ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

ミスター・ピーノの「見るが勝ち通信」45

2011年03月30日 07時45分33秒 | ミスター・ピーノの【見るが勝ち通信】

朝ピーノさんからいただいたメールマガジンを配信します。

ピーノさんから直接メールマガジンを送っていただいている方に配慮して

一週間遅れ程度でこのブログに掲載していましたが、

地震や津波に関する件もあり、

即日ブログで公開させていただきます。

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 「わっ、暗!」が三週間ぶりの渋谷の第一印象。 井の頭線とJR線を結ぶ 
連絡通路は薄暗く、スクランブル交差点の大画面の映像が消され、街じゅう 
にあふれていたBGMはなく週末なのに人通りもまばら。 中央線荻窪駅構内 
のエスカレーターは停められ、ではどこにひとがいるのかというと、映画館や 
デパ地下にはひとが集まって、コンビニにもお茶や水のペットボトルはあって、 
乳製品(牛乳、ヨーグルト等)が売り切れてたり、連日計画停電を強いられる 
首都圏ならではの風景でした。気楽にショッピングという気にはなれません。 

普段の生活で周波数(ヘルツ、Hz)なんて一度も意識したことがないのに、 
今回静岡県下の富士川を境にして、以東(富士、沼津、熱海、伊豆半島)が 
50Hz<東電管轄>で、以西(清水、静岡、浜松)は 60Hz<中部電力>だという 
ことを改めて考えさせられました。そ、つまり計画停電の“有無”なんですね。 
静岡県って、天気予報などは東部・中部・西部に三分割。 新聞社や営業の 
担当エリアは大井川で東部・西部に二分割され、フォッサマグナの「糸魚川 
静岡構造線(通称:糸静線)」は、諏訪湖から静岡市の西側を流れる安倍川 
だし、天災が起きると河川で県内が“縦割り”になり横断するのが大変です。 


B型の集まり「B'z会」が、1年ぶりで行われました。今回2名参加者が増え 
計5名(女1、男4)となり、冒頭、「とりあえず、ビール!」だけは同じでしたが 
あとは各自飲みたいモノを注文。 地震の際どこにいて、そこからどうやって 
帰宅したかが話題になりました。二次会は行きつけのBarで、最初に頼んだ 
カクテルの酒の種類もまたバラバラで、全く統一性がありませんでした(笑) 
その代わり他のメンバーが注文したカクテルは気になり、それぞれのグラス 
をまわして、ちょびっと一口試飲して 「ウーン、これは・・・」とひと言コメントを 
出すところまで一緒。 なんとなくB型の自己チューでおかしな飲み会でした。 

【展覧会】 

■生誕100年 岡本太郎展<東京国立近代美術館、11/03/27 ★★★★> 
19歳でパリに渡り、1930年代の10年間、ほとんどパリで過ごした岡本太郎。 
「芸術はキレイであってはならない」と主張する彼の、抽象から具象に向かう 
作品の数々、兵役時代の絵、公共施設に置かれたモニュメント、太陽の塔。 
彼の作品はほとんど個人所有とならず、自身の美術館やパブリックスペース 
に展示されているという事実は、逆に考えると、自分の絵を売らなくても著作 
の印税と公共施設からの注文で活動できる環境があったわけで、死ぬまで 
自作の公共性にこだわり続けアバンギャルド(前衛派)を貫いた芸術家です。 
http://taroten100.com/index.html 

【演劇】 

■青年団 「バルカン動物園」 <こまばアゴラ劇場、11/03/26 ★★★★> 
平田オリザ作・演出。 彼が主宰する青年団の若手公演で、科学シリーズの 
第三弾、1997年初演の再演。大学の研究室を舞台に、生物・医学・心理学 
などを専攻する講師や研究員、大学院生たちで会話が飛び交う群像劇です。 
それぞれの専門と思考が違う研究者たちによる“進化”の話が繰り広げられ、 
脳のテーマを中心に、猿を使い自閉症の解明に取り組む研究者、教育実習 
準備をする学生など、恋愛あり、口論ありで、チラシコピーは「人類は、生物 
進化の果てにいるはずなのに、私たちは、どうしてこんなに悲しいんだろう」 
http://www.seinendan.org/jpn/info/2011/03/balkan/ 

