事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「花水木」「最前線」今野敏著 ハルキ文庫

2008-11-16 | ミステリ

7andy_31919114 東京湾臨海署安積班シリーズは、これで全部読み切ったことになるのかな?安積警部補を気弱なスーパーマンの立場から救っているのがベイエリア分署のチームメイトたちだ。それぞれに弱点をもっているということは、それぞれにカバーしあえるということなわけね、素直に読めば。

でもどこか権威主義的なのは、警察小説である以上しかたのないことなんだろうか。日本の警察小説が捕物帖の進化形であることに、おそらく今野ほど意識的な人はいない。トリッキーになりすぎず、実は人情ものであることを隠そうともしていない。量産もきくし、読者も楽な気持ちで読むことができるわけだ。まさしく、現代の捕物帖。

捕物帖ってこたぁ“お上の御用”の物語だからなあ☆☆☆★★

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48才のハローワーク~レジ係

2008-11-16 | 社会・経済

Adidas 「セレブの日常」篇はこちら

 この11月から酒田でもレジ袋が有料化され、店によっては5円ほど徴収されることになった。

「お父さん、エコバッグ買いなよ」おつまみを物色するわたしに付き合った息子が主張する。
「え?環境気にしてんのか」意外だ。
「違うんだよ。バッグを持ってないとさぁ、いちいちお客さんに“袋は有料となりましたが”ってきかなきゃいけないんだ。めんどくさいんだーそれが」

そうです。今回のサンプルは地元のスーパーでレジのバイトをやっているわたしの息子です。午後5時までに出勤し、勤務終了は午後9時。時給は10円あがって(めちゃめちゃに喜んでいた)630円。まあ、そんなもんかな田舎だし。やたらにマジメに出勤しているものだから「お前がバイト始める前のことって思い出せないくらいだな」と正直に言うと「そうだねー。思いっきりニートしてたもんね」お前が言うな。

 長く続けたおかげか、やたらに食料品の値段にうるさくなったのはいいことなんだかどうだか。
「じゃがいもや玉ねぎは圧倒的にこっちが安いな。お父さんの好きなカツオのたたきのはじっこは、結構ウチに出るよ」おつまみの好みまで把握されておる。

「店の人はきびしいんじゃないか?」いちおう親だし心配すると
「高校生はオレだけだし、みんなおばちゃんだから優しいよ。おみやげももらえるし。」
 そうなのだ。賞味期限切れが近いおむすびとかを、息子はけっこうもらってくる。それをさらに譲ってもらう父親って……(T_T)

 でもやはりきつい場面もあるらしい。万引きはしょっちゅうだし、難癖をつけてくる客もいるとか。
「そんなときは、まあ大人の対応するけど。」
「大人の対応って、どんなのだよ」
「にらみ返す、とか。」
どこがオトナなんだーっ!

画像はアディダスのエコバッグ。945円。これなら持ってもいいかな。

次回は東京ボンバーズ篇

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うまい店ピンポイント検証篇その13~久村PART2

2008-11-16 | 食・レシピ

Kumura02 「久村」特集PART1はこちら

タイトルの「久村」って、あの中町の久村じゃないよね?と思って読み始めたら、やはりあの久村でした(笑)。やたらと懐かしいです。ただ、酒場の中には入ったことはありませんが。子供の頃におつかいに行かされた近所の酒屋も久村じゃないですが、久村形式(酒屋+飲み屋)でした。夕方には酔っぱらいが確かにいて、ちょっと怖かったものです。

……この酒屋+飲み屋という形式こそが「もっきり」と呼ばれるやつ。今はほとんど残っていないけど、むかしはたーくさんあったんだよ。まあ、多くは缶詰めや乾きモノを供するぐらいの簡単なファストフード店兼ファストバー(笑)。もっきりというのは「盛り切り」って意味で、酒の場合は升(久村の場合は深みのあるコースター)のなかにコップをいれて、それになみなみと注いでもらうあのシステムのことをさすようになったわけ。転じてそのパターンで酒を供するお店がもっきり。むかしの酒は量り売りだったから、量ったお酒をその場で飲みたい飲んべえにはありがたいお店ですわね。

