カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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おやおや!日本列島へ接近してから発達とは!台風9号

2010-09-07 11:22:30 | インポート

①9月7日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月7日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④9月5日現在での日本近海海水温図 気象庁HPより引用

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東シナ海を北上中の台風9号ですが、昨日9月6日から、徐々に台風自体の勢力を強めてきました。

気象の基本書通りにいけば、台風は、本州付近へ接近するに従い、次第にその勢力を弱めることが多いのもですけどね。まあ、実際の気象現象ってのは、基本書通りにいかないことも多いものですね。

なぜ、台風9号は、発達したか?これは、東シナ海の海水温が大変高くなっていることですね。

台風は、水蒸気が蒸発する際に放出される潜熱がエネルギーですから。この潜熱を得るためには、より、高温多湿な気流が台風に伴う上昇気流内に存在する必要があるからです。よって、台風がより暖かい海水温の海面に位置することが、台風の勢力を維持・発達するはたらきをします。

※ここで注意いただきたいことですが、台風は、暖かい海水ばかりがエネルギーではありません、台風の進行方向流れ込んでいる暖湿流の程度如何でも、その勢力を維持・発達させるものなのです。この点はあまり知られていないことだとおもいますが、ですから、移動速度の速い台風ほど、衰えにくく、逆に発達することも少なくありません。

引用図④より、台風9号の進路にあたる、東シナ海北部では、9月5日現在、28℃から29℃となっており、この程度の海水温ですと、台風は24時間以内におおむね10hpaは発達するようになるものです。

まあ、これも、本年の猛暑の副産物であり、また、着実に地球温暖化が進んでいる証といめそうですよね。

今後の台風9号の進路には、皆さん!どうか、ご用心!!