なゐ
地震
広島弁
先日、『広島県大百科事典』を読んどると、
「ない」という項目があった。
「ない」に特別な意味があるのかと思って読んでみると…。
地震、の意の方言。
上代語「なゐ」の「な」は「土地」の意で、「ゐ」は「居」を指す。
本来、地盤の意味だが、転じて地震を意味する。
(『広島県大百科事典』中国新聞社 1982年)
むかし、「地震が起こる」ことを
「なゐ震(ふ)る」「なゐ揺(ゆ)る」といっていた。
これがのちに、「なゐ」だけで「地震」を意味するようになったそうじゃ。
今では使われんようになった言葉じゃが、
広島県内の島しょ部では、
「ない」「なえ」という言葉で残っとるらしい。
用例で、
「おびたたしく大地震(おほなゐ)振ること侍(はべ)りき」(『方丈記』)
とあった。
このときの地震は、
元暦2年7月9日(1185年8月13日)に発生したもので、
京都に大災害をもたらした。
平家が壇ノ浦(だんのうら)で滅亡して3か月後ということもあって、
この地震は平家の祟(たた)りである
という噂が飛びかったということじゃ。
ほいじゃあ、またの。
地震
広島弁
先日、『広島県大百科事典』を読んどると、
「ない」という項目があった。
「ない」に特別な意味があるのかと思って読んでみると…。
地震、の意の方言。
上代語「なゐ」の「な」は「土地」の意で、「ゐ」は「居」を指す。
本来、地盤の意味だが、転じて地震を意味する。
(『広島県大百科事典』中国新聞社 1982年)
むかし、「地震が起こる」ことを
「なゐ震(ふ)る」「なゐ揺(ゆ)る」といっていた。
これがのちに、「なゐ」だけで「地震」を意味するようになったそうじゃ。
今では使われんようになった言葉じゃが、
広島県内の島しょ部では、
「ない」「なえ」という言葉で残っとるらしい。
用例で、
「おびたたしく大地震(おほなゐ)振ること侍(はべ)りき」(『方丈記』)
とあった。
このときの地震は、
元暦2年7月9日(1185年8月13日)に発生したもので、
京都に大災害をもたらした。
平家が壇ノ浦(だんのうら)で滅亡して3か月後ということもあって、
この地震は平家の祟(たた)りである
という噂が飛びかったということじゃ。
ほいじゃあ、またの。