「ここは、前からもっきりだったんですか?」
久村の女将にきいてみる。
「あのね、前は酒をつくって卸したりしてたのよ。ところが先代って人が……なんていうか事業に意欲的な人で」
「あー、いろいろ手を出したわけだ」
「でね、苦しくなってもっきりを始めたのが最初」
「?」
「もっきりをやってると、その日のうちに現金が必ず手に入るでしょう?」
年季の入ったこの店には、そんな歴史があったのか。カウンターの常連たちである先輩酒田市民たちは、その歴史を静かに見つめてきたのね。まあ、いつもは天井近くにある古いちっちゃいテレビを観ているわけだけど。

「これでBSとかCSで巨人戦を試合開始から観てられるといいんだけどなあ」
「なに言ってんの。ちゃんとBS日テレもうつるわよ。」
しまった。そうか街のど真ん中だから有線が入ってるんだったー!意外。

あ、おすすめメニューでしたね。熱々のコロッケの世評が高いようですが、わたしはいつも「自慢揚げ」と呼ばれる揚げたての油揚げをいただいております。あるいはゲソ揚げとのセット。とてもおいしい。ちなみに酒田では油揚げというのは厚揚げのことですからね、誤解のないように。

それからこの店にはテーブルチャージというものが存在しないので、ボトルキープしておいた芋焼酎をきゅうり味噌で飲んでお会計をお願いすると「190円でーす」と鼻血が出るような値段を言われたりするのでこれも要注意です(笑)。

次回は、山形市にもどって「有頂天の元祖」

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うまい店ピンポイント検証篇その12~久村

2008-11-16 | 食・レシピ

Kumura01 「富重」特集はこちら

 正確には「久村(くむら)の酒場」というらしい。写真でわかるように左側が酒屋で、右側が居酒屋。しかし酒田人はみな「久村」と呼ぶし、少なくとも酒飲みでこの店を知らない人はいない。もう営業を始めて50年になるのだとか。まあ、印象として「久村が存在する前の酒田」を想像することがむずかしいくらい、街にこの居酒屋はなじんでいる。形容するなら

・午後5時に『すでに出来上がっている人』がいる。
・ひたすら安い
・ちょっと見ただけではそこが居酒屋だとは気づかない

……解説しよう。むかし友人と「酒田で最低の飲み方ってどんなものか」を話し合ったことがある。これはもちろん逆説で「いかにスマートに、しかもコストをかけずに飲めるか」の勝負。若浜町の長兵衛(後日特集する焼鳥屋)など、数々の候補をぶっこ抜いて「久村で飲み始め、そのままずーっと飲み続ける」がグランプリに決定した。

これはしかし若い者にはなかなか至難の技でもある。久村のつくりは、店に入ると馬蹄形のカウンターがあり、奥に小上がりや座敷が用意されている。問題はこのカウンターで、“常連”がかためているものだからルーキーにはどうも敷居が高い。わたしはもういい中年なので独りでちびちびやるのに慣れているし、そのことが楽しくもある。でも先日……

「あーっ!ホリさんいた。よかったー」
同僚が、わたしが久村のカウンターで飲んでいるときに飛び込んできた。ふたりとも次の会場に行くまでのつなぎの時間。
「よかった、って何が」
「だってこのカウンターでオレ飲んだことないし、独りで飲む度胸ないもん」
「そんなもんかなあ」
「オレは寿町(久村の近所)で生まれたろ?オヤジはいつもここで飲んでたわけ。だから何回も何回も迎えに来たんだよ。だからその先入観があって……」
「ここで飲んでるヤツは思いっきり酒飲みだと(笑)」
「そうそう。これでオレも一人前の酒飲みだなあ。」久村は、酒田人の通過儀礼でもあるわけだ。

さっそくふたりで、この店の名物メニューをオーダーする。その名物とは……以下次号

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