ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

残雪過ぎる尾瀬:なんじゃこれは!

2017年09月10日 00時49分57秒 | Weblog
5月の最終日、職場のスタッフと一緒に尾瀬へと出かけた。
至仏山などへ登る登山ではなく、あくまでもトレッキング程度のものだが、誘った二名の女性は二人とも尾瀬は初めてとのことだった。
定番の湿原コースもいいのだが、ならばここは自分の一番好きなコースである「アヤメ平」コースを歩くことにした。

今年は残雪が多いという情報は既に得ていたが、実際に来てみて驚いた。
「なんじゃこれは!」と言う程の残雪量。
一応軽アイゼンは持参してきたが、本当に使うことになりそうな気がした。

鳩待に着くとすぐ、まだ雪を纏った至仏山が目にとまった。
「去年の今頃とは大違いだ。こんなに残ってるとは・・・」
そう思いながら至仏をバックにハイポーズ♪

ピーカンとまではいかないが、風もなくトレッキングには程よい天候となってくれた。
「これならあまり汗をかかなくてすむかもね。よっしゃ、しゅっぱ~つ!」

アヤメ平へは緩やかな斜度の樹林帯を越える。
が、いきなりの積雪ルートにやや足を取られそうになった。
それでもふり返りカメラを向ければ、「待ってました」とばかりにポーズ。

いやぁ、女性はいくつになっても乙女です(笑)。

木道の殆どは雪に埋もれたままであり、赤テープとトレース頼みが基本となってしまっていた。
これじゃいけないと思い、こまめに地図を広げコンパスでルートファインディングをするが、大凡のコースが分かるだけで、やはりテープとトレースが基本となってしまっていた。

(「それにしてもどうだ、この樹林帯は・・・。何度も通っているはずのこのコースなのに、5月も終わりだというのに、このスカスカ状態の樹林帯は。まだ植物が芽吹いていないだけでなく、おそらくは雪に埋もれてしまっているんだろう。まるで初めて通るコースだ。」)

そんなことを考えながら、不安を抱いたまま歩き続けた。


少し開けたポイントに来る度に、その先のルートが気になった。
地図とコンパスで「あっちの方」と指さすが、確証が持てなかった。
ピンポイントで顔を覗かせている木道、消えてはまた現れるトレース、そして遠くに見える赤テープ。
しばらくはこんなルートファインディングが続いた。
それでもこの不安を言葉や態度、そして表情で悟られないよう気をつけた。
二人とも自分を頼っているわけだし、自分が不安がってしまってはいけない。
ただ、あまりにもトレースの上ばかりでも物足りないと思い、時々はトレースから外れてみたりした。
もちろん安全確実な範囲でだ。


指標ポイントに来た。
ここから分岐点の富士見峠まで4㎞と出ている。
街中なら一時間もあれば着くだろうが、今日のこの残雪状態ともなれば、街中どころか通常のコースタイムよりもかかってしまうだろう。
それにしてもこのお姉さん。
いつものことながらカメラを向けた瞬間にすぐポーズ。
若いっていいなぁ。

更に進むと大きく開けたポイントまで来た。
太陽も顔を覗かせてきていた。
「暑くなってきたなぁ」
と思いきや、遠くには燧ガ岳の山頂が見えてきたではないか。
「ねぇねぇ撮ってぇ」
女性陣による燧ガ岳を入れたハートマークだ。
「おっ、いいかもね♪」

それにしても、女性というものはすぐにこのような発想が生まれるものなのか。
いやはや感心してしまった。
「はい、次は○○さんね。やりましょうよ♪」
ちょっと待て! 俺はこんなポーズやったことなど一度もない。
ちょっと恥ずかしいぞ。
「早くぅ」
いい歳をして顔が赤らんできてしまっていた(笑)

今思い出しても恥ずかしい。そして照れる。

少し進むと所々に窪地があった。
何故窪んでいるのかは分からなかったが、低くなっている所は融雪が進み靴が埋もれてしまうかも知れないという危険をはらんでいる。
「そこは通らないように・・・」と言いかけたのだが、それよりも早くご覧の通り。

「大丈夫? ぬかるんでいない?」
「大丈夫で~す!」
「まったくしょうがねぇなぁ」と思いつつパチリ。
「二人でお花摘みしてるみたいだね。ハッハッハ」
「やめてくださいよ~。山ガールなんだから」

男同士では絶対にあり得ない、やらない、起き得ないことが起きるものだと思った。