通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

広島のお盆の風物詩 盆灯籠

2011年08月15日 | 季節の話題
「自分たちが当たり前だと思ってやっていることが、ほかの地方の人から「なに、それ?」と見られてしまうことがあるよのう」

「『秘密のケンミンSHOW』を観よったら、よう出てくるよね」

「広島県西部でお盆のお墓参りに飾るもの、といえば盆灯籠(ぼんどうろう)じゃのう」

「お盆には、ごく当たり前に飾っとるけぇね。逆に、「えぇ? 全国の皆さんはこれを飾られんの!?」と思うたもんね」

「ご存知ない方に、説明しとこうかの。盆灯籠は、長さ約1・5メートルほどの竹の先を6つに割って、そこに赤、黄、紫などの紙を張り合わせたもんじゃ。紙が張っていない方の竹の先を斜めにカットして、地面に突き立てる。または、あらかじめ穴を掘っておいて、そこに刺す」

「値段は、500円から1000円くらいかね」

「映画『夕凪の町 桜の国』(2007年)でも、堺正章(さかい まさあき)演じる石川(旧姓:平野)旭が、広島で墓参りをするシーンにも出てきとったのう」

「この盆灯籠がたくさん並ぶと、カラフルで、とってもきれいなんよね」

「お盆にお墓参りに来た、という感じがするよのう」




「初盆を迎えたお墓には、色のない、白一色の盆灯籠が飾ってあります」







「そういや、この盆灯籠の由来は?」

「広島県西部には、安芸門徒(あきもんと)いうて浄土真宗(じょうどしんしゅう)の信者が多いんじゃ。その安芸門徒が江戸時代に飾り始めたのが起源とされとるんじゃの」



一説によれば、江戸時代の後期、広島城下の八丁堀(はっちょうぼり)界隈(かいわい)に立ち並んでいた町家。
現在の紙屋町(かみやちょう)あたりに住む紙商人の愛娘が死去したときに、両親がその死を悼(いた)んで灯ろうを作って墓に飾ったのが始まりといわれている。

「Q.「何故、広島だけお盆に盆灯ろうを立てるの?」」広島ホームテレビ




「余談じゃが、紙屋町という町名は、江戸時代、このあたりに紙を扱う商人が住んどったことに由来するそうじゃ」

「うーん。そりゃ、知らんかったね…」





「そういや、お義父(とう)さんのお墓には今年、盆灯籠を飾らんかったのう」

「盆灯籠は、後片付けが大変なんよね。墓守(はかもり)をしてもろうとる、実家の伯父さんが年を取っとってじゃけぇ、今年から飾らんことにしたんよ」

「後片付けの問題もあるし、竹と紙の燃えやすい材料で作ってあるけぇ、火事になりやすいという問題もあるんよの」

「むかしは、盆灯籠に火を灯(とも)しよったけぇね」

「ほいじゃけぇ、最近は盆灯籠を自粛するよう呼びかけとる墓地があるんじゃ。大きい墓地になったら、千・万単位で盆灯籠を処分せんにゃいけんけぇの」

「うーん、この盆灯籠が広島で見られんようになったら残念じゃね」

「かといって、お墓参りに盆灯籠を持って行って、お墓参りの後、すぐに持って帰るようじゃ意味がないしのう。なんかええ方法はないもんかのう…」





「今日は、広島の盆灯籠について話をさせてもらいました」

「ほいじゃあ、またの」

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2 コメント

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 (さぶやん)
2013-06-03 11:02:01
私も義母と初めて広島でお盆を過ごした時に、あれは何なん?と聞かれて初めて広島特有の物だと気付きました(^^)
お盆はあれを飾るのが当たり前だったけど、
由来などは知りませんでした。今回この記事を読んだので早速義母に教えようと思います☆
返信する
盆灯籠(ぼんどうろう)について (福助)
2013-06-30 11:28:52
さぶやん様
コメントありがとうございます。


さぶやん様が言われるように、
お盆にはこれを持って墓参りに行くのが当たり前じゃったし、
広島独特の風習なんて、知らんかった。


ブログにも書いたように

ゴミになる

火災のもとになる

ということで、盆灯籠を自粛しようという動きがあるのは、悲しい。

が、後片付けが大変という墓地側の言い分もわかる。

この風習が続けられるような、ええアイデアがないもんかのう、と思うとります。
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