備するのだろう。実は本気を出せば金食い虫であるあの施設(と蔵書)をつくる義理はさほどないように思える。その分を、橋を作ったり保育園を充実させたほうが住民はよろこぶのではないか?

ある意味、それは正解だし、大いなる誤解でもあると思う。

もしもわたしが、二つのうち、自分が好きな方の街に住んでいいと言われたら、文句なく図書館が充実している街を選ぶ。住民に娯楽と学びの機会を用意しようと考えている街の方が、住んでいて気持ちがよさそうだ。

その意味で、武雄市長が街の売りとして図書館を選択したのは(まあ、TSUTAYAとの関係がズブズブだったからかもしれないけれども)ある意味慧眼だ。結果が伴わなかったのは動機が不純だからでしょ。箱物の美しさと同時に、実は図書館はなかで働く司書の存在が大きいわけで、そこを軽く見たのが致命傷だったか。

なぜわたしが図書館にこんなにこだわったかといえば、わたしの住む酒田市も、駅前の施設に図書館を用意する動きだと聞いたから。総工費100億を超える再開発ビッグプロジェクト。中心に図書館があるのは確かにうれしい。でも計画の外郭がどうにもTSUTAYAっぽいのが気になる。高い書架、カフェの併設……

TSUTAYAだからいけないと言っているわけではないの。しかし図書館を整備するその目的が“集客”だとすれば、おそらくその図書館の性格は少なからずねじ曲がっていくはず。浮薄な施設は廃れていくのも早い。駅前が駐車場だったころの方がよかった、なんてことにならないよう、市民として注視していく必要があるんじゃないかな。あ、めずらしくまともな結論に持っていったような気が。

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明細書を見ろ! 2017年4月号 扶養手当。

2017-04-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2017年3月号「戦う交通安全」はこちら

田舎に住んでいると、ちょっと理解しがたいことがあります。たとえば都議会。たかがと言っては失礼ですが、一地方議会にすぎないあそこの選挙を、各政党は驚くほど重視します。中央卸売市場が築地に残ろうが豊洲に移ろうがたいした話ではなかろうに、マスコミも連日大騒ぎ。その、都議会議員選挙があることで消えた政治課題があります。

配偶者控除の廃止

もうお忘れですか。自民党の税調がぶちあげたこの課題は、都議選へのダメージが大きいという理由で(少なくとも今年は)撤回された経緯があります。これも懐かしい言葉になってしまった「一億総活躍社会」の実現という建前よりも、目先の選挙が優先されたわけ。

そちらは撤回されたけれども、そのおまけのような形で人事院が勧告した扶養手当の変容はこの4月からしっかり始まっています。内容は以下のとおり。

※例によってめんどくさいのでパス(笑)
 
つまり配偶者の分を段階的に半減へ。子どもの分を増額することでバランスをとった形。

問題は、この改定がたとえば女性が働きやすい社会を醸成することにつながるのか、そのことに納得できるのかでしょう。

扶養手当が増えた減ったと目先のことに右往左往することなく、将来の日本のあるべき姿を見据えることが地方公務員としての……おおおお、娘が卒業して妻の分の手当が減ったから、おれの手当は2万6千円も減っちゃったじゃないかっ!くやしいぞすごく。

画像は「ショコラ」Chocolat
19世紀末、初の黒人芸人がなめる辛酸。彼を支える男女。複雑な恋愛関係がうっすらと。さーすがフランス映画。

2017年5月号「勝負服。」につづく

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