■二兎社 「シングルマザーズ」 <東京劇術劇場、11/03/26 ★★★★☆> 
永井愛の作・演出で二兎社30周年記念。 4人の母子家庭状態の母親たち 
の生活の厳しさ(離婚、就労、保育所、教育、食事、養育費)を描いた喜劇。 
児童扶養手当(満額支給の場合、月額約4万円)の見直しを止めさせようと 
行政に異議を唱える女性たちの姿が切実です。2002年からの5年間、貧困・ 
生活格差・就労支援の問題など、沢口靖子(キレイ!)と根岸季衣が熱演し、 
DVで妻子に去られたサラリーマン役を吉田栄作が好演。ほろ苦い結末です。 
http://www.nitosha.net/sm/ 

【映画】 

■ザ・ファイター <原題 The Fighter> (★★★★)

実話を基にした異父兄弟ボクサーの話。 実力がありながら、麻薬中毒者で 
トレーナーの兄(C・ベール)と口うるさいマネジャー役の母親(M・レオ)との 
確執に疲れ果てた弟(M・ウォールバーグ)が、バーで働く女性と知り合い、 
家族との対立と愛情を通して、いかにボクサーとして成長していくかが見所。 
今年度のアカデミー賞の助演男優賞と助演女優賞を受賞した作品だけあり、 
脇役の俳優たちが素晴らしく最後は予想されたとはいえ心温まる結末です。 
http://www.cinematoday.jp/movie/T0009756 

【Book、新書】 

■秋田光彦  「葬式をしない寺」(新潮新書、11/02/20 ★★★★)

大阪の繁華街ミナミにある寺、應典院(おうてんいん)。 劇場・ライブハウス・ 
ギャラリー・ミニシアターも兼ねる多機能型の空間として存在。 市民参加型 
寺院で、「公益の広場」=開かれたお寺を目指し、「布教の場にはしない」と 
決め 「仏教が説いてきたのは、葬式のノウハウではなく、死を見据え、現在 
をどう生きるかという生死決定の哲学」だと説きます。「縁起とはすべての人 
も存在も現象も、相互に関係しあって成立しているのであり、独立自存して 
いるものはあり得ない」という仏教の根本義による未来提案型のお寺です。 
http://www.shinchosha.co.jp/book/610407/ 
葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書)
秋田 光彦
新潮社

■上杉隆 「ウィキリークス以後の日本」(光文社新書、11/03/20 ★★★★) 
25万点の米国外交公電(内日本関連は5000件以上)を持つウィキリークス 
には情報提供者の匿名性を保持するシステムがあり、ハッカー集団である 
「アノニマス:“匿名の”」と協調している点を指摘。 代表アサーンジと対立 
関係にあり彼を拘束・逮捕したい米国政府。 日本メディアは「暴露サイト」と 
誤報を繰り返している点に触れ、チュニジアとエジプトで起きた反政府運動 
では、ウィキリークスが公電(米国との密約)を開示して、同時にアノニマス 
による政府・公安当局にサイバー攻撃が行われた点など興味深い話です。 
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334036140 
ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命 (光文社新書)
上杉隆
光文社

【オマケ、今週の気になった言葉】 

演劇は、決してすべての人にとって必要なものではありません。 ただ、 
演劇は、たしかに不要不急のものに見えますが、ある観客の、ある瞬間に 
とっては、人生を変えるほどの出会いになる場合があります。 出来るだけ、 
その機会を失いたくないと、私たちは考えます。 
(by 平田オリザ、「本日の上演について」チラシより) 

26日(土)2本の舞台を観ましたが、1本は上記のチラシで、震度7程度まで 
は確実に耐える劇場の耐震構造と、舞台装置・照明の厳重な安全チェック、 
地震が起きても劇場内にいたほうが安全で、もし帰宅困難になった場合は、 
劇場と稽古場を開放するという安全管理上の注意点が記載されていました。 
2本目は上演の開始直前に、作・演出家である永井愛さんご本人が最前列 
の通路にマイクを持って立ち、緊急避難の際は誘導を行うので、とりあえず 
座席に座り、落ち着いてあわてずに行動して欲しいと呼びかけがありました。 
演劇ファンにとっては、「何もこの時期に演劇を」ではなく「こんな時期だから 
こそ、家から外に出て演劇を観たい!」という切実な思いがあるんですよね。



では。 

 



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