味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

春は春遊に従い、夜は夜を専らにす。

2017-04-05 09:29:21 | ブログ
第3018号 29.04.05(水)
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春は春遊に従い、夜は夜を専らにす。『古文真宝』(白楽天「長恨歌」)
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 玄宗皇帝の寵愛を受けた楊貴妃は、春は皇帝に従って春遊び、夜は夜でもっぱら皇帝の左右を離れなかった。549  
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 【コメント】小学生の頃、枕崎の映画館で楊貴妃の映画を観た記憶があります。子供の時分ですから、歴史的なことは何もわかりませんでしたが、ただ、楊貴妃の事は記憶にあります。
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 後期高齢者群に位置づけられている私には、女っけは関係ないですが、女性のかわりに多くの漢籍等々が私との面会を待ってくれています。西郷南洲翁も漢籍に酔いしれたように学んだのであろうと思います。

 「六宮の粉黛顔色なし。」---さすがに化粧をこらした宮中数多くの美女たちも、この人にあっては色あせてしまう。
 楊貴妃の比類のない美しさ。

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『決断と活路』より一部引いてご紹介します。

やる気があれば活路がひらける


 数ある経営者の中でも、若いサラリーマン時代に失意のドン底から再起し、現在住友生命の取締役・相談役・名誉会長として輝く新井正明氏の存在を、心底から高く評価したい。
 新井氏は大正元年十二月、群馬県吾妻町に生まれ、昭和十二年三月東大法学科を卒業、直ちに住友生命に入社したがその年の暮れに召集され、郷里の高崎聯隊に入隊。まもなく満州に渡り、有名なノモンハン事件に遭遇した。そして昭和十四年八月二十日朝、名高いノロ高地の激戦で、一発の砲弾により全身血まみれの重傷を負った。直ちに野戦病院に収容されたが、軍医から右足切断をいい渡された。
 この瞬間、子供のころ家の近くにあった東京巣鴨の病院の暗い印象が頭をかすめ、「脳天を一撃されたように思った」と新井氏は後日「サンデー毎日」誌上で述懐している。
 ところが、新井氏が負傷し、右足切断の身になったと知るや先輩、同僚から励ましの便りが殺到したのである。その中には「大隈重信も永井柳太郎も、見ろ、足は不自由でもあれだけ活躍したではないか」といった例を引用したものが多かった。新井氏は、「この人たちは、ある程度社会的地位ができてからこういう不運に見舞われた。しかし、自分は入社一年足らずのペイペイの社員の身だ。こんな不具者が帰社することはできない。ことに生命保険会社に入社した以上、保険募集の第一級に立たないかぎり活路はないが、この不具の身では---」と思って、本社あてに辞表を提出した。
 ところが、野戦病院での療養で一応傷はなおり、やがて東京牛込の陸軍病院に護送されたときであった。真っ先に見舞いに駆けつけてくれたのが、当時住友生命専務の北沢敬二郎氏であった。そして、右足切断の新井氏から送られた辞表をつき返し、「やめるなんていうな。療養生活を終えたら、遅刻・早退はかまわないから、元気を取り戻して出社せよ。その日を、オレは一日千秋の思いで待っとるぞ----」と、目に一杯涙を浮かべて激励したという。」121


 少しく長くなりましたが、ご紹介させて頂きました。実は、新井先生と私は対面したことがあるのです。その時の写真を道場に掲げています。拙著『礼節のすすめ』にも詳しくご紹介しています。天下の住友の偉い身分でもありましたが、驕り高ぶった所は皆無でした。
 東京の豊洲問題で、非難轟々の元知事とは人格的に雲泥の差があると思っています。そういう新井先生の記事でございましたので、ご紹介させて戴きました。

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『臥牛菅実秀』(第550回)

    ※夫子慷慨。これ以下の四句は前に引用した。  
   ※※十二国亡んで---。文化が爛熟するにつれて、分解作用を起し、溌剌たる生命力を失うことをいう。
  ※※※時命は賁・育も尚お辟し可し。賁も育も勇者の名、どんなことにもひるまない勇者も、時命、時運にはさからうことはできない。
 ※※※※孔丘・墨翟----。格子も墨子も、その抱負と経綸を、ついに現実に行うことができずに終った。これも逆らうことのできない時命     であった。
※※※※※斯れ知る上天----。これ以下の四句、天は深い心があって夫子(白井重勝を指す)に幽栖の境涯を与えたのだ。そして白井重勝は、     古聖賢を目標として勉励すること久しい。願くはこの幽栖の境遇にあって、いよいよ令徳を崇して、天の与える幸福を長く承けら     れよと、師に対する思慕と敬信の心をこめて結んだ。


 坂尾清風は、この詩の中で『時命は賁・育も尚お辟く可し』と歌ったが、実秀も、その時命、時運を深く知っていた。そしてこの道の永遠を期して、花卉を愛し、小禽を愛し、刀剣を愛し、釣磯を愛して、幽栖を楽しむ人のようであった。
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