カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風9号 北陸地方に上陸か

2010-09-08 10:17:35 | インポート

①9月8日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月8日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③9月8日6時の全国ウインドプロファーラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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台風9号は、8日6時現在、京都府舞鶴市の北の若狭湾を東へ進んでいます。今日の昼頃、北陸地方西部に上陸する可能性が強まってきました。

引用図①②より、台風を取り巻く雲の集団は、円形ではなくなって、三陸沖~関東地方北部へ延びる前線の雲と一体となるような形へ変化してきています。これは、この台風自体、その構造を温帯低気圧化しつつあることを示すものですね。

となりますと、この台風9号、今後は 

Ⅰ:三陸沖から関東地方北部へ延びる前線に沿って移動する。

Ⅱ;台風を取り巻く強い雨雲は、暖湿流(上空1000m~2000m付近)が大量に流れ込んでいる箇所(引用図③参照)にも分布する。今回の台風9号の場合ですと、台風の中心付近ばかりでなく、前線の南側にも、帯状に幾重にも分布するようになる。

Ⅲ;台風の進路が、日本海の沿岸すれすれであり、こういう進路ですと、今後、台風が北陸地方に達すると中部山岳の地形的な影響で、台風(温帯低気圧に変わっているかもしれませんが)の中心が分裂して、東海道沖あたりにも中心の一つが発生する可能性も強い

以上、3つの特徴があると言えます。

特に、前記Ⅱの点ですが、標高1000m~2000m付近で暖湿流(風向は南西~西より風)の流れ込んでくる方向に開いた山の斜面にあたり地域のみならず、当該、標高1000m~2000m付近で地形的に鞍部になっている地域も要注意!当該、地形的に鞍部になっている箇所で雨雲が帯状に発達して、強い降水をもたらすことも多いものです。

また、関東南岸から東海道沿岸にかけては、一昨日あたりから海上から海岸部へと吹く南西風が持続しています。海上から海岸部への風向が持続すると、海岸の潮位は上昇するもの。そこへ、台風が接近して気圧が下がりますから、一層、潮位は上昇するようになります。高波や高潮には要注意ですね!