2013年12月号「失望している」はこちら。
「それだったら取り消します」
NHKの籾井新会長が、その就任会見!で「従軍慰安婦はどこの国にもあった」「なぜいまもオランダに飾り窓があるのか」などと発言し、公式の会見での発言だと指摘されて発したもの。報道機関のトップがこんなレベルとは。これから失言した公人が「取り消します」と突き放したら、NHKの記者は下を向くしかなくなったわけだ。だいたい、公式発言でこうなのだ。NHK内部でどれだけ国家主義的、侮蔑的発言をしているものだか。
「毎日新聞では、籾井氏の発言に対し、『経営委員側からは「外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる」と失望の声がもれた』とあるが、少なくとも経営委員である私は何も言っていないぞ。誰が失望したんや!名前書けや」
現総理のお友だちにして、NHKの経営委員となった百田尚樹氏がツイッターで。どうやら彼は朝日新聞にも喧嘩をふっかけている。わたし、きっとこの人の小説をバイアスがかかった目でしか読むことができないと思います。どんなにすばらしい小説であっても、こんなメンタリティから生まれた作品だとしか思えない(つまりNHKをそういう目で見るということと同義です)。
「妊娠、出産、育児は圧倒的に女性の方に負担がかかりますから、生活の糧をかせぐ仕事は男性が主役となるのが合理的です。ことに人間の女性は出産可能期間が限られていますから、その時期の女性を家庭外の仕事にかり出してしまうと、出生率は激減するのが当然です」
またしてもNHK経営委員の長谷川三千子氏が産経新聞のコラムで。この哲学者には、女性が働きやすい環境をつくった方が出生率は上昇するという認識がない。というより、いまこんな発想をしている人がいるのかと唖然。
結果的に今月はNHK三連発。「殿、ご乱心」(甘利経済再生相)など、どうにもひどい世の中になってるな。というか、ひどいことを言っても平気だと思える世相なのだろう。ひどい。
2014年2月号~「本当に酷うございました」につづく。