ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

筑波山ソロ:まさか・・・

2011年05月21日 00時24分17秒 | Weblog
昼食休憩を済ませば、あとはゆっくりと下山するだけだ。
往路とは違うルートで下山しようと思ったが、ここでも例の札が・・・。
だが、ケーブルカーとロープーウェイは平常運転している。
結局は登山のみが原則禁止って訳だ。
ケーブルカーで下山しようかとも思ったが、1時間も歩けば下りられるのに、わざわざ金を払って下りるのもなぁ・・・。

途中からは、ほぼケーブルカーの線路に沿ってのルートとなった。
出発地点となった「筑波神社」が見えてきた。
境内に入り、さぁて駐車場まで戻ろうか・・・と、石段を下りているその途中だった。
突然自分の体が何らかの力で前へ押し出され、石段を転げ落ち石畳の上に体の右半分を思い切り打ちつけた。
運が悪いというか、無事下山し、いつものようにザックのハーネスをすべて外して、右半分だけで担いでいる体勢だった。
つまり、転げ落ちたのが体の右側だったため、石畳に手を突くことができなかったのだ。
かろうじて顔面を真正面から打たないよう顔はそむけたのだが、右手中指、右肘、そして右側頭部に衝撃と痛みが走った。
それでも自分に何が起きたのかさっぱり分からなかった。
(「一体どうしたんだ? 何故?」)

立ち上がろうとした時だった。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。」と言って、小学生らしき男の子が自分のすぐとなりで泣き出しそうな顔をして立っていた。
どうやらその子が石段を駆け下り、勢い余って踏み外してしまったらしい。
そして前のめりになったその先には自分がいて、巻き添えをくらったようだ。
側頭部をぶつけたためしばし頭がガンガンしていたが、やっと現状を理解することができた(笑)。

幸いその子は自分のザックがクッションになってくれたおかげで、膝を軽くすりむいた程度の怪我で済んだようだ。
「どうか今から病院へ。もちろん私が運転しますので・・・」
その子の母親らしい方からの言葉だったが、どうにもこうにも恥ずかしくて仕方がなかった。
山男が山で転ばず、下山後に神社の石段で転んだだなんて。
いくら巻き添えだったとはいえ、情けねえ~(笑)。
「いえいえ、登山の途中で転んだらこんなものじゃ済まされませんから、大丈夫ですよ、大した怪我じゃないし、痛みもありませんから。」
と、顔で笑って痛みを堪えながら返事をした。
それでも母親は「あのぉ、お名前と住所だけでも教えていただけませんでしょうか」と言ってきたが、自分で直せる程度の怪我だと判断し、「本当に大丈夫なんですよ」と、ちょっと無理に笑顔で答えた。
男の子の怪我が軽い擦り傷程度で良かったと思う。

駐車場まで戻りシャツをまくってみると、右肘に結構大きな擦り傷と内出血が。
でもって右手中指は腫れ上がっている。おそらくは靱帯かな。
そして恐る恐る側頭部に触れてみれば、そこにはでかいこぶが・・・。
はぁ~情けなや・・・。山で怪我せず下山後に階段で転ぶとは・・・。
あの時、完全に油断をしていたよなぁ。

まっ、子供が無事だったからいいか!