タイトル----醲肥辛甘は真味にあらず『菜根譚』。第1078号 23.12.12(月)
『菜根譚』 第7章
〈醲肥(じょうひ)辛甘(しんかん)は真味にあらず、真味は只だ是れ淡なり。神奇卓異は至人(しじん)にあらず。至人はただ是れ常なり。〉
〔訳文〕 濃い酒や肥えた肉、辛いものや甘いものなど、すべて濃厚な味の類は、ほんものの味ではない。ほんものの味というものは、(水や空気のように)ただ淡泊な味のものである。(これと同じく)、神妙不可思議で、奇異な才能を発揮する人は、至人ではない。至人というものは、ただ世間並みな尋常な人である。
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〔コメント〕 至人とは、「最高の境地に達した人、道をきわめつくした人」(漢語林)と解説されています。先に芸能界の偉いとされる人がなくなりました。その際、メディア等では至人と同等くらいに褒めたてました。その時、私は首を傾げていました。ああいう人は、芸的にはうまいと思うが、決して至人とは言わない筈だ、と思っていたのです。
今回、『菜根譚』第7章を紹介するにつけて、私の勘は外れてはいなかったな、と合点しました。思うに、至人というのは、メディアでチヤホヤされる人間ばかりではない、と思うことでした。
私は長年、安岡正篤先生の著書を繙いてきましたが、安岡先生の周囲におられる方々こそ至人というような気が致します。
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昨晩は、今年最後の薩摩南洲会勉強会を開催しました。小野寺時雄荘内南洲会理事長の著書と頭山立雲先生の解説等々で学びました。何回読んでも小野寺先生の『南洲翁遺訓』解説は素晴らしいと思った次第です。
年末に折角集まったから、酒を一献傾けようではないかということで、おつまみなしの焼酎だけの忘年会をしました。
『南洲翁遺訓』の人間論にはじまり、政治論、教育論、武道論等々に言及し迚も有意義な話し合いが出来ました。青年の部類に入る木場師範兄弟と我々老人との会話も意志する処は見事に一致し極めて意義ある勉強会でした。
子供さんがおられる保護者が聞いたら、身を乗り出して聞くであろう子育て論も極めて意義あるものであったと思います。世の人々が、中村天風師の『成功の実現』、『盛大な人生』、『心に成功の炎を』、『いつまでも若々しく生きる』を読んでくれたら、幸せが舞い込むのになぁと何時も思っていましたら、30歳の木場師範は購入し、読み、これほど素晴らしい本はないと絶賛していました。
今、政治家、識者という方で信用に値する人がどれほどいるでしょうか。昨日のテレビ報道「なんでも言って委員会」で、アメリカ人の方は政治家の点数は40点だと採点しました。多くの国民がそのように捉えているのではないか、と思うことでした。