カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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知床半島で羅臼風発生 九州北部は午後から暴風

2006-11-23 23:51:27 | インポート

06112312 引用図は11月23日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

23日は北日本で等圧線が混み、午前中を中心に、暴風が吹いたところもありました。また、昼すぎから、北海道知床半島羅臼町周辺で、局地風として有名な、羅臼風が吹き、23日14時に、羅臼町で風速20メートルに達しております。

北海道の他の地域が風が弱まりつつあるときに、この羅臼風は発生しています。これは、発達した低気圧が千島近海に進んで北海道からは遠ざかるとともに、上空の気圧の谷が抜けて、羅臼町上空が下降流の場になったことより、北西風が知床半島の山脈を吹き降りてて発生したものです。

羅臼風発生のタイミング(他のおろし風と呼ばれる局地的強風は皆同様です。)としては、

1・上空3000メートルあたりまで、地表と同じ北西風であること。

2・発生時期は、羅臼町周辺の上空3000メートル周辺が下降流の場で、特に、上昇流から下降流の場に移行してすぐの時期。 

3・羅臼町上空550hpa  で渦度0線(上空の強風帯)がかかること。

以上が挙げられますが、気象庁HPより引用した、①11月23日12時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ②11月23日13時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ③11月23日14時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ④11月23日15時の北海道東部周辺アメダス風向風速図 ④日本気象予報士会HPより引用の11月23日9時のAXFE578図で、羅臼しも風が強まった様子をご覧いただきましょう。

200611231200001

→②200611231300002

→③200611231400001

→④200611231500001

Z__c_rjtd_20061123000000_met_cht_jciaxfe

引用図の配置からは、順序が逆になりますが、⑤より、23日9時現在、羅臼町周辺上空では気圧の谷が残っていますが、樺太方面より、負渦度が移流してきている状態(3000メートル上空ではこういう場合は、下降流が卓越しますね)となっています。この負渦度が、引用図にはありませんが、各種実況図より、羅臼風発生時の23日13時~14時ごろ羅臼町周辺の上空に差し掛かったものと推定されます。①②③④より、13時~14時あたりで、羅臼町では、北西風がとりわけ強まっている様子がわかりますね。

低気圧通過後も、この手の局地的強風には手抜かりならぬ!と言えますね。※羅臼風の記事は本ブログで本年1月24日の記事でも紹介しています。ご覧ください。

一方、23日午後からは、先日の記事で紹介したように、対馬海峡周辺を中心とした、九州北部では、北東風が非常に強まり、23日21時現在、福岡県、佐賀県、長崎県の各県の一部には、暴風警報と波浪警報が出されています。

引用図は 11月23日21時の天気図です。気象庁HPより引用。

06112321 23日21時現在、海上保安庁HPより、対馬海峡や五島列島周辺では、多くの地点(灯台での観測です。)北東の風が風速20メートル以上に達しています。

この方面の暴風は、24日午前中までと続く見込みです。ご用心ください!


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