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『マイルス・デイビス自叙伝』を再読中だが、冒頭だけでやっぱりすごいのだった。

2010年01月17日 22時56分11秒 | レバレッジリーディング
マイルス・デイビス自叙伝〈1〉 (宝島社文庫)
マイルス デイビス,クインシー トループ
宝島社

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現在再読中のマイルスデイヴィス自叙伝である。
何度読んでも凄い。
読むだけでラッパが、いやジャズが上手くなる気がする。
いかに自分のスタイルを確立することが大事か。
いかにアドリブでスペースを大切にすることが肝要か。

休符を吹くのです。フレーズを吹くのと同じぐらい重要なものとして。


それから初期衝動の重要はさは、ロックでもジャズでも同じであって。

マイルスデイヴィス自叙伝の冒頭の数ページ、俺は写経してしまったぐらいだ。
まだマイルスデイヴィスが高校生でセントルイスにいたころ、
チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーがいたバンドを見に行って、
とてつもなく感動して、しかもトランペットが足りなかったので
一緒にステージに乗った、その歓びが、ひしひしと伝わってくる。

この冒頭の部分で、実はマイルスは、その時のサウンドとフィーリングを
生涯に亘ってもう一度つかもうとしていた、と言っている。
いつももうちょっと、というところまではいくが、
あのときにはちょっと届かない、と言っている。

あの、ジャズの帝王マイルスをして、
高校生の時の初期衝動、その歓びをもう一度得ようと
もがいてもがいて、ジャズの歴史、音楽の歴史を変えるような
もの凄いことを、何度も何度も、十年に一度ぐらいやっていたのだ。

そう思うと、実に初期衝動の大切さが尊いということがわかるのだったのだ。

ジャズが好きな方はもちろん、
ロックが好きな人、
トランペットが好きな人、
あらゆる音楽好きに、この本を強く強くリコメンドする次第です。



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