ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

残雪過ぎる尾瀬:季節が違うとこうも違う

2017年09月13日 23時29分45秒 | Weblog
横田代を抜け、再び残雪ルートとなった。

気持ちはよいのだが、「腐れ雪」による踏み抜きが怖い。

実を言えば、GWが終わった翌週に奥穂高岳を目指したのだが、涸沢どころか本谷橋の手前で踏み抜きをしてしまい膝を痛めてしまった。
運悪く古傷の半月板損傷の部位であったこともあり、痛みはひどかった。
すぐにブーツを脱ぎ、レジ袋に雪を詰め込み患部を冷やしたのだが痛みは一向に引くことはなかった。
登山を諦め、足を引きずりながら横尾山荘方面へと引き返し、その日は急遽横尾山荘に泊まることにした。
翌日になっても痛みがあったため、通常3時間程度の上高地までのルートを休憩を含め7時間ほどかけ戻った。
そんなこともあり踏み抜きと言えど怖いものは怖い。

やっとアヤメ平の田代へと到着。
予定よりもやや遅れ気味だったこともあり、地図を広げ今後のコースタイムや予定到着時刻の確認作業をした。

「今居るのがここだから、次の富士見田代までは云々・・・。」
「ちょっと遅れているんですね。もう少しペースアップしても大丈夫ですよ。」
「いや、雪道でのペースアップは危険かな。竜宮でお昼を食べてから木道でのペースアップの方が安全だから、そこまでは焦らないで行こうか。」
そんな会話をした。


燧ガ岳をバックに山乙女(?)達のハイ、ポーズ。
「は~い、お嬢さん達、もう行くよ!」
景色がいいとどうしても愛でたくなるのは誰も一緒。
遅れ気味であることを気にしながらもついついふと立ち止まってしまう。


緩やかに木道を下り、再び残雪の樹林帯を抜けた。
そして富士見田代の分岐点から竜宮十字路を目指しひたすら下る。

(「何なんだ、この閑散とした樹林帯は。ここは本当に長沢新道なのか・・・」)
(「そりゃぁ季節が違えば状況が違うのは当たり前だけど、こんなにも閑散としているだなんて・・・俺は今本当に長沢新道を下っているのだろうか・・・。ルートを間違ってはいやしないだろうか・・・。」)

ずっとそんな懸念を抱きながら下っていった。
恥ずかしながらここでも赤テープとトレースが主なルートファインディング方法だった。

と、いきなり。

「あっちゃー! やっちゃったわ」
幸い怪我はなかったが、あちこちズボズボ状態の残雪で、自分も何度か踏み抜いてしまった。

「きゃ!」
振り向けばまたまたズボッ!

スパッツを装着していなかったこともあり、雪は靴の中まで入ってしまったようだ。
「しょうがねぇなぁ・・・」
とは言わなかったが、親切な山男は靴の中に指を入れ雪をかきだしてあげましたとさ(笑)

この日、この程度のルートであるにも関わらず最も緊張しながら進んだのが長沢新道の下りだった。
赤テープを見失うな。
トレースは確実にあるか。
間違った方向にトレースは向かっていないか。
地図を見ろ。
コンパスを使え。
踏み抜きポイントはそこら中にあるぞ。

ずっとそう考えながらの下りだった。