ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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映画「月に囚われた男」を見た<★★★★★>

2010年06月14日 20時14分03秒 | 映画レビュー
もう一月前になるだろうか。
恵比寿でしかやっていなかった「月に囚われた男」を見た。

デヴィッド・ボウイの息子である
ダンカン・ジョーンズの初監督作品であること。
超低予算ということしか知らなかったんだが、
もの凄く感動したのでした。
低予算っていっても、
宇宙船の中での一人芝居のような
非常に洗練された抽象的な
芝居で、素晴らしい。
よく練られた実に素晴らしい映画だと言える。
ちなみに最初のオープニングの文字の出方も
低予算ながら実に良かった。マネしたいものだ。

いちばん感動したことは以下だが、
これはネタバレなので、しかも
できればみなさんに見てほしい映画なので、
もの凄く下に書きます。
できれば、見ていただき、感想を語り合いたいモノです。


















よく自己啓発の本にかいてあるが、
これから「なりたい自分」を考える際に
いい手段は、自分の葬式に、誰にどんな弔辞を
読んでほしいかを創造するという手法がある。


が、この映画が示すモノはもっと強烈だ。
とある事情で、この映画では、
自分の最期を自分が看取る。

自分がどう生きたかったか。そしてどう死にたかったのか。
どう自分が自分のストーリーを終えるのかを、
まだ健康な自分が見る、というのは、
何にも勝る、自分を見つめる方法だと思う。

この映画はさらに、もう一枠ヒネリが入っていて、
それはもう、語り尽くせないんだが、
それにして、自分を看取るシーンは、
ほんとうに、ほんとうにこころに響いた。

SFとか、宇宙とかという道具立ては
すべて、「自分の最期を看取る」という
プロットを成立されるための
モノだったのではないだろうか。


いや、ほんとうに名作です。
ぜひ、見てください。
(もうあまり映画館ではやっていないようですが)
力一杯リコメンドします。






月に囚われた男、オフィシャルサイトは以下です。
http://moon-otoko.jp/

MOON: Soundtrack
Clint Mansell


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