ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
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映画「おくりびと」は個人的には今年の邦画ナンバー1(暫定)です。

2008年10月30日 09時09分37秒 | 映画レビュー
おくりびと

[監]滝田洋二郎 
[総]間瀬泰宏 
[脚]小山薫堂 
[撮]浜田毅 
[音]久石譲 
[編]川島章正 
[出]本木雅弘  広末涼子  山崎努  余貴美子  吉行和子  笹野高史 
[制作データ] 2008松竹
[上映時間] 130分

いや、いい映画だった。
邦画では今年暫定一位さしあげます。
<★★★★☆>

テーマは死。
これを納棺師という職業を通じて、死を見つめる映画だが、映画というエンターテイメントの枠で十全に楽しませながら、その先にあるものまで伝えているところが脱帽であって、このあたり、脚本の小山薫堂の力ではないかと思う。小山薫堂の本を読んだら、お寺の息子と書いてあったので、死についての洞察が深いのはそのせいかもしれないな。

出てくる役者さんも、これまた全員素晴らしい。本木もっくん。美しいねぇ。ホモじゃないけど、惚れ惚れする、現代日本人男性の最も美しいアーキタイプかもしれん。演技もなかなかよかったし、なんといっても納棺の複雑な儀式を流れるように美しくやっていて(エンドロールでも流れる)、素晴らしいとしか言いようがない。山崎勤。緒方拳亡きあと、この人が日本の映画界をしょっていくのではないか。重厚さもあり、軽妙さもあり、洒脱でもあり、シリアスでもある。この映画の中の役がじつに、これらの味をすべて出せるいいものだった。広末。奥さんが広末ですよ。あんなきれいでかわいい、物わかりのいい奥さんはいないよねー。いや、もっくんにはありえるか。日本のブラピ&アンジェリーナみたいなものか。映画の大画面でみる広末は、なかなか、ほんとうにいいです。

笹野高史、吉行和子というベテランが醸す味も、いぶし銀で深みがあり素晴らしいものだ。笹野が言う「死は門みたいなもの。ここを通って新しいところにいく」というセリフが心にしみた。いってらっしゃい、あっちでまた逢おうの。というセリフには本当に泣けたよ。

弟を亡くした時、湯灌という儀式があって、それは死者を近親者がお湯で清めるものだった。これは浜松近辺だけのしきたりなのかもしれないが。それは本当に、現世の汚れを清め、次の世界へ送り出すという気持ちがした。もちろん死は分かれであって、別れは辛いものだが、死は終わりではないというのは、本当に、そうかもしれない。



●公式な解説は以下
遺体を棺に納める納棺師となった男が、多くの別れと対峙する、本木雅弘主演の人間ドラマ。一見地味だが、人生の最期に必要な職業を通して、家族や夫婦愛のすばらしさを描く。ストーリー。リストラを機に帰郷した、チェロ奏者の大悟。高給と短い労働時間にひかれ、求人に応募した彼だが、その内容は棺へ遺体を入れる納棺師という仕事だった。戸惑いながらも大悟は、さまざまな境遇の遺体と対面していくことに。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「その日のまえに」も見てね! (いっしー)
2008-10-30 13:44:26
>邦画では今年暫定一位さしあげます。

11月1日公開の大林映画「その日のまえに」も、
「死」(本人だったり身近な人の)がテーマです。

僕もエキストラ出演していて、
しかもパンフレットでインタビューやってます。
返信する
観てきました。 (manet)
2008-11-03 16:09:57
とても美しい、いい映画でしたね。

うん。

個人的にはいろいろ考えるものもありましたが、
でも、いまのところ「暫定一位」の座は『パコ』のままでございます。ていうか、中島作品って映画としては飛び道具なんでホントは比較になってないのかもしれませんが。
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