第3330号 30.02.11(日)
心は清き時少なく、乱るる時常に多し。其の清き時、視は明かに聴は聡、四體は規則を待たずして自然に恭謹なり。其の乱るる時は是に反す。此の如きは何ぞや。蓋し心を用ふること未だ熟せず。客慮多くして常心少ければなり。習俗の心未だ去らずして、實心未だ完からざればなり。『近思録』287
心は澄んだ時が少なく、乱れた時がいつも多い。澄んだ時には、目も耳もはっきりし、手や足はむりに抑えずとも、自然につつましくなる。心の乱れたときは反対だ。それはなぜだろうか。心の用い方がまだ不十分で、むらっ気が多く、落ち着いた心が少ないからである。世間的な心が消えず、誠実な心が完成していないからである。287
【コメント】いろいろ物事をなそうとするとき、凡人の我々は、頭をよぎります。そういう状態であっても、やり始めたことに一所懸命取り組んで行けば、どうにか成し遂げることができると思います。
昨晩の本部空手道教室は寒い中、子供たちも参加してくださいました。素晴らしい子供たちが集ってくれるので、指導者の私は感謝感激です。
そしてまた有難いことに師範の山田先生も、遠方から指導のためかけつけてくれるのです。昨日は中島先生の学校の子供たちが『南洲翁遺訓』を学びたいとのことで連絡がありましたが、拙著『学問と武道のすすめ』の見本をご自宅へお送り致しました。速達で送付しましたので、今日は届くと思います。
今一番寒い時期でありますので、老体の私は一杯着込んで対応しています。昔は寒さはなんのそのでしたが、老体はだいぶ弱ってきております。
-----------
『不動心』(第189回)
一歩ゆずっても負けにはならない
決心を変えたり、人の訂正意見に従ったからといって、あなたの自主性が損なわれるわけではない。そのような変更は自分の衝動や判断、考慮にそって行われた、あなた自身の自主性に基づく行動なのだから。
---------------
人格の涵養 山鹿素行について 第7回
しかしながら大抵の社会改造論者はあらゆるものの改造を論じて、唯一つ自己の改造を忘れて居る。彼等の改造はオイツケンの所謂「物への附加」に過ぎない。それは要するに何等の幸福をも齎さないのである。山鹿素行といへば、人は直ちに大石良雄等赤穂四十七義士を想起すであらう。まことに彼等萬山重からず君恩重し、一髪軽からず吾命軽しと観じて、君恩に対する報謝、武道の節操の為に、あらゆる苦難を排して怨敵を討つ為に一命を捧げた烈士には、この一代の英霊漢山鹿素行の学問薫化の浅からぬものがあるのである。
--------------
心は清き時少なく、乱るる時常に多し。其の清き時、視は明かに聴は聡、四體は規則を待たずして自然に恭謹なり。其の乱るる時は是に反す。此の如きは何ぞや。蓋し心を用ふること未だ熟せず。客慮多くして常心少ければなり。習俗の心未だ去らずして、實心未だ完からざればなり。『近思録』287
心は澄んだ時が少なく、乱れた時がいつも多い。澄んだ時には、目も耳もはっきりし、手や足はむりに抑えずとも、自然につつましくなる。心の乱れたときは反対だ。それはなぜだろうか。心の用い方がまだ不十分で、むらっ気が多く、落ち着いた心が少ないからである。世間的な心が消えず、誠実な心が完成していないからである。287
【コメント】いろいろ物事をなそうとするとき、凡人の我々は、頭をよぎります。そういう状態であっても、やり始めたことに一所懸命取り組んで行けば、どうにか成し遂げることができると思います。
昨晩の本部空手道教室は寒い中、子供たちも参加してくださいました。素晴らしい子供たちが集ってくれるので、指導者の私は感謝感激です。
そしてまた有難いことに師範の山田先生も、遠方から指導のためかけつけてくれるのです。昨日は中島先生の学校の子供たちが『南洲翁遺訓』を学びたいとのことで連絡がありましたが、拙著『学問と武道のすすめ』の見本をご自宅へお送り致しました。速達で送付しましたので、今日は届くと思います。
今一番寒い時期でありますので、老体の私は一杯着込んで対応しています。昔は寒さはなんのそのでしたが、老体はだいぶ弱ってきております。
-----------
『不動心』(第189回)
一歩ゆずっても負けにはならない
決心を変えたり、人の訂正意見に従ったからといって、あなたの自主性が損なわれるわけではない。そのような変更は自分の衝動や判断、考慮にそって行われた、あなた自身の自主性に基づく行動なのだから。
---------------
人格の涵養 山鹿素行について 第7回
しかしながら大抵の社会改造論者はあらゆるものの改造を論じて、唯一つ自己の改造を忘れて居る。彼等の改造はオイツケンの所謂「物への附加」に過ぎない。それは要するに何等の幸福をも齎さないのである。山鹿素行といへば、人は直ちに大石良雄等赤穂四十七義士を想起すであらう。まことに彼等萬山重からず君恩重し、一髪軽からず吾命軽しと観じて、君恩に対する報謝、武道の節操の為に、あらゆる苦難を排して怨敵を討つ為に一命を捧げた烈士には、この一代の英霊漢山鹿素行の学問薫化の浅からぬものがあるのである。
--------------