カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本州を寒冷前線南下 前線の後面では次第に秋の気配が

2010-09-13 23:20:54 | インポート

①9月13日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月13日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③9月13日21時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④9月14日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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本夏、各地に記録的な猛暑をもたらした太平洋高気圧ですが、ようやく、その勢力を弱めつつあります。

本州付近で太平洋高気圧が衰弱すると、次第に、当該太平洋高気圧の縁に本州付近が入りやすくなり、大陸方面から寒冷前線が南下して、その寒冷前線に向かって暖湿流が流れ込んで、大気が不安定となり、所々で強い雨も降りやすくなります。

一昨日から本日にかけて、北日本や北陸の各地では大雨となった箇所が多く、13日夜には、埼玉県南部から東京23区、千葉県北西部にかけて、雷を伴なった激しい雨が降りました。

夏季に本州へ南下してくる寒冷前線は、まさに、太平洋高気圧の衰弱を示す証と言え、決まって、強い雨や雷をもたらすもの。また、当該、寒冷前線の前面では、暖湿流が南西風から西より風となって吹き込んでくるため、西側に山地がある地域では、山越えのフェーン現象による高温を発生させやすいもの。実に厄介なものです。

事実、13日は、西側に山地がある、静岡県静清平野地域や、紀伊半島東部等で特に気温が上がりました。静岡県清水で36・9℃、静岡市で36・3℃の最高気温を観測し、猛暑となりました。

ただ、引用図②③を見比べると、この寒冷前線のすぐ後側からは、水蒸気画像上で明瞭な暗域(画像表示がない部分がくっきりと現れている箇所。水蒸気が相対的に少ない箇所を示します。)が大陸から現れてきて、次第に本州を南下しつつありことがわかります。

実は、この、水蒸気画像上の明瞭な暗域こそ、乾いた空気の集団。それは、大陸からやってきた秋の気団なのです。

関東以西の、季節はずれで記録的な猛暑もようやく翳りが。引用図④より、寒冷前線は、14日9時には、本州の南海上まで南下する予想で、これに伴い、14日は、関東以西の各地でも、前記した、秋の気団に覆われてくる予想です。

本年の記録的な猛暑にうんざりしていた筆者ですが、何か、うれしい気分になってきました。皆さんはいかがでしょう?