カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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北日本では大荒れ 沖縄では大雨 明日は九州北部でも暴風か

2006-11-22 23:50:47 | インポート

06112218 引用図は11月22日18時の天気図です。気象庁HPより引用

昨日の記事で紹介したように、22日は、低気圧が北海道の北で急速に発達したため、北日本の各地では大荒れの天気となりました。

22日昼過ぎに北日本を低気圧に伴う寒冷前線が通過した後、上空には非常に強い寒気も流れ込んできたため、22日午後からは、北日本の平野部でも本格的な雪となりました。22日午後10時現在、札幌で積雪5cmとなっているほか、北海道の一部では積雪が10cmを超えている所もあります。

も、瞬間最大風速が北海道の浦河で37・8メートルを観測したほか、北見枝幸、留萌、広尾、室蘭で30メートルを超えましたし、おろし風の影響で、岩手県内陸の盛岡でも、最大風速が西南西14メートル、瞬間最大風速で西北西26・1メートルの大変強い風を観測しました。

一方、前線がかかり、前線上を低気圧が東進し、この前線に向かって暖かく湿った気流が入り込んだため、沖縄本島周辺では、22日昼過ぎから宵の内にかけて、雷を伴った1時間に50ミリを超す猛烈な雨に見舞われました。

勤労感謝の日のあす23日はどうでしょうか?今度は、対馬海峡を中心とした九州北部で暴風が吹く恐れがあります。気象庁HPより引用の11月23日9時の予想天気図をご覧いただきましょう。

06112209

予想天気図より、北日本では等圧線が混んで、あす23日午前中までは、暴風、ふぶき、海上の高波には警戒が必要です。

大陸からは優勢な高気圧が北日本を中心に張り出し、本州上では寒気の流入強まる予想ですが、日本海西部から等圧線の方向が真横に走るようになって、等圧線の幅も混み、北東の風が強まることがわかります。

一方、東シナ海にかかっている前線は本州の南海上まで延び、前線上の低気圧が九州の南に進んでくる見込みです。前線に向かって等圧線が ハ の字型になっており、南海上から暖かく湿った気流が前線や低気圧に向かって大量に流れこんでいる様子がわかりますね。

この前線をはさんで、南は暖気移流が強まっており、北側も寒気移流が強まる予想ですので、このような場合、日本海西部から黄海、東シナ海北部で等圧線の幅がいっそう狭まり、特に、対馬海峡方面では、朝鮮半島の山脈の影響などで、いっそう 北東の風が強まるものです。

よく、冬季に、関東など、太平洋側が降雪となる時(今回のように、本州上が北からの寒気移流が強まる場合が当てはまります。)対馬海峡では、北東風が事のほか強まりますが、前記したことが原因でしょう。

すでに22日22時現在、対馬の厳原の上空1000メートルでは東北東の風が風速25メートルとだいぶ強まってきました。おおむね 1000メートル上空で風速が28メートル程度以上となり、地表との風向が一致する場合、暴風警報クラス(海上で風速25メートル以上)の風が吹くようになります。

明日23日の対馬海峡を中心とした九州北部では、暴風にご用心!

通常、台風や、発達した低気圧、強い冬型などで、暴風が吹くというイメージが浮かびますが、前記のように、地表と上空との風向が一致して、等圧線が混む場合も暴風となりますから、決して、侮ってはなりません!

追伸ですが、23日は、関東地方など、冬季に降雪となる気圧配置になりますから、とりわけ、気温が上がらず、寒む~く感じる1日となってしまいそうです。

でも、こうなると、おでんで、熱燗が美味くなりそうね。特に松竹梅の熱燗は乙なものですぞ!