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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的大河ドラマ史PART17 花神その1

2018-06-18 | 大河ドラマ

PART16「風と雲と虹と」はこちら

1977年は「花神」。タイトルは花咲か爺さんのこと。

原作の司馬遼太郎は、主人公の大村益次郎を、枯木に革命の花を咲かせた人物として、この軍略の天才を描いた。靖国神社に彼の銅像があるとはいえ、決してメジャーな人物ではない。歴史知らずの高校生だったわたしも当然知りませんでした。演じたのは中村梅之助。知りませんでした(笑)。

ということでこの大河は、大村益次郎を支柱にしながらも、「世に棲む日日」の吉田松陰と高杉晋作、「峠」の河井継之助の物語も加えて幕末を巨視的(なにしろ司馬原作だから)に描いた。小松左京は「司馬さんは長州嫌いだから」とそのころ結論づけていたので、長州中心の原作がセレクトされたのは皮肉。しかしその結果……

めちゃめちゃに面白かったんですよ。わたし、大好きでした。というかね、この大河のキャスティングで今でも幕末の人物を思い起こします。刷りこみ、ですね。主役が失礼ながら(当時は)地味だったけど、他は超豪華キャスト。列挙しますよ。

まずは長州組。

吉田松陰は篠田三郎。テロリストの元祖とまで近ごろは言われる彼を、清潔な印象の篠田に演じさせたのは正解。幽閉されてもなお毅然としている感じがよかった。

高杉晋作は中村雅俊。上洛した徳川家茂に「よ!征夷大将軍!」と声をかける軽さと、新婚初夜に妻(このころの岡江久美子は匂うように美しかった)に溺れまいと決意するあたりの激情の共存は、青春ドラマで長く主役をはった中村雅俊の経歴がものを言ったと思います。

久坂玄瑞は志垣太郎。70年代の志垣太郎といえば絶好調で、徳川吉宗を描いた「男は度胸」で、天一坊の役(このドラマでは吉宗の実子という設定)でブレイク。映画「狼の紋章」では松田優作をさしおいて(笑)、主役の犬神明を演じてましたもの。だから逆に久坂玄瑞という人物が、維新に大きな影響を与えたのを配役で納得。

いい味を出していたのが伊藤博文の尾藤イサオと井上馨の東野英心。まだ俊輔、聞多と呼ばれていたチンピラっぷりがよかったなあ。以下次号

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ナノサイエンス (CCSCモデルファン)
2025-08-03 23:13:19
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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