タイトル----天地は寂然として動かず『菜根譚』。第1079号 23.12.13(火)
『菜根譚』 第8章
〈天地は寂然として動かずして、而(しか)も気機は息や)むことなく停(とど)まること少(まれ) なり。 日月は昼夜に奔馳(ほんち)して、而も貞明(ていめい)は万古に易(かわ)らず。故に君子は、閒時(かんじ)には喫緊的の心思あるを要し、忙処には悠閒的の趣味あるを要す。〉
〔訳文〕 天地はまったく寂然としていて動かないが、その間にも天地のはたらきは、休むことなく止まることもない。また、日月は昼夜、たゆみなく運行しているが、しかも月日の正しく明らかなことは、永遠に変ることはない。それ故に君子は、ひまな時には、とっさの場合に応ずる心構えを持つ必要があり、(反対に)、いそがしい時には、悠々閑々たるゆとりある趣を持つ必要がある。
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〔コメント〕 「忙中の閑」という言葉もあります。忙しくなった時は人間気がせわしくなるものです。そういう時に精神にゆとりを持つことが大切だということです。
数か月前、食堂の床が40年の歳月のためにボコボコなりました。大工さんに頼めば金がかかるので、自分で取り替えることにしました。新建材を買いに行き取換えましたら四日間かかりました。その時、板が不足したためナフコの閉店間際に店に駆け込みました。
隣に乗っていた娘に、こういう時こそ絶対にあわててはだめだよと言って聞かせたものです。慌てて急いで交通事故でもしたら、取り返しがつかなくなります。
そして車両に荷物を積んだら、ロープも何重にかけることが大事です。物が落ちたら大変なのです。
道路で見かける車両の5割が、不安定なロープのかけかたをしています。車両だけでなく、すべてに、念をいれたいものです。
刀剣研磨の弟子に「急ぎの仕事の時こそゆったりとした心持で時間をかけて研磨すべし。余裕のあるときは早めに仕事を終わらせるべし。」と指導していました。日時に余裕の無いとき失敗したら、約束の納期が遅れて依頼主に迷惑をかける。納期に余裕のあるときは早く済ませて研磨研究の時間に当てなさいとの指導だったと聞いています。日常生活の色々な事に通じる心構えだと思います。